要約

このドキュメントは、多くの領域にまたがる組織情報のリンクト・データ(linked data)の公開をサポートすることを目指し、組織構造のためのコア・オントロジーを記述しています。領域固有の拡張により組織と役割の分類を追加可能とし、さらに、拡張により組織の活動などの周辺情報をサポート可能とすることを目指しています。

このオントロジーのすべての用語の名前空間はhttp://www.w3.org/ns/org#です。

このドキュメントで定義している語彙は、これらの非規範のフォーマットでも利用できます: RDF/XMLTurtle

このドキュメントのステータス

この項は、このドキュメントの公開時のステータスについて記述しています。他のドキュメントがこのドキュメントに取って代わることがありえます。現行のW3Cの刊行物およびこの技術報告の最新の改訂版のリストは、http://www.w3.org/TR/のW3C技術報告インデックスにあります。

このドキュメントは、W3Cメンバー、ソフトウェア開発者、他のW3Cグループ、および他の利害関係者によりレビューされ、W3C勧告として管理者の協賛を得ました。これは確定済みドキュメントであり、参考資料として用いたり、別のドキュメントで引用することができます。勧告の作成におけるW3C の役割は、仕様に注意を引き付け、広範囲な開発を促進することです。これによってウェブの機能性および相互運用性が増強されます。

このオントロジーは、元々W3Cの外部で開発され、公開されましたが、Government Linked Data Working Group内で拡張され、さらに開発されました。

このドキュメントは、Government Linked Data Working Groupによって勧告として公開されました。このドキュメントに関してコメントを行いたい場合には、[email protected]購読アーカイブ)にお送りください。どのようなコメントでも歓迎します。

ワーキンググループの実装報告書を参照してください。

このドキュメントは、2004年2月5日のW3C特許方針の下で活動しているグループによって作成されました。W3Cは、このグループの成果物に関連するあらゆる特許の開示の公開リストを維持し、このページには特許の開示に関する指示も含まれています。不可欠な請求権(Essential Claim(s))を含んでいると思われる特許に関して実際に知っている人は、W3C特許方針の6項に従って情報を開示しなければなりません。

目次

はじめに

このドキュメントは、多くの領域にまたがる組織情報のリンクト・データの公開をサポートすることを目指し、組織構造のためのコア・オントロジー(ORG)を記述しています。領域固有の拡張により組織と役割の分類を追加可能とし、さらに、拡張により組織の活動などの周辺情報をサポート可能とすることを目指しています。

このドキュメントは、ORGで表されたデータを展開する特定の方法を規定しません。ORGは、SPARQLエンドポイントでアクセス可能なRDF、HTMLページに組み込まれたもの、RDF/XMLやTurtleとしてシリアライズされたものを含む、多くのコンテキストに適用できます。このドキュメントの例では、読みやすさのために、Turtle[turtle]を用いています。

1. オントロジーの概要

この項は非規範的です。

このオントロジーは、政府機関を含む、組織および組織構造に関する情報の公開を可能にすることを目指しています。特定の状況に用いるために拡張したり特殊化したりできる汎用的で、再利用可能なコア・オントロジーを提供することを目的としています。

オントロジーは、次の表現をサポートするための用語を提供します。

この範囲は、一般的に組織図にみられるような情報に該当します。したがって、組織的な制御構造およびアカウンタビリティーと権限付与のフローのすべてのニュアンスを完全に表すものではありません。開発者は、この汎用的な基礎に基づき、このような目的のために拡張語彙を作成することが推奨されます。

このオントロジーは、組織の種類、組織の目的や役割に対するカテゴリー構造を提供しません。異なる領域は、そのような概念の分類に対して異なる要件を持つでしょう。代わりに、このオントロジーでは、要求に応じて特定のサブクラス構造や分類体系の追加を拡張によって可能とするために必要なコアな基礎概念のみを提供します。オントロジーのユーザは、これらの概念に用いる特定の統制語を指定することにより相互運用性を強化するプロファイルを定義することをお勧めします。

ORGの主要なクラスと関係の図を以下に示します。明示的な接頭辞がない場合には、すべての用語はORG名前空間(http://www.w3.org/ns/org#、接頭辞org:が望ましい)内にあります。すべての参照付き語彙の名前空間を、名前空間に関する項で示しています。

図はコア・クラスと関係を表しています。

クラスとプロパティーの索引

クラス: | ChangeEvent | FormalOrganization | Membership | OrganizationalCollaboration | OrganizationalUnit | Organization | Post | Role | Site |

プロパティー: | basedAt | changedBy | classification | hasMember | hasMembership | hasPost | hasPrimarySite | hasRegisteredSite | hasSite | hasSubOrganization | hasUnit | headOf | heldBy | holds | identifier | linkedTo | location | memberDuring | memberOf | member | organization | originalOrganization | postIn | purpose | remuneration | reportsTo | resultedFrom | resultingOrganization | role | roleProperty | siteAddress | siteOf | subOrganizationOf | transitiveSubOrganizationOf | unitOf |

1.1

この項は非規範的です。

この例は、英国内閣府の組織構造の小さな一片を示しています。

<http://reference.data.gov.uk/id/department/co> 
    rdf:type org:Organization , central-government:Department;
    skos:prefLabel "Cabinet Office" ;
    org:hasUnit <http://reference.data.gov.uk/id/department/co/unit/cabinet-office-communications> .
    
