枝野幸男幹事長は27日夕、東京の秋葉原駅前で街頭演説を行った。演説会を始める前には、秋葉原で活躍しているアイドルグループ「仮面女子」のメンバーらから激励を受けた。

 枝野幹事長は、秋葉原という若い人たちが賑わう場所で街頭演説会を開いた理由について、「なぜ解散したのか分からないため、選挙への関心が薄いのではないか、ましてや若い皆さんの投票率は低いのではないかと言われている。しかし政治は、選挙を通じた国民の1票で方向が決まる。政治に関心を持たない、投票しないということは『政治が何を決めても仕方ない』という白紙委任にほかならない。本当に今の日本で白紙委任をしていいのか、特に若い世代の皆さんに訴えたい」と説明した。

 「この秋葉原には、夢に向かって全力で努力している若い人たちがたくさんいる。『努力は必ず報われる』という言葉は、夢を持って頑張っている若者たち、子どもたちにとっては大事な言葉だ。しかし、残念ながらこの社会は、努力をしたからといって必ず報われるわけではない。頑張ってきたにもかかわらず、事故にあったりけがをしたり病気になったりもする。安倍総理は『自民党政権になって雇用の数を増やした』と威張っているが、増えているのは頑張っても報われていない、普通の暮らしを夢見ることすらできないような、非正規雇用の若者だ。こんな社会構造の中で若者に夢を持て、努力は必ず報われると発破をかけることは無責任だ」「こうした流れは、強い者、豊かな者ばかりに目を向けている今の政治の流れそのものに原因がある。強い者をより強く、豊かな者をより豊かにして、社会全体がそれに引っ張られて持ち上げられていくというのは、確かに40年~50年前の日本は、それで成功した。しかし、その時代と比べて日本はもっと大きな重たい社会になっている。今、日本社会に必要なのは、重たい日本社会を下から支えて押し上げていく、そしてすべての人が希望すれば普通の暮らしができるという、ほとんどの人が信じていてかなえられた、本来の日本の姿を取り戻していく努力だ」と訴えた。