世界初、人間じゃないクイズ王の誕生です。
本100万冊分の知識を持ち、人間の言葉を聞いて受け答えできる、IBMの開発した人工知能「ワトソン」が、アメリカの人気クイズ番組「Jeopardy!」に出演、王者2人と対決しました。写真中央がワトソン。両サイドにいるのが同番組王者のケン・ジェニングズさんとブラッド・ラターさん。
驚くべきことにこのワトソンは、人間と全く同じ条件で問題を聞き、英語で答え、クイズ王2人を75%の勝率で破りました。間違えてしまった問題でさえ、「ワトソンのジョークなのでは? 」と思えてしまうほどの圧勝です。
IBMの創業者にちなみ「ワトソン」と命名されたこのクイズ王者は、サーバー90台で構成され、1秒間に80兆回の計算が可能なスーパーコンピュータ。IBMのスパコンと言えば以前「ディープブルー」がチェスの世界チャンピオンに勝ったことで有名ですが、今回はクイズです。チェスと違って、あいまいさを含む出題の意味や文脈を理解し、広範な知識と照合しなければなりません。
「ワトソンがボタンを押すスピードが人間よりも早かったから勝てた」という冗談があるようですが、クイズの正解を答えることができたワトソンの凄さは否定しようがないですね。
僕はもう感動してしまいました。人工知能もここまで来たか!
とは言っても、ワトソンはまだ若干不安定のようです。クラッシュしやすいんだとか。それにサーバー90台とかかなり大きいですよね。そう考えると人間の脳みそって本当に凄い。でもまだまだ改善の予知があるってことは、人工知能も進化を続け人間の脳に近くなる、あるいはそれを超えてしまうかもしれませんね。何をもって「知能」と言うのかの定義から考えなくてはなりませんが。
近い将来、2001年宇宙の旅に出てきたHALのようなコンピュータが実現するかもしれません。ちなみにキューブリックもアーサー・C・クラークも否定していますが、「HAL」は「IBM」を1文字ずつ前にずらして命名されたとする説があるそうです。面白いですねー。
以下はワトソンがJeopardy!でクイズ王と対決している実際の映像です。
追記
ネタ元にサーバー750台と書いてあったのでこの記事にも750台と書いたのですが、IBMの発表には「POWER750」という名前のサーバーを90台利用したと書いてあったため訂正致しました。ちなみにこのサーバーは16テラバイトのメモリ、総計2880個の64 ビットプロセッサ(1台に8コアのPOWER7プロセッサを4つ)を備えているそうです。
人工知能スパコン、クイズ王2人と対戦へ 米IBM開発 [asahi.com(朝日新聞社)]
人工知能が新たな水準へ―IBMのWatson、人気クイズ番組ジョパディ!でチャンピオンを破る[TechCrunch]
(鉄太郎)