いざという時のために知っておこう...
東北地方太平洋沖地震で壊滅的な被害をもたらした大津波は、いまでも想像しただけで身震いしそうな恐るべき惨状の爪痕が残り、深い悲しみに包まれますが、今後もし自分の身近で大津波に襲われる悲劇が起きてしまったら、一体どうすればよいのでしょうか?やはり常日頃から最悪の事態をも想定して大震災の備えを怠らないようにしたいと思いますけど、米GIZMODO編集チームからは、万が一、海岸線付近で自動車を運転中に津波が襲ってきたことに気づいた場合、とっさの判断で行なえることがまとめられたサバイバル・ティップス集が届いていますよ。ぜひ覚えておきたい9か条の絶体絶命の事態を打開するステップを、どうぞ肝に銘じてご覧くださいませ!
注意:津波からの緊急避難に自動車を使用することは勧められていません!今回の特集は、あくまでも車を運転中に突如として津波が襲いかかってくることに気づいたという、まさにやむを得ない事態でのサバイバルステップが想定されており、いざ津波警報が発令された時などに急いで自動車に乗り込んで緊急避難するといった方法が勧められているわけではないことを、まず最初に断らせてくださいね。
どうして津波から逃げる時に、わざわざ自ら避難ルートで自動車を選択すべきではないかというと、こういう場合のパニックになった道路事情ほどエスケープに使えないものはないという過去の事例が物語っているそうです。スムーズには走れない渋滞した道路を車で逃げようとするよりも、とにかく高い場所へと自分の足で逃げるほうが先決ですよ! たとえ高台まで逃げ切れる時間がないという緊急事態においても、せめて鉄筋構造の建物の3階以上へと上り切ることができれば、かなり生存確率がアップするそうです。まずは車よりも足を使えというのが鉄則でしょうかね。
ただ、もうすでに道路で車を運転中に津波が襲ってくることに気づき、大津波が到達するまでに残された時間は非常に少ない、できることは本当に限られている、この期に及んで自動車の中でハンドルを握っている自分はどうすればよいのか? そんなもはや背に腹はかえられない超緊急事態に陥ってしまった場合、なんとしてでも生き延びるために役立つと思える9つのステップを、米GIZMODO編集チームが順を追ってお伝えいたします。どうか頭の片隅にでも置いておいてくださいね~
1. まずは津波からの緊急避難ルートの備えをしておく津波発生の危険性が高い地域には、必ず緊急時に避難すべき高台を示したマップなどが用意されているので、まずは日頃からこの安全な場所を頭の中で常に思い描いておくことにいたしましょう。なにごともない時からイメージトレーニングをして逃げられる場所を思考パターンに刻んでおくことで、突如としてパニックに陥りそうな事態に見舞われても、驚くほど鮮明に避難ルートが頭に浮かんできたりするそうです。災害は忘れた頃にやって来ると言われたりもしますし、やはり心して備えをしておくことが大切ですよね!
2. あらゆる手段を駆使して高台へとハンドルを切るいざ思い浮かんだ現在走行中の場所から最も近い避難できる高台へ、とにかくもはや手段を選ばずハンドルを切って大急ぎで車を進めましょう。もう間近に大津波が迫ってきているのが見えているような緊急事態では、逃げるルートも手段を選びません! 車を停めて外に出て走るよりは、そのままフルスピードで飛ばして逃れるほうが賢明かもしれません。歩道であれ、田んぼや畑の中の畦道であれ、舗装されていないガタガタの道であれ、もうとにかく水が到達する前に一瞬でも早く高い場所へと自動車を急いで進めるほかはありませんよ。ここでわずかでも高く車を移動させられていれば、その後のステップの実行が容易になりますからね...
3. バックミラーで常に津波の位置を確認して走るこれは非常に難しいテクなんですけど、でもやっぱり津波の衝撃に備えるためにも、怖いですけどしっかりと見定めておきましょう。当然ながら、押し迫る津波をバックに高台へと車を急がせるわけですが、この時に可能な限り、バックミラーでドンドンと迫ってくるであろう津波を確認しながら運転してください!
