北朝鮮、対話姿勢は制裁のせいでないと主張

トランプ大統領と金委員長との間の首脳会談について、北朝鮮からの公式なコメントはいまだ出ていない

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北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は20日の論説記事で、米国や韓国との交渉の席に着くのは制裁による圧力によるものではなく、「自信」があるためだと述べた。

今月初めに訪朝した後、米国でドナルド・トランプ米大統領と面会した韓国の特使団は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの首脳会談の提案をトランプ氏が受諾したと発表している。しかし、首脳会談の場所など詳細は明らかになっていない。

KCNAの論説は、米朝首脳会談に直接言及せず、「平和を愛する提案」が米国との関係に「変化の兆し」が生まれるきっかけになったと述べた。

北朝鮮が対米政策の変化について触れるのは、首脳会談の可能性が明らかになって以来、初めてのこと。

論説記事には、「DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)の対話・平和攻勢は、望んでいたことがすべて手に入り、自信を得たことの表れだ」と書かれている。

さらに、「制裁や圧力の結果」、交渉の席に着いたというのは「ばかげている」とし、「雰囲気をぶち壊そうとするくずども(中略)の度量の狭さの表れだ」と主張した。

米朝首脳会談の可能性は、訪米した韓国特使団が今月8日に明らかにした。金委員長は、首脳会談の提案のほか、非核化への「強い決意」を表明したという。

トランプ氏は首脳会談の提案を受け入れたが、北朝鮮指導部からの反応は、それ以降出ていない。

米国と北朝鮮は過去約1年間にわたり、双方を激しく非難し武力行使の可能性をちらつかせてきた。

金委員長と来月会談する予定の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日、米韓に北朝鮮を加えた3カ国の首脳会談が開かれる可能性を示唆した。文大統領は、「北朝鮮と米国の首脳会談そのものが歴史的だ。(中略)成り行きにもよるが、韓国と北朝鮮、米国3カ国の首脳会談につながる可能性がある」と述べた。

韓国・平昌で先月開かれた冬季五輪は、開会式で南北の選手団が一つの旗の下で入場行進するなど、両国関係の緊張緩和が進むきっかけとなった。

韓国と米国は毎年恒例の合同軍事演習を五輪終了後まで延期しており、南北対話の環境整備に役立ったとされる。

合同軍事演習は来月1日に開始される予定。

(英語記事 North Korea says sanctions did not push it to seek US talks)