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2025.3.18 Tue
中国が抱くロシアと北朝鮮に対する懸念
―― 反欧米枢軸と中国
中国は、信頼できないメンバーで構成される反欧米枢軸を率いてアメリカと対立することが正しいのか、確信が持てずにいる。ワシントンは、封じ込めの準備をしつつも、新たな外交努力を通じて中国の意図を試すチャンスを手にしている。(ラドチェンコ)
中国は、ロシアとの関係を利用して軍事力のギャップを埋め、技術革新を加速し、アメリカのグローバルリーダーシップを切り崩そうとしている。一方、国際社会で周辺化されていくことを警戒するモスクワは、アメリカがロシアと交渉せざるを得ないと考える環境を作り出そうと考え、北京との関係をそれを強化するための手段とみているようだ。(ケンドール=テイラー 、シュルマン)
中ロと敵対する世界で、アメリカはどのように行動すべきか。これにどう答えるかが、今後の米外交の中核課題となる。中ロと、あらゆる課題をめぐってあらゆる場所で競い合うのでは、失敗するのは避けられないし、そうする必要もない。(フォンテーヌ)
反欧米枢軸への中国の曖昧な立場
―― 中国の意図を確認するには
2025年4月号 セルゲイ・ラドチェンコ ジョンズ・ホプキンス大学 高等国際問題研究大学院 特別教授

中国は、ロシア、北朝鮮、イランとある種の「枢軸」を形成しているという考えに激しく抵抗している。平壌の金正恩政権は、北京のいら立ちの大きな原因だし、中ロは協力しているとしても、その関係は同盟ではなく、「無制限」のパートナーシップからもかけ離れている。要する、中国は、信頼できないメンバーで構成される反欧米枢軸を率いてアメリカと対立することが正しいのか、確信が持てずにいる。ワシントンは、封じ込めの準備をしつつも、新たな外交努力を通じて中国の意図を試すチャンスを手にしている。
中ロ離間戦略を
―― 対ロエンゲージメントのポテンシャル
2021年6月号 アンドレア・ケンドール=テイラー 新アメリカ安全保障センター 大西洋横断安全保障プログラム ディレクター デヴィッド・シュルマン 共和党国際研究所 シニアアドバイザー

中国とロシアの利益の重なり合い、軍事力その他の分野での相互補完性は、アメリカのパワーに対する両国の脅威をたんなる足し算以上に大きくしている。中国は、ロシアとの関係を利用して軍事力のギャップを埋め、技術革新を加速し、アメリカのグローバルリーダーシップを切り崩そうとしている。一方、国際社会で周辺化されていくことを警戒するモスクワは、アメリカがロシアと交渉せざるを得ないと考える環境を作り出そうと考え、北京との関係をそれを強化するための手段とみているようだ。例えば、中国に洗練された兵器を販売することで、モスクワはそうした関係の構築を模索してきた。ワシントンは関係の強化へと両国を向かわせるような行動を避けつつ、中ロの接近と協調をいかに制約するかをクリエーティブに考える必要がある。
中露の脅威にどう対処するか
―― 場所と課題を選んだ闘いを
2023年1月号 リチャード・フォンテーヌ 新アメリカ安全保障センター会長

中ロと敵対する世界で、アメリカはどのように行動すべきか。これにどう答えるかが、今後の米外交の中核課題となる。中ロと、あらゆる課題をめぐってあらゆる場所で競い合うのでは、失敗するのは避けられないし、そうする必要もない。これら2大国の課題に対処する外交政策では、地域や課題について優先順位を決め、困難なトレードオフを判断しなければならない。冷静に優先順位を設定し、優先すべき地域と課題を特定し、無視するべきこと、(問題を)緩和するにとどめるべきこと、関心と資源のごく一部だけを割り当てるべきことが何であるかを決める必要がある。もちろん、同盟関係を強化し、国力を強化すべきだが、ワシントンはどこで何のために戦うかを慎重に判断しなければならない。