4. 最初は逃げながら窓を閉めて運転するこれまた驚きのアドバイスとなってしまいそうですが、こういう背後に間近に津波が迫って逃げなきゃならないなんて時には、やっぱり窓を全開にして走りたくなりますよね。でも、まず最初の大津波に自動車が呑み込まれる瞬間の衝撃のことを考えると、当初は窓を閉めておくことが勧められています。津波はあらゆる物を流し去るので、もし窓が開いたまま車が波の中に突入してしまうと、ありとあらゆる一緒に流されてきた物が車内へと流れ込み、まさに身動きが取れなくなってしまうばかりか、そこで大怪我を負って逃げられなくなってしまう危険性が高まりますよ。初期段階の応急措置としましては、窓は閉めてとにかく高台へとフルスピードで車を運転して逃げるという対応を取りましょう。
5. シートベルトは締めたまま運転するこれも衝動的に逆のことをしちゃいそうですけど、なんとかシートベルトは外しておきたいって考えたくなる衝動は抑えましょう。わずか数メートルの津波でも、いざ自分の走行エリアに到達して頭上を越えた瞬間、激しい衝撃に襲われることになります。この時にシートベルトを締めていないと、やはりシートベルトを締めないまま大事故に巻き込まれてしまう危険性と同じで、この衝撃のショックから最悪の場合は意識を失うほど頭を強く打ってしまい、もはや逃れることもかなわなくなってしまいます...。先ほどの窓を閉めておくのと同じく、まずは津波が追い迫る中での逃走運転モードにおいてはシートベルトの装着が不可欠となりますよ!
6. 窓を開けるとうとう自分が運転するエリアにも津波が押し寄せてしまい、最初に波が頭上を越えて車ともども流される衝撃の第一波が去ったならば、今度は急いで窓を開けましょう。意外とこの直後ならば普通に窓が開いたりすることもあるかもしれませんが、ぜひこんな時のために、日頃から運転席の自分の手の届くところへ緊急脱出用のエマージェンシーハンマーを常備しておきたいですよね。とにかく今度は窓を割ってでも脱出経路を確保ですよ!
7. いざ脱出!いよいよ車を捨てて外へ逃げるべき時がやってきました。先ほどの窓を開けるステップの時と同様に、もしも締めておいたシートベルトが簡単には外せないようであれば、大抵のエマージェンシーハンマーにはシートベルトカッターも一緒についてたりするので、こちらを駆使して緊急脱出モードへと移行してください。
ところで、簡単には窓もドアも開かないという非常事態になってしまった場合はどうすればよいのでしょうか? もしかすると完全に自動車が水没するまでは待つほかはないかもしれません。でも、ここでパニックに陥ってしまったらダメですよ。最初は水圧で開かなかったドアも、完全に水中に没して車内と車外の水圧が同じ状態になると開くようになるというアドバイスが出されたりもしています。なんとか呼吸用の酸素を確保しながら、辛抱してこの段階まで待ってでも、いざ脱出です!
8. とにかく水面へと顔を出す!なんとか津波に呑み込まれてしまった後でも脱出を図ったならば、まず最初に行なうべきこととしましては、とにかく急いで上へ上へと身体を伸ばし、思いっきり足で水を蹴っては水面に顔を出すことです。水の勢いが非常に激しい場合も、なんとか下流の方向に足をもっていきつつ、上流の方向へ顔を向けて浮かぶ状態をキープするようにいたしましょう。こうすれば、どんどんと上流から津波に押し流された物がやってくるのを避ける助けになります。
なお、前方から何かが流れてきて避けなければならない場合、決して水の中に頭を沈め、潜って避けようとしてはいけませんよ! 絶対によじ登ってでも、漂う障害物の上に身を置くようにしてくださいね。
9. 漂流物につかまるもしそのまま水上を漂うしかないことが判明したならば、なんとかシッカリとつかまれる大きな物を見つけましょう。できるならば、しばらく身を休める筏の役割を果たせそうな物が最善ですね。大きな物ほど、他の漂流物にぶつかっても頑丈なので望ましいと言えるでしょう。
この9番目のラストステップまでたどり着くことができれば、たとえ車を運転中に目前まで大津波が押し寄せてくるのに気づいて逃げなければならない非常事態でも、無事に脱出して生き延びられる可能性が大いに高まりますよ。これは実際に津波を生き延びた過去のサバイバル体験談をもとにまとめられたティップスとなっておりますが、状況によっては別のステップのほうが有効というケースもあるかもしれませんね。しかしながら、とにかく冷静に、パニックになってしまうのを避けて迅速にこうして行動できれば、かなり命を救える確率が高まることは間違いないでしょう。ぜひ折に触れて復習しておきたい情報かもしれませんよね。
Mike Spinelli(米版/湯木進悟)