3回目の「四国八十八か所」も終りを迎えました。
焼山寺。
本当にね、「夜は危ないから行かない方がいい」と思ってたんですよ。
これは、番組内容うんぬんではなくて、「安全面」を考えて。
でも、大泉さんは・・・いやぁ、初めてだったなぁ、「ロケ中」に、「カメラ回ってる時」に、あんな顔を見せたのは。
ちょっとぼくは、動揺したなぁ。
でもね・・・なんであいつが、あそこまでかたくなに「行く」なんて言い放ったと思う?
放送じゃ、「どんな気持ちの変化があったのかは、わからない」なんて、思わせぶりなナレーションつけてたけど、実は、ちゃんと「理由」がある。
まぁ、これまでの「流れ」を見ていけば、「また行かない」ってのは、さすがにテレビ見てる方も「いいかげんにしろよ」って思うよねぇ。
大泉さんだって、そうだ。
「おい・・・藤村くん、もうやめろや」と。
わかってますよ。
でも、本当に危ないんですよ。
まがりなりにも「世界中を走ってきた」、その経験から言うんです。
アルプスの難所・フルカ峠よりも、焼山寺の方が怖い。
しかし、大泉さんは言ったね。
「焼山寺が危ないって?バカ野郎!そんな危険など知ったことか!ここは行くべきなんだよ!藤村君ッ!」
男だね。
「番組の流れを考えれば、ここは行くべきなんだ!」
強い・・・。
成長したよね。
でもね、大泉くん。
キミの場合、本当は、
「そんな危険など知ったことか!」
じゃなくて、
「そんなに危険なんですか?いやぁ知りませんでした!」だろ?
キミは・・・あれだろ。
過去2回の「焼山寺までの道中」は、全部、寝てただろ。
えぇ?そうだろ?このやろう。
てめぇは、あの山道を、「酔っちゃうからボク寝ます」とか言って、バカみたいに白目あけて、いつも寝てただろ!えぇッ!
だから「行けぇーッ!」なんて言えたんだろ!
ええッ!そうだろ!
危ないの知ってたら、いの一番に、
「そうだね!藤村君。ぼくも行きません!イエーイ!」
なんつって、アッサリ同意しただろ。
挙句に、
「なんだぁ?誰が文句言ってんだぁ?じゃ、おまえが行ってみろよぉ!バカみたいな顔してテレビ見てんじゃないよ」
ぐらいの開き直った態度で、視聴者諸君に悪態をついただろう!
そうなのだ。大泉さんは、「焼山寺の恐さを知らなかった」から、「カッコイイ決断」ができたのだ。
放送じゃ、こんなウラは暴露しないぞ。こっちだって大人だからな。でも、ここじゃ真実を言っとくぞ。
全員が、「危ない」って知ってたら、焼山寺には行かなかった。
だけど、まぁ・・・行ってよかったな。
久しぶりに、危ない目にあって、ちょっと楽しかった。
ミスターもきっと参加したかったことだろう。そういうの好きだから。
で、その後、どんな「お客さん」を乗せてしまったのかは、わからない。
でも、とりあえずみんな元気にやっている。
大泉さんも、多少肩が重い方が、調子はいいようだ。
さて、四国八十八か所の総決算!として、「どうでしょう」オススメの「讃岐うどん屋」を、一挙にご紹介しておこう。
【山越】
ご存知!「どうでしょうイチオシ」のうどん屋である。
そもそもは、うどんリーダー・森崎くんの強い勧めで訪れたのが、最初であった。
名物「かまたま」の素晴らしさは、先の「香川びっくりうどん紀行」を読んでいただくとして、今回、リーダーから衝撃の告白があった
「越えちゃいました」
「なにが?」
「山越を越えちゃう店がありました!」
「なにをッ!」
で、今回、「そこ」を訪れて、リーダー同様、私も「越えてしまった」。
店の詳細はのちほど。
【山下】(善通寺)
「山下」という店名は複数存在するらしいが、我々が食ったのは「善通寺の山下」と呼ばれる「ドライブイン」みたいな外観の店。
この店、なんと言っても「コシ」の強さが乱暴だ。一度にかきこむと喉奥で窒息しそうになる。お互い「やるか」「やられるか」。格闘技のようなうどんである。
そんなぎちぎちのうどんに、天かす、すりごま、レモンをたっぷり絞り、冷たいダシを注ぐ。「ぶっかけ」という食い方である。
これが、サッパリ美味い。
「うどんはコシ!」「うどんは格闘技!」「オレは負けん!」という意欲満々のキミは行くべき。
ナックスのシゲはぎゅうぎゅうに締め上げられた。
【水車】
嬉野くんとの二人旅の時に行った店。
「ワインで煮込んだ洋風のカレーうどん」という変わった紹介文に興味を引かれた。食ってみると「なるほど洋風」。
しかし、驚いたのは、そういう「異種格闘技系の珍味」ではなく、根本的な「うどんの食感」であった。
「もちもち」で「歯ごたえのいい団子」のような食感。
嬉野くんは「うどんとしてはどうだろう・・・」とやや面食らっていたが、団子好きの私にとっては、まさに「一石二鳥!」。「もう一度味わいたい」と単純に願っている珍しい食感である。
