世界が持ち切り。
パナマにある、Mossack Fonsecaという法律事務所。租税回避地、いわゆるタックスヘイブンへの法人設立代行において、世界で4番目の大きさを誇るこちらの事務所から、先日、とんでもない情報がリークされました。
内容は、世界中の著名人たちが、主にタックスヘイブンにてどのように資産監理していたかを示すもの。名を連ねているのは、政治家や経済人、著名スポーツ選手など、いわゆる「世界トップの大金持ち」たちです。
あのスノーデン氏をして「データジャーナリズム史上最大のリーク」と言わしめた今回のリーク。そのデータ容量は2.6TB、ファイル数は1150万件にも及ぶとのこと。これは、ジュリアン・アサンジ氏によって設立されたウィキリークスが2010年に報じた、アメリカ外交公電流出事件、それにエドワード・スノーデン氏によって2013年に告発された、アメリカ国家安全保障局 (NSA) による個人情報収集の手口より、はるかに多いデータ量となります。
Biggest leak in the history of data journalism just went live, and it's about corruption. https://t.co/dYNjD6eIeZpic.twitter.com/638aIu8oSU
— Edward Snowden (@Snowden) 2016年4月3日
実はこちらの問題は、世界中の100を超すメディア、370人以上の記者によって去年から追いかけられていました。それが、イギリスのガーディアン紙と、ドイツのSüddeutsche Zeitung紙によって遂に告発される事態となったのです。
データの膨大さから、まだ解析途中となっていますが、ガーディアン紙によると、少なくとも現時点で以下のことがわかっています。
・アイスランドのグンロイグソン首相が、秘密裏にオフショア企業を保有している
・FIFA倫理委員会のメンバーが、予想されていた以上に汚職にまみれていた実態
もちろん、タックスヘイブンに資産を所有していたからといって、違法になるわけではありません。今回リークされた情報も、そのほとんどが合法的な取引だとのことです。
ただ、タックスヘイブンが脱税やマネーロンダリングに利用されることが多いのもまた事実。今回、このような形で「世界の大富豪のお金の使い方」がリークされてしまった以上、これからさまざまな続報が出てくることは間違いなさそうですね。
image by Matthew Straubmuller on Flickr
source: The Guardian
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(渡邊徹則)