かつてネットが普及していなかった時代には、引越し準備といえば、水道、電気、ガスなどのライフラインがまず大切で、電話の移設は少し前の連絡でなんとかなったもの。

ところが、いまは電話の引越しにいろいろややこしい事情があり(コネタ既出)、さらに「インターネットの引越し」となると、かなり前からの申し込みが必要だったりする。


自分自身、光ファイバーインターネットと契約しているマンションにこのほど引越したのだが、移転手続きの連絡をすると、「2~3週間はかかる」といわれてしまった。
ネットがすぐ使えないのは、自分のような自営業者はもちろん、ネットショッピングやネット取引をしている人にとっても、痛手である。
「光が入っているマンションだから、すぐつなぐだけで通ると思いますよ」と管理人さんに言われ、甘く考えていたのだが……。

なぜそんなに時間がかるかというと……。
「お申し込みいただいてから、マンションの回線にアキがあるか、回線調査をするために、かなりお時間がかかります」
そこで、「光よりもADSLならもっと早く開通できる」と勧められたのだが、
「こちらも回線調査の結果が1週間程度でわかり、2週間ほどで使えるようになります」と。

つまり、1週間調査しても、「やはりムリだった」というケースもあるってこと? なぜ?
「マンションに光回線が強く出ている場合、アナログ回線が引けないこともあるんです」
光回線が強く出ているなら、光で通してくれれば良いじゃないか……とも思うが、いずれも「回線調査しないとわからない」と。

仕方なく数社に聞いてみたが、やはり「2~3週間かかる」と言われてしまったのでやっぱりキャンセルしようとしたところ、ある会社の担当者から、こんなアドバイスをもらった。
「複数社を同時に申し込んでみては? そうやって早く開通したところを使い、あとはキャンセルするという人も今、多いんですよ」
聞いたところによると、申し込みをやめようとしたときに、やはり契約がほしいので、プロバイダ側からこのような「複数申し込み」を提案してきて引き止めようとすることがあるという。

地域にもよるが、実は同じように光の接続に「1カ月かかると言われた」「2カ月かかると言われた」などという人もいるよう。
PCに詳しい編集者、ITコンサルタントなどにも相談したところ、解決策として出てきたのは、以下のようなものだった。

 ・光ではなく、ADSLなら早く開通できる
 ・漫画喫茶やインターネットカフェを利用する
 ・無線LANが使えるなら、マクドナルドやドトールなどを利用する
 ・ウィルコムやイーモバイルなどを利用する
 ・一時的にダイヤルアップ接続をする
 ・モデムカードのようなものを購入する

結局、自分は「フレッツADSL、光も含め、複数社で同時申し込み」という方法をとることにした。
そして。
驚いたことに、「2~3週間かかる」と言われたマンションの光が1週間程度で開通。さらに、他社からも続々連絡がきてしまい、今度は「キャンセルに大忙し」ということになったのだが……。

非常に複雑で混乱をきわめるインターネットのお引越し。これから引越しする方は、くれぐれも早めのご準備を。
(田幸和歌子)
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