新しいPCに乗り換えた際、最も困ることといえばiTunesとiPhoneの同期かもしれません。
新しいPCのほうでiPhoneを同期しようとすると、「このiPhoneはほかのiTunesライブラリと同期しています。iPhoneの内容を消去しこのiTunesライブラリと同期してもよろしいですか?」と表示され、ここでうっかり「消去して同期」をしてしまうと、それまでiPhoneに入っていたデータが消えてしまいます。これを復元するには古いPCで再び同期させなければならず、大変面倒です。
古いPCが手元にあるうちは問題ないかもしれませんが、それ自体が起動できなくなる可能性もあります。不測の事態に備え、新しいPCでも同期できるようにしておきたいものです。
新しいPCにiTunesを移行するには、古いPCのiTunesフォルダを外付けHDDにまるごとコピーし新しいPCに移すだけでOK。面倒な作業は一切不要です。以下でその手順を紹介します。
古いPCでの作業
1. 「ファイルを統合」をしておく下準備として、「ファイルを統合」をします。iTunes左上の「ファイル」から「ライブラリ>ライブラリを整理」と進み、ファイルの統合にチェックを入れます。これで、ライブラリ内のすべての音楽データなどを1カ所にまとめることができます。
2. 外付けHDDを古いPCに接続する市販の外付けHDDを用意し、PCに接続します。
HDDをPCにつないだら、「古いPCの中にあるiTunesフォルダ(以下Aフォルダ)」を、HDDの中にコピーします。Aフォルダは以下のディレクトリにあります。
・Mac OS X:/ユーザ/[ユーザ名]/ミュージック
・Windows XP:¥Documents and Settings¥[ユーザー名]¥My Documents¥マイ ミュージック¥
・Windows Vista:¥ユーザー¥[ユーザー名] ¥マイ ミュージック¥
・Windows 7 または 8:¥ユーザー¥[ユーザー名] ¥ミュージック¥
Aフォルダを外付けHDDにコピーし終わったら、外付けHDDを取り出します。
新しいPCでの作業
1. 新しいPCに外付けHDDを接続するさて、今度は外付けHDDを新しいPCのほうに接続します。
2. 「新しいPCのiTunesフォルダ(Bフォルダ)」をいったんデスクトップなどに退避させる新しいPCのiTunesフォルダをいったん別の場所に退避させましょう(以下、これをBフォルダとします)。このフォルダに入っているデータは、後ほど旧データと一緒のフォルダに入れます。
3. Aフォルダを、新しいPCにコピー外付けHDDにコピーしていたAフォルダを、新しいPCの中に移します。貼り付ける場所は以下のディレクトリです。
Mac OS X:/ユーザ/[ユーザ名]/ミュージック
Windows XP:¥Documents and Settings¥[ユーザー名]¥My Documents¥マイ ミュージック¥
Windows Vista:¥ユーザー¥[ユーザー名]¥マイ ミュージック¥
Windows 7 または 8:¥ユーザー¥[ユーザー名]¥ミュージック¥
2で退避させていたBフォルダのデータを、3のフォルダの中に入れます。入れる場所は「iTunes Mediaフォルダ > Musicフォルダ」です。
5. iTunes ライブラリの復元この状態だと、「音楽データが見つかりません」という警告が出てしまうので、いったんiTunesを閉じてください。そして「option」キー(Windows の場合は「Shift」キー)を押したままiTunes を再起動しましょう。すると、以下のようなダイアログボックスが開きます。
ここで、「iTunes Library」ファイルを選択します。
6. 無事iTunesデータを移行完了!これで無事、旧PCのiTunesと新PCのiTunesを統合できました。
レートや再生回数などもそのまま移行できていますよ。
ちなみに新PCでiPhoneを同期してみると、今までの音楽データが消えることなくiPhoneに同期できることが確認できます。
参考:iTunesで購入したデータが消えてしまったら
万が一iTunesで購入したデータ等が消えてしまっても、iTunes Storeで再ダウンロードできます。Store右側の「購入済み」からもう一度ダウンロードしてください。
PCの買い替えなど、iTunesを移行させる必要がある場合にこの方法は便利です。ぜひお試しください。
[iTunes]
(安齋慎平)