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まず、昨年度の傾向からおさらいすると、大きな傾向は2つ。1つは円安の影響で海外メーカーを中心にクロスバイクの価格が上昇しました。もう1つは、コンポーネント大手のシマノが、アルテグラとクラリスをリニューアルしたことです。
2014年はロード用の上位コンポーネントである「アルテグラ」がリニューアルされました。一番の変化はリアのギアが10段から11段に変更されたことです。たった1段の違いですがその差はとても大きいものです。ただ、クロスバイクにアルテグラを搭載した機種がないため、大きな影響ではないでしょう。
また、クラリス(旧2300)も一新され、ロードバイクのドロップハンドルに使用されるコントロールレバーが改善されました。こちらもクロスバイクには大きな変化とは言いがたいのですが、今後影響が出てくるかもしれません。
2015年モデルはカーボン素材を使ったクロスバイクが増えてきていることが1つの特徴です。カーボン素材は軽く振動を吸収しやすいので、重量面や振動吸収性、さらには加工性などにおいて、アルミ素材に勝りますが価格が上がってしまうことがネックで、クロスバイクではなかなか採用されておりませんでした。
2015年モデルは、乗り心地を向上させる一方、価格を抑えるために2015年モデルではフォークだけカーボン素材を使うモデルも増えてきました。というのも、フレームはアルミで作り、フロントフォークだけを振動吸収のためにカーボンだったとしても、大きな効果を発揮するからです。
メーカー | モデル名 | 価格 |
---|---|---|
GIANT | FASTROAD COMAX 2 | 150,000円 |
LOUISGARNEAU | LGS-RSR LE | 280,000円 |
SCOTT | SOLACE 40 FB DISC BIKE | 280,000円 |
SPECIALIZED | SIRRLS COMP CARBON DISC | 184,260円 |
SPECIALIZED | SIRRUS PRO CARBON DISC | 305,000円 |
TREK | 7.7FX | 199,000円 |
メーカー | モデル名 | 価格 |
---|---|---|
BIANCHI | CAMALEONTE 4 ALU | 120,000円 |
CANNONDALE | CAAD8 FLATBAR1 | 100,000円 |
CANNONDALE | QUICK4 | 74,000円 |
FUJI | ROUBAIX AURA | 90,000円 |
GIANT | FASTROAD SLR 2 | 110,000円 |
GIANT | ESCAPE RX1 | 110,000円 |
GIANT | ESCAPE RX2 | 76,000円 |
GIOS | CANTARE | 95,000円 |
LOUISGARNEAU | LGS-RSR 1 | 128,000円 |
LOUISGARNEAU | LGS-TR LITE R | 99,000円 |
RALEIGH | RFS Radford-S | 65,000円 |
RITEWAY | Shepherd Sport | 99,800円 |
SCOTT | SPEEDSTER 20 FB BIKE | 135,000円 |
SPECIALIZED | SIRRLS COMP DISC | 128,704円 |
TREK | 7.5FX | 115,000円 |
TREK | 7.4FX | 83,000円 |
以前にロードバイクやMTBの上位モデル等で培った技術を応用したモデルも揃ってきました。具体的には、剛性を確保しつつ振動吸収性が高いフレーム形状の加工などです。
例えば、キャノンデールのCAAD8 FLATBAR1で使われているフレームのCAAD8は、ロードバイクの第一線で使われていたフレームで、剛性が高く、軽い上に、振動吸収性が高いという非常に優れたフレームです。
他にもトレックの7.5FXのように、フレーム内にセンサー(サイクルメーターに使う)をマウントできるようになったモデルもあります。
メーカー | モデル名 | 内容 |
---|---|---|
GIANT | ESCAPE R3 | フレームには上級グレード「ALUXX SL」の軽量アルミを使用 |
CANNONDALE | CAAD8 FLATBAR1 | ロードバイクのフレーム性能と楽なライディングスタイルで走れるフラットバーハンドルの快適性を融合 |
