ちょうど1年前、「原油価格『下落のメカニズム』と将来予測」と題して本誌に寄稿した小文の中で、2015年の原油価格動向について「石油価格は向こう1年間ほど下落傾向あるいは低位安定が続き、それから再び上昇する、と見るのが妥当だろう」と述べた。
この原稿を書いている2015年12月中旬までの過去1年間のブレント原油価格の推移は、下に示したようになっている。
数年間100ドル以上で推移していたブレント原油価格は、2014年11月末のOPEC(石油輸出国機構)総会以降、大幅下落に転じた。2015年第2四半期に60ドル台で推移していた頃は「これはニューノーマルではない。必ず二番底がある」と判断していた。その後の急落と、年末に向けての安値の更新はご覧のとおりだ。そろそろ底値感が漂い始めた感がある。
さて、これから上昇に転ずるのだろうか?
1年前、価格動向を左右するファクターとして、1.OPECの生産枠、2.シェールオイルの減産動向、3.地政学リスク、4.需要動向、そして、これらすべての要素を織り込んだ市場参加者の期待、予測、心理状態を注目することが大事だと指摘した。
これらの要因はどのように推移してきたのだろうか。
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