【いろりや】高知県
香川以外で「美味い!」と思ったのは、ここだけ。
大泉さんに至っては「いろりやが一番うまいかもしれない」とまで言わしめた。
今年の四国は「いろりやに行く」というのが、大きな楽しみのひとつだった。「ぜひ、うどんリーダー森崎くんに食べさせたい」という願いもあった。
しかし、願い叶わず・・・。
結果、我々の中で「うどん熱」が一気に過熱して「最終日はうどん屋巡り」という決断へとつながった。
そして「いろりや」は、我々の中で、さらに大きな存在になりつつある。
「かぼす」をたっぷり絞った、見た目がとても美しい「上品なぶっかけ」。
食ったのは2年前の一度きり。
高知に「いろりや」がある限り、「四国4周目」、大いにあり得る。
【竹清】
讃岐うどんの魅力は、「うどん」だけではない。
「天ぷら」。この存在は大きい。
しかしここで言う「天ぷら」は、「天ぷら定食」に出てくるような上品なものではなく、スーパーの惣菜売り場にあるような「ちくわの天ぷら」。「冷めたゲソの天ぷら」。そのたぐいである。
多くの讃岐うどん屋では、おばちゃんが、ジャァーっと揚げた各種の天ぷらが、ケースに並んでいる。それを自分の好みでチョイスして「うどん」にのせる。
この「好き勝手スタイル」が、たまらない魅力なのだ。
全巻読破した「恐るべきさぬきうどん」。その中で、私が最も惹かれたのはこの言葉である。
「半熟玉子の天ぷら」。
「半熟たまご・・・の天ぷら」。ちょっと想像してみてほしい。
「とろっ」とした半熟の黄味。それが「とろーっ」と流れてくる。それを「天ぷら」にする。
どうだ!「なんかわからんけど、とにかく美味そう」じゃないか!
その「半熟天ぷら」を出すのが、この「竹清」という店。前々から「行ってみたい店のナンバー1」だった。
で、今年の「ご褒美!うどん屋巡り」で、行ってみた。
入り口を入ると、まずいきなり、ガラス戸の向こうで、おばちゃんが天ぷらを揚げていた。
まさにこの店の「ひのき舞台」は、「うどんを打つおっさん」ではなく「天ぷらを揚げるおばちゃん」だった。
そして・・・あった。「半熟たまごの天ぷら」。
ゆで卵を、まんま揚げちゃった形だった。
これをうどんの上に乗せて、箸で半分に割ってみる。すると、「とろーっ」とした半熟の黄味が、うどんの上に流れ出す。
いやぁ!なるほど!「半熟」の意味は、つまり「とろーっとした黄味」が、ダシと混ざり合って、なんだ、もう、美味くなっちゃう!って、そういうことだったのだ。
ちくしょう!「竹清」!いいぞ!
【彦江】
「山越を越えちゃった店」。それが、この「彦江」だ。
まず、外観がすばらしい。うどんの「う」の字も書いてねぇ。(「四国・最終夜」のオープニング。最後のカットに「彦江」の玄関が出ている。確認してくれ)
「彦江」さんは、もともと、というか今も「うどん玉を作って売る」のが本業の製麺所。
だから「客が来る」という方が、むしろ「イレギュラー」な店。
大泉さんが、そのへんの事情を、おじさんに直撃インタビューしていた。
要約すれば、とにかく、お客さんに「ここで打ちたてのうどんを食わしてくれ」と言われたと。人の良いおじさん、おばさんは、「それなら」と、スペースの一部を「うどん屋らしきもの」にしたと。だから「気づいてみたら、看板も出してなかったんですね。ハハハハ」と。
素晴らしいぞ!
そして、ここのうどん・・・なんて言ったらいいんだ。
「つるつる」「ピカピカ」「のどごしの快感」「舌先の食感」。うどん、そのものの味が、どれを取っても、ピタっと来た。素直に「うまい」。それだけ。リーダー同様、私も「越えた」。
ただし、大泉さん、嬉野くんは、越えなかったらしい。
大泉さんは、総決算として「いろりや」と「山田家」がやっぱり好きだと自己分析していた。
食感は、当然、人それぞれ。今までオススメした店だって、みなさんにとっては、どうだかわからない。
「食い物」というもの、「全員一致」はあり得ない。だからこそ「オレはどうなんだろう?」「美味いと感じるのかな?」。
そんな、「お気楽な自分探し」の楽しさがある。
※付録【徳島ラーメン】
真夜中に1番霊山寺までの巡拝を終えた我々は、これまた「リーダーおすすめ」の「徳島ラーメン」を食いに行った。
そして、私はハマッた。大泉さんもハマッた。
「徳島ラーメン」。「ラーメン」というより、古くから地域に根ざした「中華そば」と言った方が正しい。
特徴は、赤茶色く濁った、どろっとしたスープ。名古屋出身の私は、すかさず「赤だし」だと思った。ここに、生卵を割り入れる。見た目の「濃さ」とは裏腹に、食後は「あっさり感」が残る。気楽に食える「中華そば」。
今、一番お気に入り。
※各店の住所は、自分で探して行ってください。そこから旅が始まります。