乾電池・リチウム一次電池
廃棄方法
すべての+極と-極をセロハンテープやビニールテープ等で絶縁する。
- それぞれの電池の端子部分にテープを貼り絶縁して捨ててください。
- 市町村によってごみの捨て方が異なりますので、その指示に従ってください。
電池の端子は金属製であり、特にコイン形リチウム一次電池はほぼ全面が金属です。
他の金属や電池と触れると、ショート(短絡)し、発熱・発火・破裂などの事故を起こす恐れがあります。
電池を乳幼児のそばに放置しない
電池は乳幼児の手の届かないところに置いてください。万一、飲み込んだ場合は、すぐ医師に相談してください。また、乳幼児は機器から電池を取り出し、飲み込む場合がありますので十分に注意してください。
特に、コイン形リチウム電池の誤飲は、短時間で化学反応が起き最悪の場合、死に至るおそれがあります。
電池はショート(短絡)させない
電池をネックレスやヘアピン、コイン、鍵などの金属製品と一緒に持ち運んだり保管しないでください。金属は電気を流すため、電池のプラス極とマイナス極に鍵などの金属がふれるとショートして大きな電流が流れ、発熱、破裂、発火する場合があります。また、ボタン電池が9V形電池のプラス、マイナス端子部に挟まりショートすると、電池が充電または過放電され破裂や発火するなどして危険です。
乾電池やリチウム一次電池は充電しない
乾電池やリチウム一次電池は充電できません。充電すると液もれ、発熱、破裂、発火につながり危険です。
電池や電池パックは分解、改造はしない
電池や電池パックを分解すると内容物で化学やけどを負ったり、破裂し発火する場合があり危険です。また改造すると危険を防ぐ機能が損なわれ、破裂、発熱、発火する原因となります。
電池は火中に投入しない
電池を火中に投入すると、破裂や発火し非常に危険です。また、電池を加熱すると、液もれ、破裂、発火などが起こる場合があり危険です。
リサイクルの現状
2021年の使用済みのリチウム一次電池を含む乾電池は、年間約 3万4000トン ※と推定されており、殆どが一般廃棄物として自治体によって回収・処理されています。この内、自治体 で乾電池を分別されている場合は、野村興産(株)等で処理・リサイクルされています。その他の分別されていないものは自治体で、主として不燃ゴミとして安全に処分されています。 現在、国内で市販されている乾電池の使用済み品は、環境に大きな影響を与えるものではありません。 環境への影響が心配されていた水銀は、国内では、マンガン乾電池が 1991 年、アルカリ乾電池は 1992 年から使用されていません(水銀0使用)。
※電池工業会会員調べ。会員外輸入は含まれておりません。
電池のリサイクルに対する考え方
- 「(1)環境に対して健全で、(2)資源の再利用が有効に実施でき、(3)その利点 がコストに釣り合う」という場合において支持できるものと考えています。
- リサイクルを実施する場合は、これらの点に関するアセスメント(事前評価)が実施され、明らかにされる必要があります。
なお、上記の1.と2.は、次の日欧米三極電池専門家会議の公式見解と基本的に同じ考え方であります。
使用済み乾電池の取り扱いに関する日欧米三極電池専門家会議の公式見解
三極グループは、消費者使用後の一次電池の健全な環境管理を唱道し、次の原則を支持しております。
- アルカリ乾電池およびマンガン乾電池は、通常の使用と処分を通じ環境に大きな脅威をおよぼすことはなく、一般ゴミとして安全に処分することができる。
- 円筒形の標準的なアルカリ乾電池およびマンガン乾電池への水銀添加は、世界の全ての地域で禁止されるべきである。
- 家庭用乾電池の回収およびリサイクルの義務付けは、廃棄物の流れから有害物質を除去するという観点から見れば不要である。ただし、天然資源を保護するために、三極グループは、電池のリサイクルが環境に対して健全で、安全な形で実施でき、かつ、その利点が少なくともコストに釣り合うのであれば、電池の自主的な回収を支持する。
- 家庭用乾電池の回収は、リサイクルによって得られる環境保護上の利点よりもリサイクルによって発生する環境に対する有害な影響の方が大きい場合がある。回収プログラムは、第一に自治体によって実施されるべきであり、しかも、環境に対する影響が最小限に抑えられることがアセスメントによって明らかにされる場合に限るべきである。
- 家庭用乾電池に対する回収・リサイクルの決定は、環境保護上の利点を、影響(たとえば、エネルギー消費量の増加)、関連コスト、適正なリサイクル方法の可能性と対比して慎重に検討した上で行なうべきである。
- 電池業界は、家庭用乾電池の管理について最善の方策を実施するために、政府および他の公共団体と引き続き協力していく所存である。
乾電池埋め立て実験結果
廃棄された乾電池中の水銀による環境汚染が懸念されるようになったため、社団法人 電池工業会(当時は日本乾電池工業会)は福岡大学に委託して、1985年8月から埋め立処分された水銀を含む使用済み乾電池中の水銀、その他の成分の挙動について、継続的に調査研究を行ってきた。
その間に,1991年末までにはわが国の乾電池は水銀0使用を達成し,埋立て10年後の1995年、並びに15年後の2000年には、本研究の埋め立て実験槽群の一部を解体し、埋め立て10年、15年間における水銀や他の乾電池中に含まれる成分についての挙動、並びに収支等について調査研究を行ってきました。
その結果乾電池に含まれる金属の流出は殆どないことが確認されており、調査研究結果の詳細は報告書やビデオ録画テープに纏められ、貴重な研究結果として日欧米で活用されています。