CANNONDALE | CANNONDALE | 振動吸収機構「SAVE」などのロードバイクのテクノロジーを新たに搭載 |
TREK | 7.7FX | フレームはヨーロッパの数々のレースで華々しい成績を残した「ドマーネ」シリーズ |
SPECIALIZED | SIRRLS COMP DISC | フレームはロードバイク開発で培った技術による「E5 プレミアムアルミフレーム」 |
ハブの中にギアが組み込まれている内装変速機を搭載したモデルも増えてきています。内装なので、静かでメンテナンス性が高く洋服を汚さないことや、停車していてもシフトチェンジできるのが特徴です。
他にも、メンテナンスが容易なブレーキワイヤーやシフトワイヤーがフレームの中に内蔵されたモデルも増えてきています。
メーカー | モデル名 | 価格 |
---|---|---|
TREK | 7.4FX | 83,000円 |
LOUISGARNEAU | LGS-RSR 2 | 100,000円 |
ROMA 4 | ROMA4 | 68,000円 |
メーカー | モデル名 | 価格 |
---|---|---|
charge | GRATER 3 | 130000円 |
GT | EIGHTBALL | 118,000円 |
BRIDGESTONE | CYLVA F8B | 90286円 |
メーカー | モデル名 | 価格 |
---|---|---|
LOUISGARNEAU | LGS-TRC2 | 88,000円 |
BRIDGESTONE | CYLVA F8B | 90,286円 |
良い点も増えたのですが、一番のネックは価格上昇。2011年1月頃は1ドル78円だったものが、その後だんだんと円安が進み、2015年1月には1ドル117円と、約1.5倍になっています。この円安傾向は、海外で自転車を作ることの多い自転車業界にとって大きなダメージを与えており、販売価格へ転嫁されてしまっております。
さらに、2014年4月より消費税が増税されたことも少なからず影響しています。 全体的には、2014年モデルでも価格上昇が見られましたが、2015年モデルも引き続き値上げ傾向にあると言えます。
年度 | 価格 | 重さ | コンポ |
---|---|---|---|
2012 | ¥44,100 | 11.4kg | SRAM X3 / X4 |
2013 | ¥44,100 | 11.4kg | SRAM X3 / X4 |
2014 | ¥54,600 | 11.4kg | SRAM X3 / X4 |
2015 | ¥56,160 | 10.2kg | SHIMANO ALTUS |
各メーカーは様々な円安対策の工夫をしています。そのままのスペックであれば値上げせざるをえませんが、パーツのグレードを落とすのもメーカーとしては避けたいところ。そこで、性能にあまり影響を及ぼさないパーツを微妙にグレードダウンさせて対応しています。
また、新しく価格の安いモデルを設定したり、新しい自転車のラインを立ち上げることで対策しています。しかし、中には値上げに踏み切ったモデルもあります。
2015年モデルは上記の特長が顕著です。一般的には、2015年モデルでの狙い目は価格上昇が殆ど行われていないモデルを探すこと。そして、価格が上がっている以上にスペックが上がっているモデルを探すことです。
例えば「GIANT ESCAPE AIR(900円値上げ)」や「SPECIALIZED SIRRUS SPORT(値上げなし)」は2014年モデルに比べれば価格上昇率は緩め。
スペックの大幅アップモデルは「GIANT ESCAPE R3」。1560円の値上げですが、以前のモデルに比べて1.2kgも軽量化されている部分に注目。
後は、入門機として2014年モデルよりも下のモデルを出しているならそれも注目したい。ビアンキのROMA4はROMA3の下位モデルで70,000円を切る価格。
全体的な値上げ傾向はではありますが、予算内で収まるようにメーカーも多種多様な工夫をしています。スペックを決め手としてもいいですが、見た目も大きな要素。予算の範囲を決めたうえで、できるだけ多くのクロスバイクを見て比較検討することをおすすめします。
なお、安く買いたい場合は、「メーカーごとの価格帯一覧」と、買う時期によって店頭の販売価格も異なりますので、「おすすめの購入時期(安く買う or 欲しいモデルを手に入れる)」を参照してください。