Appleの生態系が広がれば、破壊される生態系もある。かも。
永遠の人まね上手・Appleは、今日のWWDCで「新しい」アイデアをたくさん発表しました。でも実際それらは全然新しくなく、多くの企業が提供するサービスや機能と大体同じでした。ただAppleは単にそれらをコピーしているだけでなく、破壊しようとしているようです。
というわけで、今年もまたAppleがこのWWDCの発表で殺そうとしているものをまとめます。本当に殺してしまうのかどうかはわかりませんが、少なくとも、競合他社が脅威を感じることは間違いありません。
あらゆる音声アシスタント
音声アシスタントに関しては、AmazonのAlexa、Google Now、そしてMicrosoftのCortanaと、いくつか強力な競合が存在しています。彼らに比べるとAppleのSiriは、あんまりスマートじゃありませんでした。
でも今日のWWDCで、Siriに関してはふたつ、遅ればせながらの重要なアップデートが発表されました。ひとつめは、ついにmacOSに搭載され、デスクトップからも使えるようになること。その検索機能は、MicrosoftのCortanaによく似ています。そしてもうひとつは、デベロッパーに開放され、Uberを呼んだりできるようになることです。
Spotify
Apple Musicは元々Spotifyキラーとなるはずでしたが、今まではそれができていませんでした。というのは、Beats 1とかConnectみたいな誰にも求められていない機能がある一方、Spotifyの素晴らしいプレイリスト、Discover Weeklyみたいなものがなかったからです。でも今日AppleはDiscoverly Weeklyのクローン、その名もDiscovery Mixを発表しました。ほんとに、どこからインスパイアされたんでしょうね?
サムスンのSmartThingsとNest
2年前に発表されたAppleのHomeKitは、それ以来あんまりちゃんと立ち上がっておらず、他社とは差が開いていました。今ある中で一番しっかりしたホームエコシステムはサムスンのSmartThingsで、対応ガジェットも楽しいものがたくさんあります。あとは最近ちょっとトラブルがあった挙句に創業したCEOが退任してしまいましたが、Nestも人気があります。
AppleのHomeアプリでは、ハブからいろんなスマートデバイスをモニターし、コントロールできます。またスマートな自動化機能とともに、Siriも内蔵されています。それはAppleのスマートホーム戦略というパズルに欠けていたピースであり、HomeKitをメインストリームに押し出すために役立つかもしれません。
PayPal
米国などApplePayを提供している地域では、ユーザーもそれなりに増えてはいますが、大多数の人にとってはNFC決済全般がまだまだ意味不明なままです。でもこれからApple PayがWebで使えるようになり、もっと多くの人が使いたくなるかもしれません。
Webで使えるApple Payのデモは、なかなか鮮やかでした。オンラインショッピングのチェックアウト画面で、PayPalライクな「Apple Payで支払う」アイコンをクリックするだけでいいんです。そしてそのときの認証には、iPhoneの指紋センサが使えます(あと使ってる人は少ないですが、Apple Watchも)。
Google Maps
Appleのマップは今も存在していますが、まだまだGoogle Mapsに比べたら雲泥の差です。だからってAppleは、Googleを追い落とそうとする努力をやめません。今回のWWDCでは、Siriやメッセージとともにマップもデベロッパーに開放され、レストランの予約やUberの配車依頼などなどいろんなことがマップ内で可能になりました。
ただ、たとえば2014年にもNestが死ぬかもって思われたり、Appleに真似されたら何もかもが即死するわけじゃありません。逆にここに挙げた以外のものでも、Appleの進化によって絶滅危惧種となるものがあるかもしれません。「いやいやこれだろ!」ってものがあったら、ぜひTwitterなどでコメントしてください。
Mario Aguilar - Gizmodo US[原文]
(miho)