オーストラリア初の同性婚カップル、末期がん闘病者とパートナーだった

ジル・キントさん(左)とジョー・グラントさんは2017年12月15日に結婚した

画像提供, Marion Jonkers

画像説明, ジル・キントさん(左)とジョー・グラントさんは2017年12月15日に結婚した

オーストラリアで初めて同性同士で合法的に結婚したのは、末期がんの女性とそのパートナーだったことが7日、明らかになった。

豪政府が昨年12月に同性婚を合法化した後、ジョー・グラントさんとジル・キントさんは結婚を法的に認められた。本来なら必要な待機期間を免除された。

グラントさんは今年1月30日、キントさんとの結婚から7週間足らずで亡くなった。2人は8年間連れ添っていた。

「ジョーと私は48日間、法的に結婚していられた。それはせめてもの、うれしいことだった」とキントさんは語った。

Jill Kindt and Jo Grant look at each other on their wedding day

画像提供, Marion Jonkers

2人の歴史的な結婚は、7日のクイーンズランド州議会でイベット・ダース州法務長官が明らかにした。

「報道内容と異なり、オーストラリア初の同性結婚は実は昨年12月15日にクイーンズランド州で行われていました。それを本日、発表できるのは名誉なことです」とダース州法務長官は述べた。

同性カップルの結婚申請は、同性婚を支持する市民投票の結果と議会による承認を経て、昨年12月9日に正式に合法化された。

いくつかの同性カップルは、申請から承認までの待機期間の免除を認められ、昨年12月中に結婚した。マスコミがその様子を詳しく報道したカップルもいた。

一方でグラントさんとキントさんは、クイーンズランド州サンシャインコーストで友人や家族に囲まれた親密な式を挙げた。ダース長官は、家族の許可を得て、2人の結婚を公にしたと語った。

2人は結婚が法的に認められてから24時間しないうちに式を挙げた。ダース長官は、州職員が2人の結婚を一刻も早く合法的なものにするために「驚くほどの期間短縮」を実現したとも述べた。

動画説明, 私たちは一つの声で歌う…同性婚合法化の豪議会

ダース長官は、クイーンズランド州出生・死亡・結婚担当課の職員が100キロの距離を運転し、結婚祝いの席に婚姻証明書を届けたことも明らかにした。

グラントさんは「珍しいがん」で緩和ケアを受けていた。また、グラントさんとキントさんは、2013年に結婚を誓い合う儀式を行っていた。

オーストラリア放送協会によると、キントさんは「私たちは、自分たち自身では2013年に結婚したと考えていました。ただ、法的な意味では、そうではなかったのです」と語ったという。

(英語記事 Terminal illness led to Australia's first same-sex marriage)