え?
落ち着いてください、米国の話です。米国の話ですけれども...。大手女性誌コスモポリタンによる調査で20%の女性がセックスしてるよりFacebookの方がいいと答えたというのです。
...セックスって何かね? セックスはもちろん相手があってのことです。相手とコミュニケーションを図ってお互いの求めることを行い気持ちを確認して愛し合ってうんたらかんたら...。でも突き詰めると結局は自分の欲に返ってくるのでは。もっとこーしてあーしてこれ着てあれ脱いでって結局は自分の欲。そしてその己の欲があるからこそ、人間は生物として続いているのです。自分が高まる瞬間、世界は周りから消え自分は幸福感に満たされる。それがセックスっていうやつだそうです。
その幸福感、Facebookはもっと与える事ができると言うのです。幸福感を与えるものの1つである自己愛をFacebookは何よりも速く広く満たしてくれます。Facebookの新タイムライン担当であるSam Lessin氏は語ります「我々はみなさんに自分を誇りに思ってもらいたいのです。我々の目標は自分を誇ることができるようにお手伝いすることなんです。」
つまりもっと好きなもっと誇れる自分に近づけるサービス、それがFacebookだというのです。タイムラインとは言ってみれば自己愛の固まり、誇れる自分をキュレーションする場だというのです。いいことばかりじゃないかもしれない、辛い別れがあるかもしれない。でもそれも含めて誇れる自分だというのです。私を見て、俺にいいねして、タグしてコメントして、アテンションプリーズ! それがすべては自分を満たし幸福を与えると。何か不都合があれば消してしまえますし、公開範囲も自分で決めればいいですし、システムの問題は事務局が対応してくれますし。つまり幸福感で自己愛を満たすには、セックスよりもFacebookの方が都合いいね、ってことなんだって。
...さて、なんか頭がわちゃくちゃになってきましたよ。目の前にいる人から物理的&精神的な快感を得て自己愛を満たすよりも、画面のむこうのたくさんの人からいいね! してもらったほうが自己愛って満たされるということなのか。共有拡散できない幸福感では満足できないってことなのか。セックスでどんなに相手から幸福感を得ても、その気持ちはあなたと相手2人のもので、世界に「ほら!」って見せる事ができないということですか。世界に共有して「私こうなのよ。」と言えるものに「いいね!」してもらい、それを集めていかないと自己愛は満たされないってことなのか。人類は次のステップに進もうをしているのか。幸せとは何なのか。共有できないものの価値とは。自分だけの胸にしまうとはこれいかに。これは考え過ぎなのでしょうかね。あ、もしかして「私、相手にこんなふうにされてこんなこと言われて心も体も満たされました!」ってのを大公開して大共有して「いいね!」してもらうのが自己愛を満たす最高の手段なんですか?
何にせよ、世界中で圧倒的なユーザーを誇るFacebook、その魅力は生物の原点と張り合うほどのものってことなのですね。すごいよ。
そうこ(Sam Biddle 米版)