15日ウラル山脈上空で大気圏に突入しロシアに堕ちた隕石の起源がわかりました。
南米コロンビア・メデジンのアンティオキア大学の著名な物理学者ジョージ・ズルアガ(Jorge Zuluaga)博士とイグナシオ・フェリン(Ignacio Ferrin)博士がチェリャビンスク革命広場や近隣市の監視カメラから入った映像や気象衛星メテオサットの映像の時刻から位置情報・速度・高度を分析し、 三角法で軌道を割り出したもの。
計算にあたっては、チェリャビンスクから70km離れたチェバルクリ湖にバックリ開いた穴、あれを落下地点としました(計算後、「落下地点でほぼ確定」という報道もありましたね)。
結果は論文にまとめ、骨子だけウェブに公開(pdf)中なのですが、中にはこう書かれています。
我々の見積もりでは、チェリャビンスクの小惑星は上空32~47kmの間で光ったものと思われる。[...]スピードは(地表に対して)推計秒速13~19kmで、他の研究者らが打ち出した推定値(秒速18km)もこの圏内。
NASAの推計でも太陽から地球までの距離の2.5倍の場所にある小惑星帯が起源、と言ってますから、完全に一致ですね。
こうして得た数値をアメリカ海軍天文台のソフトウェア「NOVAS」に流しこんで、隕石がはぐれた母体の軌道(母体と同じ軌道を辿らない場合もあるけど、とりあえずここでは同一と仮定)を割り出したのが上の図です。
結局、生まれ故郷は小惑星群「アポロ」、あの地球に近い軌道を定期的に通るんで危ない危ないといつも言われてるアポロ群と考えてほぼ間違いないそうですよ。
このアポロ、他にも確認されてる小惑星は5200個ばかりゴロゴロあって、一番大きいのは1972年に発見された「1866 Sisyphus」、幅なんと10km! 恐竜滅ぼしたメキシコの隕石と同じやねん!! く、くるなよ~くるなったらくるなよ~...と星空に願い、ですね...はい...。
Image from arXiv
Jamie Condliffe(原文/satomi)