注射もドリルも痛みもなし。電流をビビッと流してやるだけで歯の自己治癒力が高まる。
そんな画期的な虫歯治療法をキングス・カレッジ・ロンドン(KCL)が発表しました。しかも3年もあれば実用化できるって言ってますよ。
一体どういうことなんでしょうね?
虫歯は、歯を守る外側のエナメルの中の天然ミネラルが劣化して、中の歯が腐ってできるものです。この新手法は、唾液やフッ化物の中にあるミネラル成分が、もともと持つミネラル修復能力を高めるもの。つまり、人体に自然に備わった力を向上させるナチュラルなものです。
高めると言っても、歯科医は単に、少量の電流で虫歯にミネラルを「プッシュ」してやるだけ。この方法(早速「Electrically Accelerated and Enhanced Remineralization(EAER)」という名前がついた)なら痛みはまったくありません。治療に要する時間は、ドリルで削って詰めるのにかかるのと大体同じです。
開発した人たちは、「英国内の歯科医院では3年で実用化できる」と言ってます。既に電流を使った治療法もありますし、そんなに抵抗なく受け入れられると思ってるんでしょうね。
ミネラル補強と言えば2011年にも特殊な液でカルシウムを引き寄せて虫歯を治す、痛み知らずの新治療法なるものが発表されました。あれとちょっと似てますよね。その1年前の2010年には、虫歯のでき始めのところで塩酸を注入して樹脂で塞ぐ治療法も歯科器具メーカーDMGが発表しています。
発表はされるけど実用は…ということが多い分野ですが、ちょっとでも怖くなくなるんなら歓迎だなあ。早くこいこい。
source: KCL via Washington Post
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(satomi)