ドローンにレーザー砲発射→炎上墜落。衝撃の最新映像を米海軍が公開(動画)

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ドローンにレーザー砲発射→炎上墜落。衝撃の最新映像を米海軍が公開(動画)

うわ...燃えた!

未来の戦争を担うドローンレーザーの対決シーン、海軍が月曜公開した最新映像です。

ドローン(無人機)を撃ち落としたのは「レーザー兵器システム(Laser Weapons System:LaWS)」という、そのまんまなネーミングの米海軍対艦ミサイル防御システムです。近接防御火器システム「ファランクス(Phalanx)」と似たようなものですが、ファランクスが20mmガトリング砲であるのに対し、こちらは巨大なレーザー砲が搭載になってます。

数年前から開発中のもの(右の写真は2010年初夏)で、空中爆破はこれが初めてではないのですが、ここまで劇的なクローズアップ映像は今回が初めて。

映像ではLaWSから発射された6本のレーザー砲が1点集中しターゲットを焼き尽くしていく様がご覧になれます。ビームされる方(0:39-)は目潰しなんてもんじゃない! 地上と空を分割画面で並べた映像(1:00-)を見ると、ビーム発射からものの3秒でボワッと発火してるのがわかります...凄まじい威力。

ちょうどいいので、米軍のレーザー関連の記事をまとめて訳しておきますね。

米空軍は戦闘機・爆撃機にレーザー砲搭載

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まずはこちら、米軍で年内に戦闘機・爆撃機にレーザー砲を搭載し、来年から演習を行うという今年1月の記事からご紹介しましょう。

米空軍のレーザー迎撃機と言えば、2010年2月の実験成功の翌年、予算不足で開発中止となった「YAL-1」がありますよね。YAL-1は、あの3Dアニメーションでソビエトを震撼させた「スターウォーズ計画」が残した数少ない遺産のひとつ。大陸間弾道ミサイルや地対地誘導弾を空中爆破する目的で作られたメガワット級の化学酸素沃素レーザーで、ボーイング貨物機747に搭載してやらないと移動できないほど巨体でした。

現在採用を進めているのは軽量な固体レーザーなので戦闘機・爆撃機にも搭載が可能。地対空ミサイルやロケットからの対空防衛に使います。

開発第1弾は「Hellads」というレーザーで、戦術航空機(右上の写真はDARPAが公開したイメージ図。B-1爆撃機ですね)に搭載するものです。一連のセル使用により150kWのレーザー照射を実現(5kgで1kWの設計目標通りの数値)。ジェネラル・アトミックス社では既に到達目標通り単一および2ユニットのシステムで34kWまでいけることを実証済みです。迎撃はこれだけの威力があれば充分なのだとか。

ジェネラル・アトミックス社とDARPAでは年内に必要な他の装備にレーザーを統合し、2014年には実際に戦闘機に攻撃を仕掛けて迎撃するテストを行う予定です。

130409Aero-AdaptiveAero-OpticBeamControl_DARPA_image.png
Hellads以外では、ロッキード・マーティン社とDARPAが開発中の防衛レーザー「Aero-Adaptive/Aero-Optic Beam Control(ABC)」もあります(右はDARPAが発表したイメージ図)。これは全方位的にミサイルを自動迎撃できるレーザー砲ですね。

DARPAによると、従来はエンジンによる大気の揺らぎのため後方が無防備だったんですが、新型レーザーではフロー制御と補償光学(adaptive optics)で揺れを抑えるので後ろから飛んでくる弾も撃ち落とせるそうですよ。イメージ図でお分かりのように高速型戦闘機に搭載予定。

ロッキード社とDARPAの話によると、既に原寸大の風洞実験は終わり、縮小版のレーザー砲を実機に搭載する作業を進めている最中、とのことです。

レーザービームで空中燃料補給

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レーザーは空中の燃料補給源としても注目されています。

ロッキード・マーティン社では昨夏、旋回飛行中のドローン(無人機)「Stalker」のソーラーセル(太陽電池)にレーザーを照射して燃料を補給し滞空時間を48時間以上に延ばす初期風洞実験に成功しています。

これが実用化されれば理論上は、補給機を飛ばさなくても上空を通過するドローンにレーザービームしてやれば燃料満タンになって何時間でも飛べるドローンの誕生となります。ドローンが地上に舞い降りるのはメンテと撃墜の時だけ!?

艦船にはレーザー砲を2014年より配備予定

レーザーは見た目とかじゃなく、コストがメリットです。ミサイルは製造に何千ドル(何十万円)もかかるけど、レーザー攻撃は1ドル(100円弱)もあればできちゃう(米海軍自身の見積もり)。ミサイルがバケツの水なら、レーザーはバケツの中の1滴の中のまた一部、というぐらいの差があり、一度土台を作ってしまえばあとは文字通り無料なんですね。

海軍研究所(ONR)固体レーザー技術改善プログラムを指揮するピーター・A・モリソン(Peter A. Morrision)氏も巨大なレーザーには熱い期待を寄せています。

「未来はここにある。火薬で刀剣の時代が終わったように、指向性エネルギーの固体レーザーは現代の戦争に革命をもたらす大きな一歩だ」

動画の固体レーザー砲の怪物は来年より艦載予定です。

US Navy via RedditLockheed Martin via GizmagWired

Eric Limer(原文1原文2原文3原文4/satomi)

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