先日、オバマ大統領とジョブズやザッカーバーグ、その他シリコンバレーの超有名企業のスーパーセレブ達の晩餐会が開催されたというニュースをご紹介しました。
病気療養中で痩せ細った体ながらも健在な姿だったスティーブ・ジョブズに、若きビリオネア、マーク・ザッカーバーグ、そして先月GoogleのCEOを辞任し会長となることを発表したエリック・シュミット等々、恐ろしく豪華な面々が揃って乾杯している写真はとてもセンセーショナルでした。
改めて、この写真に登場している(このスーパー晩餐会に招待された)IT業界の超セレブたちをご紹介していきましょう。
今のIT業界をリードする人たちを一気におさらいできますよ。
エリック・シュミット(間もなくGoogleのCEOを辞任)
エリック・シュミットは今から10年前、「大人のチェック(adult supervision)」の役割でGoogleにCEOとして迎えられました。そして今年の春、シュミットはCEOの座を下り、その肩書は共同創業者であるラリー・ペイジに譲る事になりました。今後は会長職になるそうです。こうやって公の場に姿を表す事が彼の重要な職務経歴の一部のなるのやもしれませんね。
またシュミットは長らくオバマ大統領の支援者でもあり、何度かホワイトハウスで一緒に登壇したこともあります。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約600万円(7万2300ドル)
Genentechの会長 アート・レヴィンソン(バイオテクノロジーのリーダー、オバマの医療保険制度改革法案のロビー活動者)
アート・レヴィンソンは、バイオテクノロジー企業「ジェネンテック」の会長 です。同社ではアルツハイマー病の兆候を抑える薬品などを開発しています。
2008年、ジェネンテック社のロビー活動のおかげで、医療保険制度改革法案の議場では、米国議会の代表者達に同じ意見を表明させる事に成功しました。その意見とは...、「全てのアメリカ人の生活を改善するために、我々はこの国で必要な制度を盛り込んだこの法案を絶好の機会として参照して欲しい。」
こんな感じでした。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約2万円(250ドル)
CiscoのCEOジョン・チェンバース(経済専門家が彼の一言一句に注目している)
ジョン・チェンバースは、情報技術インフラストラクチャー企業であるシスコのCEOで、彼の経済の先見眼はアメリカにおいて大きな影響力があると言われています。オバマ大統領の再選は失業率問題にかかっていると言われていますが、一方ではジョン・チェンバーズの四半期決算で語る話に左右されるとかされないとか...?- 2008年からの個人的な政治献金額:約143万円(1万7200ドル)
ジョン・ドーア(GoogleとAmazonのスタートアップ時に投資した男)
ジョン・ドーアはベンチャーキャピタリスト、「クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KP)」の主要パートナーで、グーグルやサン・マイクロシステムズ、アマゾンといった、今や世界を代表するシリコンバレー企業に初期の段階から投資していました。しかしKPは、最近勢いづいているZyngaやTwitterといったシリコンバレー企業に巨額の資金を投資をする機会は逃したようですけどね。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約25万円(3000ドル)
ラリー・エリソン(現代に生きる「アイアンマン」のトニー・スターク)
ラリー・エリソンはオラクルの創業者でありCEO。オラクルもまた、情報技術インフラストラクチャー企業ですが、ラリー・エリソンの私生活は何かと派手な事で有名で、話題に事を欠きません。ヨットのオーナーであり自家用ジェットを所有、豪邸に住み、女性関係も派手(4回結婚して3回離婚しています)。まさにアメコミ「アイアンマン」のヒーロー、現代に生きるトニー・スタークです。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約4160万円(50万ドル)
NetFlixのCEO、リード・ヘイスティングス(IPOで儲かる事を証明した男)
ヘイスティングスはこの晩餐会の中でも成金の類。NetFlixはオンラインDVDレンタル会社で、この一年でNASDAQに上場している株価は急上昇。彼は規模は小さいが急成長しているIT企業の新規株式公開も中々悪くない事を証明しました。オバマ大統領は経済市場の効率化よりも失業率問題に取り組んでいますが、きっと彼はその他のシリコンバレー企業がNetFlixに続いて株式公開して成功することは腹の中では望んでいないんじゃないかな。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約373万円(4万4800ドル)
ジョン・ヘネシー(世界で一番商売上手なエンジニア養成大学の経営者)
