バケモノスペックがミニサイズで買えるお値段で登場
NVIDIAはCESでAI研究者、データサイエンティスト、学生向けにNVIDIA Grace Blackwellプラットフォームのパワーにアクセスできる個人向けAIスーパーコンピュータ、その名も「Project DIGITS」を発表しました。
この新プラットフォームには、NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchipが搭載されており、AIコンピューティングで1ペタフロップスのスペックを発揮します。 全部聞き取れたのにー!というあなたへ、端的に言うと性能がヤバすぎるMac mini (のような端末)がNVIDIAから登場したと理解してもらえればOKです。
ちなみに文中の1ペタフロップスというのは、G(ギガ)、T(テラ)よりも上の単位で1秒間に1000兆回の計算ができることを指しています。なんとNVIDIAが発表したコンピュータは1ペタフロップスの処理性能なので、あのスーパーコンピュータ「京」へあと1桁というところまで処理性能が迫っています。凄まじい…。
ちなみにフロップスの補足をすると、
「フロップス(FLOPS)」は、コンピュータの処理能力の単位で、1秒間に浮動小数点演算を何回できるかという能力を表しています。フロップスの前には、国際単位系で定められた接頭辞をつけて、つぎのように表現します。
1G(ギガ=10の9乗)フロップス:1秒間に 1,000,000,000回
1T(テラ=10の12乗)フロップス:1秒間に 1,000,000,000,000回
1P(ペタ=10の15乗)フロップス:1秒間に 1,000,000,000,000,000回
スーパーコンピュータ「京」は、1秒間に 10,000,000,000,000,000回(10ペタフロップス=10の16乗)、日本の数字の単位では1京回、の計算ができます。「京」の愛称の由来のひとつは、この1秒間にできる計算回数です。
ー富士通 お答えします スパコンQ&A より引用
処理性能以外も存分な出来栄え
つまり小さな個人用コンピュータがスパコン並みの計算能力を手に入れたということなんです。 Armベースの独自SoC「Grace」を搭載し、メモリは128GB・ストレージは4TBのSSD。200B(2000億パラメータ)のLLMを実行可能なバケモノミニPC。OSはLinuxベースのNVIDIA DGX OSであり、「AIを開発するためのマシン」と呼んでも問題ないほどの構成になっています。
こんなハイスペックでなおかつ、手が届きそうな価格帯に
AIが日々進化を続けるAI業界の中で、AIを開発するためのマシンとして登場したような、この端末は5月に発売予定で3,000ドル(約47万円)からとなっています。スパコン並みの計算能力を持っていると知ってしまうと、なんだかこの金額が非常に安く見えてきました。
RTX 5090が40万円なので、ローカルでLLMを快適に動作させるには今年いちばんコスパのいい可能性があります。AIの研究・開発をしたい人にとっては注目の性能ではないでしょうか。OSがLinuxベースなので使いこなせる人が少ないのはちょっと残念ですが…NVIDIAが独自のSoCを作ってまで「個人向けのPC」の範疇に入る製品を出してきたのは驚きですね。もしもWindowsが動作するなら買ってたかもなぁ。