シェフとして最も難しく挑戦的なのは、多くの技を学び、それを活かして新しいものを作り出していくこと。
逆も然りですが、人間のリミットというのは、どうしてもコンピューターに劣ってしまう部分があります。例えば、膨大な量のデータを処理したり、無数の組み合わせを考えることで言えば、コンピューターの方が遥かに優れているのは間違いないでしょう。そして、料理とはまさに、この膨大なデータの処理と無数の組み合わせが重要な鍵の1つとなるのです。
今回のプロジェクトは、ワトソンが考えだした今までになり新しいレシピを、人間であるシェフが料理して形にするというもの。まずは、シェフが調理したい材料を1つ、ワトソンに入力します。そこから、料理のスタイルを選んでいくと、ワトソンが巨大なデータから照らし合わせたレシピが表示されます。材料の組み合わせはまさに無限に存在し、シェフはこの中からより自分が作りたいものを選べばいいのです。バロメーターとして、マッチ度や驚き度、快適度等も一緒に表示されます。
今回、ワトソンが考案した新料理は以下。
・クリオールのシュリンプとラムの蒸し団子・バルト海のアップルパイ
・オーストリアのチョコレートブリトー
・トルコのブルスケッタ
・ケイマン諸島の果実のデザート
・スイス&タイのアスパラガスのキッシュ
・ポルトガルのロブスターロール
どれも美味しそうよ。食べてみたいと思いません?
料理とは芸術である一方で、科学の賜物でもあるわけで、コンピューターには相性がいい仕事なのかもしれませんね。
IBMの目指すクリエイティブ・コンピューティグとは、人間とコンピューターが仕事を共にするということ。シェフのアシスタントとしての道がコンピューターにあるならば、他のクリエイティブ業界にもコンピューターの居場所がもっとあるのでしょう。
そうこ(JAMIE CONDLIFFE 米版)