公益財団法人前立腺研究財団

前立腺がんと前立腺肥大症は、2大前立腺疾患です。両者ともに中・高年男性の健康を蝕む代表的な成人病です。

　

欧米諸国においては前立腺がんの罹患（りかん）率、死亡率はともに高く、とくに、米国においては男性がんのなかで罹患数（新しく発症した患者数）は第1位、死亡数は肺がんに次いで第2位となっており、前立腺がんに対する国民の関心は高く、国を挙げて積極的な制がん対策に取り組んでいます。わが国においても、近年の社会の高齢化と生活環境の欧米化に伴い急激な増加が見られ、2017年の全国がん登録 罹患数・率 報告によると、男性がん罹患数は、前立腺がんが91,215人で第1位となりました。早期に発見し、適切に治療するという方策(第二次予防)であるがん検診の普及ならびに関連する研究の促進が強く要望されます。

　

前立腺肥大症は泌尿器疾患のなかで最も多い疾患のひとつですが、膀胱機能を含めての排尿機構の変化が複雑に関連した疾患であるため、本疾患の発症および経過や治療に関する長期予後の研究は多くありません。前立腺肥大症の本態解明を追究する基礎研究と患者さんの利益につながる臨床研究が必要とされています。

　

人生100年の時代を迎え、前立腺がん、前立腺肥大症についての抜本的対策を確立し、もって、中・高年男性の健康を守ることは直ちに着手されなければならない大事業です。各方面のご賛同のもとにこの国民的大事業の推進母体として本財団は設立されました。