民主党は22日午前、参院に「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」を提出した。共同提案者として社民党と無所属の糸数慶子議員が名を連ねた(写真は中村参院事務総長<中央>に法案を手渡す提出者ら。左から水岡俊一、糸数慶子<無所属>、福島みずほ<社民党>、小川敏夫、前川清成、白眞勲、有田芳生、尾立源幸の各参院議員)。

 法案提出後、党ネクスト法務大臣を務める小川議員らが記者会見し、法案の概要について、「法案は人種差別撤廃条約を受けた基本法という位置付けだ。その中に人種差別等の行為の1つとしてヘイトスピーチを盛り込み、これを禁止する内容となっている。刑事罰は入っておらず、あくまでも禁止される行為として明記した」と説明した。また、当初は与野党全会派共同提出を目指したが、趣旨には賛同しても共同提出には至らなかった党派もあるとし、「これから法案審議の中で各党・各会派にご理解を頂いて、円満な形で法案を成立させたい」と述べ、今後の各党の協力に期待感を示した。

小川敏夫議員と有田芳生議員

小川敏夫議員と有田芳生議員

 有田議員も「ヘイトスピーチというような嵐がいまだに吹き荒れていることに対して、私たち国会議員の立場として国民の皆さんに『ヘイトスピーチは許されないのだ』ということを明らかにすると同時に、各地方自治体もヘイトスピーチへの対応に悩んでおり、こうした地方自治体にとっても的確な指針となるような法律案になっている。世論を高めていく中で、このような当たり前の法律を、一刻も早く可決するような状況を作らなければいけない」と法案の意義を強調した。

白眞勲議員

白眞勲議員

 白議員は「もうすぐオリンピックが開かれる国で、相変わらず人種等を理由とした差別をするようなデモが行われているというのはみっともない。こういうことを止めさせるべく、こうした法律をきちっと作って対応していく必要がある」と力を込めた。




PDF「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案要綱」人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案要綱

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