日大は大学アメフト界で“異質”な存在だった…記者が分析
スポーツ報知
アメリカンフットボールの定期戦での悪質なタックルで、関学大のQB(クオーターバック)を負傷させた日大3年のDL(ディフェンスライン)宮川泰介選手(20)が22日、都内で記者会見し、当該プレーは内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)コーチの指示に従って行ったことを説明した。日大は22日、アメリカンフットボール部の宮川泰介選手(20)の会見後にファクスでコメントを発表。「QBを潰せ」という言葉があったことは事実と認めたが、内田正人前監督(62)の指示との見解は否定した。
問題の背景を記者が分析した。
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日大は大学アメフト界において強豪であり、「異質」な存在だった。
各大学は昨年から安全対策に積極的に取り組み、医療機関との連携や練習方法などを定期的に話し合う「監督会」を定期的に開いてきた。だが、その「監督会」に内田前監督は一度も現れたことはなく、コーチが代理出席してきた。日大幹部が「日大には日大のやり方がある」と一部大学に対し、あからさまな不快感を示していたのも事実だ。
昨年、現場復帰した内田前監督は深夜に及ぶ猛練習を選手に課し、精神的にも肉体的にも追い込んだ。20人以上の退部者を出しても、昨年の甲子園ボウルで優勝したことで「勝利至上主義」に一層の拍車がかかった。
日大は2019年に創立130周年を迎え、大学幹部からはアメフト部の連覇を期待する声もあった。学内からの期待、それに応えようとした内田氏を含めた指導者。ゆがんだ組織の一部が最悪の形で表面化してしまった。(久保 阿礼)