Wi-Fiでは10倍以上、新幹線のような高速で移動中では約27倍に速度が向上! 驚きです!
先日、MITやハーバード大学などの合同研究チームが、基地局を新たに作る事や送信電力の増加やインフラの整備など、これらすべて行わなかった場合でも通信速度が劇的に速くなる技術を開発したそうです。
私達が普段使っている携帯等の無線ネットワーク通信のパケットは全パケットの約3%が、高速で移動する電車のような乗り物に乗車している時には5%もパケットロスが発生しています。たかだか3%や5%のロスなんてそんなものあまり通信速度に影響はないと思ってしまいそうですが、今回の報道によるとそのごくわずかな3〜5%のパケットロスを改善する技術を使った結果、通常のW-Fiネットワークでは1Mbpsが16Mbpsに増加し、5%のパケットロスが発生する電車内だと0.5Mbpsから13.5Mbpsに約27倍も通信速度が向上したようです。
なぜこれら3〜5%のパケットロスを改善しただけでこれ程までに差が出るのかといいますと、通常の通信でパケットロスが発生した場合受信側は送信者にそのことを伝える必要があり、欠けたパケットが送られるまで何もする事ができず、それがどんどん発生し爆発的に遅くなる仕組みのようです。
なので、ほとんど無駄のない本来の通信ネットワークの速度であれば、今現在の通信速度の10倍位になるのかもしれませんね。
今回の「coded TCP」という技術は、これまでのようにパケットを一個ずつ送信せず、情報がひとまとめに記述された一次方程式(代数方程式)を送る仕組みです。パケットロスがもし発生した場合受信側がその一次方程式を解き埋める事ができると伝えています。素人の私には本当に可能なのかと疑問に思いたくなるのですが、そうした常識を覆す研究者の方々にはただただ頭が下がりますね。
この「coded TCP」はライセンス供与も積極的にされているようでWi-FiだけではなくLTEなどでも効果がみられるとされていますよ~。
現実的には10倍以上速度が速くならなかったとしても、数倍速くなるだけでかなり体感速度が変わるのではと思いました。これらの新技術が直接私たちの生活にどう影響していくのか楽しみですね。
[Slashdot , MIT Technology Review , Gigazine , 元論文PDF]
(宮城省吾)