ジョン・ヘネシーはスタンフォード大学の学長です。スタンフォード大学のように商売上手なエンジニア養成大学は他にはなく、当時スタートアップ企業だったのGoogleに人材を送り込んだりなどしましたが、スタンフォード大学の教授は優秀な学生をベンチャーキャピタリストに紹介して、一儲けする事ができるとかできないとか。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約40万円(4800ドル)
キャロル・バーツ(米Yahoo! のCEO、ここに来れて良かったですね)
米Yahoo! のCEOキャロル・バーツはこの晩餐会に招待されて嬉しかったんじゃないでしょうか。米Yahoo! はここ一年、収益の伸びは鈍化しユーザーも減っていて、方向転換を迫られています。投資家の中にはキャロル・バーツがリーダーシップをとれる人物かどうか疑問に感じているようで、解任の噂もありますが...、ともあれ今回の晩餐会にはYahoo! のCEOとして出席できて良かったですね。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約42万円(5000ドル)
TwitterのCEOディック・コストロ(そろそろビジネス収益化を目指したい)
Twitterが始まって5 年、これまではビジネスで儲けるというよりは、世の中に文化的な衝撃を与えてきました。
Twitterはイランやエジプトでの暴動の助長に一役買ったりしましたが、ビジネスモデルの方は確立されない状態が長く続きました。
一方、CityVilleやFarmVilleのソーシャル・ゲーム会社は2011年には80億円以上(1億ドル以上)稼ぐだろうと予測されています。
Twitterの共同創立者のエヴァン・ウィリアムズ は2010年、中々ビジネスとして成就できない事を理由にCEOの座を降りることになりました。新CEOのコストロは、過去10年の間に複数のベンチャー企業を育成し、その一つをGoogleに約83億円(1億ドル)で会社を売却した経験のある人物。今後は本腰を入れてTwitterの収益化に取り組むといったところでしょう。
FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ(今後50年もソーシャルネットワークは彼の手中にあるだろう)
Facebookの共同創立者。彼を主人公にした映画「ソーシャル・ネットワーク」ははやくもオスカー賞候補に。現在Facebookのユーザーは全世界に6億5000万人、ウォール・ストリートの投資家はFacebookの時価総額を約5兆円(600億ドル)と値付けするなど、今世界が今最も注目する若き億万長者のマーク・ザッカーバーグ。
そして...、ザッカーバーグは慈善家になりました。彼は80億円(1億ドル)を、ニューアークの学校に寄付する事を約束し、さらに資産の半分を寄付するという、ウォーレン・バフェットの誓約書にサインしました。
Facebookは来年にも株式公開すると言われていますが、マーク・ザッカーバーグは、50年先だろうと、できる限り会社を自分の支配下にするのでしょう。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約4万2000円(500ドル)
スティーブ・ジョブズ(まだ世界はジョブズを必要としている)
言わずと知れたスティーブ・ジョブズはAppleの要です。
ジョブズは、iPhoneのような革命的な製品を想像する能力、そして、それを現実にして世の中のスタンダードにするリーダーシップ能力を兼ね備えた、世界で最も重要な人物のうちの一人。
今ジョブズは病気療養中ですが、世界はまだ彼を必要としています。健在な姿が確認できて良かったですが、かなり痩せ細っている様子。心配ですね...。
グリーンテクノロジーを標榜するWestly Groupのスティーブ・ウィズレー
Westy Groupはグリーンテクノロジー(環境保全テクノロジー)に投資するベンチャーキャピタルです。グリーンテクノロジーというコンセプトは浸透してきましたが、業界的にはまだまだこれからといったところです。- 2008年からの個人的な政治献金額:約886万円(10万6650ドル)
Google のマリッサ・メイヤー(だと思う)
マリッサ・メイヤーはオフィシャルの参加者リストに名前がありませんでした。しかし彼女はシリコンバレーでも有名なオバマ大統領の支援者。昨年10月に、オバマ大統領は彼女のパロアルトの自宅で開催した資金調達パーティ(一人頭あたり25万円だったそうです)に参加したこともありました。
グーグルの女帝と言われているマリッサですが、最近ではローカルビジネスに職責があります。そういえばグルーポンを約5000億円(60億ドル)で買収しようとしていましたね。
- 2008年からの個人的な政治献金額:約555万円(6万6800ドル)
いやあ、本当に恐ろしく豪華な面々ですね。何が話されていたのか、気になります!
Nicholas Carlson(原文/mayumine)
※ご指摘ありがとうございます、記事修正しました。