従業員を第一に考える

　ネイチャースイートのチェリートマトまたはグレープトマトのパッケージを開け、ラベルをひっくり返すと、ラベルの裏側にこちらを見ている顔が現れる。当社の従業員の似顔絵がそこに印刷されているのだ。保守のパコ・エレーラ、包装のロシオ・コルテス、収穫前作業のジェシカ・ララ、食品安全のグロリア・バルガスなど、約100人のスタッフのうちの誰かである。ラベルの裏側には各人物の暮らしや仕事について詳しい情報にアクセスできるQRコードとURLが記載されている。

　なぜ、ネイチャースイートの商品パッケージでは、従業員を目立つ形で紹介しているのだろうか。答えは簡単である。彼らは私たちのビジネスの要だからだ。当社の温室栽培トマトが見た目も味も素晴らしいのは、従業員の努力のおかげだ。彼らの顔写真やプロフィールを自社のウェブサイトに掲載するのは、会社が彼らに対する感謝を示す一つの重要な方法である。

　しかし、それだけではない。当社はフルタイムの雇用、他社に負けない賃金、安全で快適な労働環境のほか、研修や能力開発、教育の機会も提供しており、新たに始めたパイロットプログラムでは、第1期生30人が、2028年までに農学学士号取得を目指している。

　離職率が高く、移民を中心とする労働者に対する待遇が悪いことで知られる業界にあって、当社はBコープ認証［注1］を取得した会社として他社とは一線を画している。従業員に対するポジティブな影響は高い評価を得ており、離職率は業界全体では年間200％以上であるのに対して、当社は月間1％程度と非常に低い。

　このようなビジネスのやり方によって、売上げは過去5年間で2桁成長を達成し（特に過去2年間で加速）、5億ドルを大きく上回った。カラーピーマンやキュウリなどの新商品や合弁事業に進出する際にも、同じ戦略、つまり人を第一に考えることが成功につながると期待している。

　現場を改善し、その成果を得ようとする他の企業に対し、私たちはインスピレーションを与えたいと考えている。そして、正しいことを行うことと、高い収益を上げることは矛盾しないことをみずから示している。実際のところ、高い収益は、正しい行動があってこそ実現できるものである。

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