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千葉市のふるさと納税による流出額は年々増加を続け、本年度は約66億円と全国ワースト12位。かつては「返礼品競争」から距離を取っていたものの、深刻な税収減に歯止めをかけようと、返礼品をこの3年間で26品から758品に拡充した。市動物公園が誇る人気者のレッサーパンダ「風太」グッズや千葉都市モノレールの鉄道模型など市の魅力を掘り起こし、巻き返しを図っている。
2021年4月時点で市が用意していた返礼品は福祉作業所の製品など26品。あくまで一定額以上の寄付をした際の「お礼」という扱いで、市は「返礼品競争には応じない」との方針をとっていた。
千葉市民が他市町村に納税したことによる本年度の流出額は66億5000万円で全国ワースト12位。5年間で倍以上に増加した。一方で他市町村からの寄付は、昨年度は個人による大口の寄付があったものの例年2億~3億円。地方交付税による穴埋めを加味しても、本年度は17億円の税収が失われた。
増え続ける税収流出を食い止めようと、市は21年度に「“過度な”返礼品競争には応じない」と方針を変更。以降、返礼品の数を急拡大してきた。市の担当職員は「現状の制度への賛否はあるが、黙っていれば流出額が増える。制度があることを前提に戦うしかない」と述べる。
返礼品の数は今月時点で758品。市内産のコメや、オリーブオイルなどの食用油のほか、市内企業が企画した美容ローラーや、市内のゴルフ場で現地で会計の際に決済する寄付が人気を集めている。
本年度は昨年20歳を迎えた風太の記念グッズや、千葉都市モノレールの車両を再現した玩具「プラレール」など約300品を追加した。このほか、地元プロバスケチームのアルティーリ千葉や、市内で開催されている屋外フェスのグッズなど市ならではの返礼品開拓を進めている。
担当職員は「手当たり次第に企業を回って協力を呼びかけている。これまでは千葉市の魅力を探し切れていなかった。手探り状態だが、やればやるほど伸びていく実感がある」との見方を示した。
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