病気が無効になる日も近い?
あらゆる臓器や組織になれる「万能細胞」として、これまでES細胞とかiPS細胞といったものが研究されてきました。でもそれら既存の方法には、倫理的に問題があったり、やたら時間がかかったりと言った課題がありました。でも今、日本の理化学研究所が古い血液細胞を30分ほどで万能細胞に変えられる方法を発見したんです。それも、細胞を酸に浸すだけで。
そうです。血液細胞をちょいと酸に浸しておくだけで、夢の細胞名づけて「STAP細胞」ができるんです。
理化学研究所の小保方晴子氏率いる研究チームは、環境ストレスによって普通の細胞が未熟な細胞に変化する現象を植物ですでに確認していました。そして新しい植物が、未熟な細胞から育っていく様子も。この現象は鳥や爬虫類において起こることが知られていましたが、研究チームではさらに哺乳類で実験してみました。ネズミの血液細胞を酸にさらすと、期待通りの変化が始まりました。一部の血液細胞は死んでしまいましたが、多くは2、3日でSTAP細胞に変わったんです。
「信じられないほどですが、専門家が何人もこの研究をレビューし、チェックしています。だから私は信じています。」ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのクリス・メイソン教授はBBCでコメントしてます。「これがネズミと同様人間でも有効なら、他の細胞リプログラミング技術より早く、安く、より安全になりえます。個人個人に合わせたリプログラム細胞治療が、現実のものになるかもしれません。」
このブレークスルーは、他の科学者にも「素晴らしい」「革命的」「ゲーム・チェンジャー」などなど大絶賛されています。なぜか? 幹細胞について興味のある人なら、問題は賛否両論複雑なものだってご存じかもしれません。まずES細胞では受精卵を使う必要があり、ということはこれから命になる受精卵を壊さなきゃいけませんでした。そこで2006年、日本と英国のチームが新しい方法を編み出し、細胞が自分自身をリプログラムして万能細胞となる遺伝子を発見しました。これがiPS細胞で、京都大学の山中伸弥教授が2012年にノーベル賞を受賞することになったものですが、この方法でもお金や時間が相当かかるという問題がありました。
もちろんこの方法が完全に理解され、さらに実際治療に使われるまでにはもっと時間がかかるでしょう。でもこのスピード感なら、自分が生きているうちに不老不死来ちゃう?とも思えるほどです。人間すごい、日本人GJです!
Adam Clark Estes(原文/miho)