開発機ゆえに断言はできませんが、イケメン王子であることには違いなさそう。
ライバルがひしめくAndroid界の中でも、注目度の高い「Galaxy S III SC-06D」。NTTドコモからいち早くお借りすることができたので、さっそくいじり倒してみましたよ。
あ! このエントリーは製品発売前の開発機レビューです。正式発売版とは評価が異なることがありえますのでご了承ください。
どんなものなの?
Android OS 4.0を搭載した最新スマートフォンの1台です。ネットワークはもちろんXi(LTE)をサポート。CPUに1.5GHz駆動のデュアルコア「Qualcomm Snapdragon S4 MSM8960」を搭載し、アプリもネットもめっちゃぬるぬるでサクサク。とはいえ...5月にロンドンで発表されたモデルは1.4GHzの4コアCPU搭載機。これは韓国で販売されるそうで、日本やアメリカでは前述したデュアルコア機が販売されます。パフォーマンスと消費電力のバランスを考えると、低クロック・多コアCPUは必須ともいえるので、残念と言えば残念です。
大柄なボディは評価が分かれそう。iPadやICONIA TAB A500など、普段からタブレットを持ち歩いている僕的には△。スマートフォンとタブレットをつがいで飼っている自分としては、スマートフォン側があまり大きくなってほしくないなと感じるものでして。でもオフィス以外ではパソコンを使わないし、タブレットも持っていない。プライベートでネットを使うときはスマホだけでイケる方にとっては、この画面の大きさが効くのもわかります。むしろ電話機 情報端末としてマストなサイズかと。
デザイン
Galaxy S IIシリーズと比べると、角を落とした柔らかいデザイン。手に持ったときの落ち着き具合は「Galaxy S III」のほうが上でした。
電源ボタンはGalaxy S IIシリーズと同様、正面から見て右上横にあります。右手で持つと、右親指の位置におさまっています。
個人的に電源ボタンは上にあったほうがいい派(電源 ホームボタン同時押しの画面キャプチャがしやすい)なのですが、4.8インチという大型ボディゆえ、上部にスイッチがあると操作しづらいと感じる方が多くなりそうとの予感も。
凝ってるなーと感じたのは、ヘアライン加工されたサイドパネルですね。青モデルだと、バックパネルも鉱石を思わせるシックなヘアラインが刻まれているようです。
スクリーン
でか! 4.8インチで解像度が1280×720ピクセルのスクリーンの存在感が圧倒的です。
ペンタイル方式のディスプレイは「実解像度と違うじゃんか!」と突っ込まれがちですが、鮮やかな色彩表現能力を持つというメリットも。動画や画像閲覧には向いていますよ。Galaxy S II系と比べて解像度が上がったために、白バック黒文字のテキストを見てもペンタイルならではのジャギー感はほとんど見当たらず。止め跳ね払いを見極めるように、校正するかのように1文字1文字ェックするならまだしも、電子書籍的コンテンツをスクロールさせながら読む分にはなんの問題も感じませんでした。
カメラ
いーじゃない! いーじゃないのさ!
連写しまくってベストショットな1枚を選んでくれる機能はやや不安定な印象を受けましたが、それよりもなによりも、モード・シーンセレクトや露出補正、測光方法の機能アイコンを撮影画面に並べられる点がいーじゃないのさ!
自由度が高く、狙い通りの明るさの写真が撮れるという点は高く評価したい。もちろん撮影時のレスポンスのよさもGOOD。書込速度の速いmicroSDXCカードを用意して、撮影に臨みたいですね。
操作感
画像はAndroid用ベンチマークアプリの「安兎兎ベンチマーク」で計ったもの。スマートフォンの中では堂々たるNo.1ですね!
電源投入時、スリープから復帰したときのホーム画面読み込み時にやや待たされるものの、いったんアイドリング状態になってしまえば、どんな操作をしてもストレスフリー。GUIをハイパワーなエンジンで激速駆動しているイメージです。とはいえブラウザを使うと、フリックスクロール時に適切な量のブレーキがかかるので、思った位置で止めやすい。いいなあこれ。
CPU周りの性能だけではなく、2GBのメモリーも活きている様子。タブを大量に開いたり、多くのアプリを同時に動かしてもレスポンスの低下は控えめでした。よいなあこれ。
なお水平ランキング(平均値)を見ると、ASUS Eee Pad Transformer Primeを超えるパフォーマンスをたたき出してるのがわかりますよ。たぶんオーバークロック 4コアCPU版のGalaxy S IIIで計測したデータが多く含まれているのでしょう。
バッテリー
バッテリー容量は2100mAhと多めです。高さ約137×幅約71mm×厚さ約9.4mmと、S IIやNEXUSと比べると高くて幅広で、でも薄い。よくこのボディに、これだけの容量のバッテリーを入れたモノだと感心しますね。
画面輝度最大でLTEにつなぎながらYouTubeを見まくったとき、連続駆動2時間ちょっとで残り電力が3/5くらいになりました。中継基地が遠い(電波が弱い)場所だともっと電力消費が増えるでしょうが、1回辺り5~10分を5セットくらい、つまるところ電車やバスでの移動中にスマホを使うことが多いケースにおいては十二分といえます。
その他の機能
あれ。音声認識機能のS-Voiceは使えないんだ。NFCもないよ。代わりにおサイフケータイ機能、ワンセグ、エリアメールなどの機能がトッピング。
残念でもあり、ありがたくもあり。
「Galaxy S III」の良いところ
いろいろとご意見はあるでしょうが、Androidスマートフォンのリファレンスであることには違いありません。つまるところ2012年夏のAndroidのデキを知りたいのなら、まず「Galaxy S III」に触れるべき。
他のNTTドコモNEXTシリーズのスマートフォンと比べると、防水機能や赤外線通信機能がなかったり、NOTTVの受信機能も省かれています。その反面薄く、軽く(約139g。この画面サイズでこの質量は見事です)、バッテリー容量も多い。過渡期にあるスマートフォン市場ですが、この誠実な作りは2年間使い続けても満足度高そう。
郊外でもLTEが使えた点はよかったですねえ。個人的には圏外近辺でのバッテリー消費を抑えるべく、LTEをシャットアウトするモードを備えて欲しいと感じましたが。どうしよう、Xperia Arcから乗り換えようかな...。
残念なところ
上でも触れていますが、普段からタブレットを持ち歩いている身としては画面大きすぎ。手が大きめな僕でも片手で操作すると右上または左上に親指が届かず、持ち替えながら操作しなければならなかったので。
ボトムのポケットに入れたときも、ちょっと圧力を感じますね。
逆を言えば、左手持ち右手操作&バッグに入れるといった方にとってはベストなサイズなのかも。
買いなの?
不要なアプリを削除し、必要なアプリを導入する。iPhone以上に自分色に染め上げるカスタマイズが欠かせませんが、それを負担と思わない方なら今期スマートフォンの中でもGoodyGoodyな1台です。
LTE回線のテザリングもできますし(もちろん2バイト文字のSSIDが設定できるのでいろいろと遊べます)、汎用性も高い。これからAndroidしたい方、4.0に乗り換えたい方はぜひ!Galaxy S III SC-06D[NTTドコモ]
(武者良太)