世界を3Dでキャプチャ~のインテルRealSense初搭載!
アップル! アップル! アップル!...とクパチーノのウォッチとデカフォンに気を取られてる間にすっかりテック界の動きに疎くなってしまいましたが、サンフランシスコのIDF 2014では厚さ6mm、世界最薄のタブレットがデビューです!
世界最薄
創業者マイケル・デル自らが壇上に立って発表したAndroidタブレット「Dell Venue 8 7000」。ガンメタルの渋いアルミの筐体で、薄さではソニーが今月最薄として発表したXperia Z3(6.4mm)を1週間で抜いたかたちです(トホホ…)。
ゴージャスな画面
2点目のポイントは、(たぶん)世界最高のスクリーンだということ。ゴージャスな8.4インチ、2560×1600ドットのOLEDで、このカラーはもう感動モノです。サムスン製。なるほど言われてみればGalaxy Tab Sのレビューで驚愕したスクリーンとスペック的にもそっくりですね。単にこっちの方がもっと薄くて、ガラスは端から端までたっぷり。視界を遮るベゼルはほぼゼロです。
カメラ4個=写真内の2点間の距離も測れる
グリップは左側にあって、ここにスピーカーとあとカメラが4個入ってます。「4個も入れてデルなんに使うんよ?」―はいはい、そうくると思ってました。冒頭でも書いたように、これ実はインテルRealSense初搭載のタブレットなんです。インテルが前々から3Dカメラの小型化に取り組んでいるのはもはや公然の秘密。もともとは、あらゆるラップトップをKinectに変えるというのが狙いでした。つまり、プログラムを手の動きで操作するということですね。
でもこのタブレットでは奥行きが認識できるRealSenseのモジュールはユーザに面してなくて、写真撮影用の背面カメラ(8メガピクセル)の隣についてるんです。なので、映画「マイノリティーレポート」みたいにジェスチャーを拾うのではなく、2台目、3台目、4台目のカメラで「写真の中にある被写体の奥行き」を拾ってくれるので、撮った後でもいろいろいじれるんです。例えば、Lytroみたいに撮影後にタップでリフォーカスしたり(動画の1:20〜と3:08〜)、絞りを変えてみたり(下のGIF参照)。
HTC One M8は2つのカメラを使うことで撮影後の写真処理を可能にしましたが、デルのVenue 8では3つのカメラを駆使することでソフトウェア側で三角測量法で写真の中のふたつのモノの間の距離の測量が可能です(動画の3:50〜)。どの地点とどの地点を選ぶかはユーザの自由。「これで釣った魚のサイズで言い争うこともなくなるぞ~」とインテルCEOも得意げでした。
試作機を触ってみた感じでは、深度認識はまだ完ぺきとは言えません。デルの撮影後修正のソフトウェアもバグが多いし。でもこの技術は本物。いろんな事例を見て、そう納得できました。担当の人がカラーからモノクロ、モノクロからカラーに写真を切り替えてくれたんですけど、カメラに近いものから順ぐりに奥の方に色が変わっていくんです。本当にクリアで、あーちゃんと奥行きわかってんだなーって思いました(動画の1:45〜)。
これはAndroid得意の写真に雪を降らせるエフェクトみたいなものかな? ご覧のように、このタブレットでは雪が自転車の「上にだけ積もっていく」んです(動画の4:40〜)。
残念ながら、この世界一オモシロいタブレット、名前は世界一ヒマな「Dell Venue 8 7000 Series」、別名ももっとヒマな「Dell Venue 8 7840」です。とても覚えれない…舌噛む。せめて「Dell Scimitar」とか、もっとカッコいい名前にして欲しかった…。
この「Dell Venue 8 7000 Series」というか「Dell Venue 8 7840」(ああ…)、値段とバッテリーもちは不明ですが、OSはAndroid 4.4で、デュアルコア2.33GHz Intel Atom Z3580プロセッサ搭載、Wi-Fi接続OK、ストレージは32GB(microSDカードで拡張可能)、microUSBで充電可、年末ホリデー商戦までには米国・海外で発売とのことです。
RealSense対応カメラはこれ単発で終わりってこともなさそうです。奥行き認識カメラのモジュールは推定10-20ドルで、インテル提携メーカー各社からLTE対応デヴァイスや、もっと画面とキーボードが大きな機種にも搭載されていく予定です。
Sean Hollister - Gizmodo US[原文]
(satomi)