『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』の著者として日本でも人気のNY市立大学教授、ミチオ・カクが、雑誌『Cosmos』最新号に驚きの記事を発表していますね。
「この宇宙には星や星雲のパワーを活用して無限にサバイブできる超高度に進化した生命体がいるかもしれない」
という仮説です。氏は物理の基礎原理を応用しながら、どうエネルギーを活用するかによって各生命体を3つのレベル(I、II、III.)に分けています。
悲しいことに人類はその定義でいくと「レベルI にも満たない」未開の存在。氏は寛容にも僕ら人類のことを、「0.7の文明人」…と呼んでいます。む~。
まあ、確かに人類には石油燃料燃やすぐらいしか能がないわけですが、うれしいことにタイプI ではバランスを保ちながら自分の住む惑星の全エネルギーを活用することが可能らしいのです。
「タイプ0の文明にとって世界汚染は死活問題ですが、タイプ I の文明は違います。世界のフォースとして数千年間生き永らえてきた。その間に、必要に駆られて母なる惑星との間にエコロジカルなバランスを確立してきた可能性も考えられるのです」
なるほど。ま、しかし、0.7という微妙なラインですから、ボヤボヤしてるとタイプ0になりますねえ…。
ちなみにタイプ II の文明になると使い果たすなんて心配は無用で、よそさまの星のエネルギーもちゃっかり活用できるんです。例えば地球なら太陽といった具合に。たぶん目をつけた星の周りに巨大な球体を張り巡らしたり、…タイプ0.7の頭ではそれぐらいしか想像できませんが…ま、そんなような方法で採りいれることができる。
タイプ III はもっとすごい。星雲(複数形)すべてのパワーが活用できる。星の生と死も思いのままコントロールできるんだそうです。
「おそらくタイプIIの文明にとって唯一の深刻な脅威は至近距離で起こる超新星爆発でしょう。その突然の爆発で身も縮むようなX線放射の突風が襲いかかって自分らの惑星が焦土と化し、全生命体を破滅に追い込む可能性は、あります。従って、たぶん一番興味深い文明はタイプIIIということになりますかね。彼らは正真正銘、死とは無縁だからです。一つの星のパワーを使い果たしたら別のスターシステムに行く。これまでのところ、このタイプIIIの文明を滅ぼすキャパのある自然災害は科学界では何一つ確認されていないのです」
隣に超新星が生まれても、タイプIIIには幾つかの(サバイブできる)選択肢があります。例えば爆発一歩手前の瀕死の赤い巨星の進化を変える(!?)とか、このスターシステムを離れて近くの惑星システムを地球化しちゃうとか。
天文学、地球外生命体のことにちょっとでも関心のある方、何百万年先の宇宙を考えるのが好きな人には絶対面白い記事。この分野では、僕がこれまで読んだ中で最高に面白い記事のひとつです。今すぐ、以下のリンク先でどうぞ!
[Cosmos(英語)]
ADAM FRUCCI(原文/翻訳:satomi)
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