脱ユビキチン化酵素(活性を持つもの)の中で、
最も活性が高く、非特異的にどんな基質でも切断する
と思われるものは何ですか?
ある程度は推測でもOKです。
NCBI HomePage
URLはダミーです。非常に難しい問題です。なぜなら、なんせこの酵素は数が非常に多く、さらに精製が困難で、個々の酵素の活性を測定して比較するなんて研究はされておらず、せいぜい2,3種類の活性を測ることができた。程度で、定量なんて程遠いし、そもそも活性を測るのにどの基質を使えばいいかも微妙です。少なくとも使用する基質によって分解で切るできないが分かれるようなので、数がたくさんあるのはそれぞれに特異的な基質を持っており、分化や発生で異なる役割を果たしているのだろうと考えられます。
で、質問の答えなのですが、この酵素には大雑把に分けると二つあります一つはUb C-terminal hydorases(UCHs)でもう一つはUb-specific processing proteases(UBPs)です。UBPは大きなたんぱく質についたユビキチン鎖を直接切断できますが、UCHは小さく分解されたたんぱく質に結合したものしか切断できません。そのため、基質特性が低く、非特異的なのはUBPのほうだといわれています。
ユビキチン化されたたんぱく質が分解されるためにプロテアソームに入る際にたんぱく質からユビキチン鎖をはずすという役割をこれら両酵素が持っていると考えられ、様々なたんぱく質のユビキチン鎖を分解できると考えられます。しかし、どちらの活性が強く、どちらが非特異的かは今のところははっきりはいえない状態です。ちなみにUBPは26S、UCHは19Sのプロテアソームのサブユニットにあるらしく、微妙に役割が違うと思われます。これらの酵素は酵母でさえUBP16種類UCHが1種類あり、基質の特異性はオーバーラップしており、何でも切断するというのはまだ確認されていません。ながながと書きましたが要するによくわからないということです。ただ、高等生物では数は半端じゃなく多く、かなり機能的に分化していると考えられます。そのため酵母のような下等な生物でもあるものが一番コアな役割を果たしていると考えられ、この17種類の中に質問の答えと考えられるようなものがあるかもしれません。
おお、やっぱり回答がつくまで放置しておくもんですね。
UBPとUCHってそういう別れ方だったんですかー。
僕が脱Ubi酵素活性が高そうと勝手に思い込んでるものに、
IsopeptidaseTという酵素があるんですが、それがまさにUCHで、
そして、論文を調べたところによると、Ub-AMCを使って測定すると最強クラスの脱Ub化活性があるけど、タンパクだと活性が弱め、みたいなことが書いてあって、
????と困ってたんだけど、恐らくそのせいなんですね。
ユビキチン化についての日本語の総説を見ても、
どれもが脱ユビキチン化に関しては、生理的意義ばかりで、
脱ユビキチン化という現象そのものについての総合的な記述が無くて、どこから手をつけようか…という感じです。
英語だとあるんですけど、
やっぱりどうしてもマイナー雑誌にしか無くて、
なかなかまとまった形のものが無いんですよね。
ねーちゃーとかに載らなくてもいいから、
こういう地道な研究も誰かやって欲しいですねー。