AWS App Studioは、ソフトウェア開発スキルを持たない技術者でも、自然言語を使用してエンタープライズグレードのアプリケーションを作成できるように設計された新しい人工知能(AI)サービス「AWS App Studio」が、AWSによって米国西部(オレゴン州)のAWSリージョンでプレビューが開始された。
App Studioによって同社は、ITプロジェクトマネージャー、データエンジニア、エンタープライズアーキテクトが、運用の専門知識を必要とせずにビジネスアプリケーションを迅速に構築できるようにすることで、アプリケーション開発に革命を起こすことを目指している。
このサービスは、生成AIを活用してアプリケーションの作成プロセスを加速する。ユーザーは希望するアプリケーションを記述できる。App Studioはアウトラインを生成し、複数ページのUI、データモデル、ビジネスロジックを構築し、AWSとSalesforce用の組み込みコネクタとサードパーティ・サービス用のAPIコネクタを使って、アプリケーションをさまざまなデータソースに接続する。
AWS App Studioでアプリケーションを作成する(出典:AWS News Blog)
同社は、App Studioの重要な特徴の1つは、サービスがデプロイ、運用、保守を処理するため、ユーザーが基礎となるコードに関心を持つ必要がないことだとしている。AWSのプリンシパル・デベロッパー・アドボケイトであるDonnie Prakoso氏は、次のように書いている。
私はApp Studioが様々な技術者にとって有用であることを発見した。ITプロジェクトマネージャー、データエンジニア、エンタープライズアーキテクトは、App Studioを使ってセキュアなビジネスアプリケーションを、数日ではなく数分で作成し、管理することができる。
Hacker Newsのスレッドでは、ある回答者はこう述べている。
これは、アイデアを素早く検証するための概念実証プロトタイピングには信じられないようなものだ。これらのうちの1つが良いアイデアであれば、プロダクショングレードの実装を構築する間にリファレンスとして使用しても、ユーザーの作業時間という点ではそれほどコストはかからないはずだ。
例えば、AWSの競合の1つであるマイクロソフトは、GenAI機能を備えたPower Automateをローコードで提供している。同社はAI Builder GPT Promptsを導入しており、ユーザーはアプリやワークフローにGenerative AI機能を追加できる。ユーザーはGPTプロンプトをコンテンツ処理、電子メール分類、要約、データ変換などに活用できる。また、Power Automateにはコネクターがあり、Azureやその他様々なサードパーティ・サービス用のコネクターを使って、様々なデータソースに接続できる。ただし、これはアプリの構築を目的としたものではない。
さらに、Power AutomateはAIフローを導入した。これは、構造化されていないコンテンツを分析し、ユーザーの自然言語による指示とパラメータに基づいてステップを決定する生成AIを使用した新しいプロセス自動化方法である。
Corey Quinn氏はAmazon GenAI Servicesというブログ記事でこう書いている。
しかし、GenAIアプリケーションやGenAIアシスタントにスタックを移行し始めるとすぐに、Amazonのリーダーシップの地位は、競合他社に大きく引き離されるようになり、蒸発する。Amazon Q DeveloperがGitHub Copilotに勝てると真顔で主張するのは非常に難しい。発表されたばかりのローコード社内アプリビルダーApp Studioは有望に思えるが、私が愛用しているRetoolののような内向きのアプリケーションを素早く作成できるものはおろか、今では廃止されたAmazon Honeycodeにに勝てるかどうかもわからない。
AWS App Studioの詳細については、ドキュメントのページを参照してください。