<http://reference.data.gov.uk/id/department/co/unit/cabinet-office-communications> 
    rdf:type org:OrganizationalUnit ;
    skos:prefLabel "Cabinet Office Communications" ;
    org:unitOf  <http://reference.data.gov.uk/id/department/co> ;
    org:hasPost <http://reference.data.gov.uk/id/department/co/post/246> .

<http://reference.data.gov.uk/id/department/co/post/246> 
    skos:prefLabel "Deputy Director, Deputy Prime Minister's Spokesperson/Head of Communications" . 
    org:postIn <http://reference.data.gov.uk/id/department/co/unit/cabinet-office-communications> ;
    org:heldBy <#person161> .
 

2. 記述とコメント

2.1 組織構造

この項は非規範的です。

オントロジーのコア・クラスは、非常に広範囲の組織に適用できることを目的としたorg:Organizationです。それは、コミュニティーや、その他の社会、商業、政治的な構造に共に編入された人々の集合を表します。グループには、そこに属する人々を超えた、存在に対するある共通の目的や理由があります。組織自体は、エージェント(代理)を務めることができるかもしれません。

関連する権利と責任を有する(特に法的管轄区域において)世界中に広く認識されている組織を示すために、組織の特定のサブクラスorg:FormalOrganizationを識別します。例には、企業、慈善団体、政府や教会が含まれます。

その後、オントロジーは、ある階層構造のもとに他の複数の組織で編成されている組織の概念をサポートします。org:subOrganizationOforg:hasSubOrganizationという関係は、これらの階層的リンクを確立します。

下部組織を単体と見なすことができる場合もあります。例えば、法律上認識されているある企業は、より大きなグループや持ち株会社の一部でありえます。IT部門などの、それを含んでいる組織という脈絡でのみ意味を有する、部局や組織単位を参照することが有用である場合もあります。このオントロジーでは、org:OrganizationalUnitと呼ばれるorg:Organizationの特殊化により、この状況をサポートします。便宜上、汎用的な下部組織リンクの特殊化であるorg:hasUnitorg:unitOfという関係も提供しています。

包含階層が完全にオープンであることに注意してください。例えば、org:FormalOrganizationは、他のorg:FormalOrganizationを自由に含むことができます。

組織階層

多くの組織では、単位構造の階層があります。例えば、次のような包含階層がありえます。

Corporation
  BusinessUnit
    Division
      Function

このような階層は、特定の組織、またはモデル化された組織のクラスに固有のものです。ORGのプロファイルは、そのような構造を表すために、org:Organizationorg:OrganizationalUnitというサブクラスを含むことができ、望ましい階層に合うようにorg:hasSubOrganizationの使用を特殊化または制限することができます。

組織の分類

多くの状況で、組織を分類したい場合があります。このために取ることができるアプローチはたくさんあります。組織が活動する法的な構造に基づくことができます。例えば、英国の法律には、分類の基礎として使用できる共同経営(Partnership)、有限会社(Limited Company)などの確定した概念があります。あるいは、組織は、提供するサービス(例えば、教育、製造、法的サービスなど)で分類できます。

ORGはそのような選択に関しては中立的です。プロファイルがorg:Organizationのサブクラスを導入するか、組織の分類表を定義するだろうと予想されます。後者をサポートするために、オントロジーは、SKOS[SKOS-REFERENCE]の概念スキームを用いて組織を分類するために使用できるorg:classificationというプロパティーを提供します。

これらのメカニズムのどれを用いるかは、状況によります。分類がその組織に固有のものではなく、例えば、単に名簿の一部として組織をグループ化するための何らかの方法であれば、org:classificationを使用すべきです。分類が組織の固有の本質を現したものであり、他のプロパティーに影響を与える場合、サブクラスのアプローチを使用すべきです。例えば、慈善団体のみが慈善団体番号(charity number)を持っています。したがって、タクソノミーのラベル付けによってではなく、org:FormalOrganizationのサブクラスとして慈善団体を表すほうがよいでしょう。

2.2 構成員および上下構造

この項は非規範的です。

ORGは、組織内部の上下構造とともに、人と組織の関係を表す多くの方法を提供します。オントロジーの初期バージョンでの経験により、「何にでもあてはまる方法はない」ことが実証されました。利用しやすいように、非常に単純で直接的な表現が望ましい場合があります。また、状況のニュアンスを捕捉するために、より複雑な表現が必要である場合もあります。ORGプロファイルは、これらのメカニズムの特定のサブセットを用いるように指示するかもしれません。

直接的な構成員関係

ORGが提供するこの最も単純な表現は、ある個人(foaf:Agentとして表される)が組織のorg:memberOfであると直接述べるものです。人が担う特定の役割を表すために、ORGプロファイルは、org:memberOfのサブプロパティーを定義できます。特に、組織のリーダーやトップの概念は非常に一般的であるため、ORGは、org:memberOfの組み込み済みプロパティー特殊化、すなわち、この目的の場合はorg:headOfを提供します。

例:

<http://example.com/people#ceo> 
  org:headOf    <http://example.com/org#id>. 

構成員のn項関係

しかし、一般的に、人が遂行する組織上の役割の明示的な表現を持っていることは有益です(例えば、役割に関連する責任の公開のために)。これはorg:Roleというクラスでサポートされます。その後、組織内でその役割を遂行するエージェントの状況がorg:Membershipn項関係のインスタンスで表されます。これにより、時間長、給料、雇用契約への参照などの資格情報との関係にアノテーションを付与することも可能になります。

例:

<http://example.com/org#id> a org:FormalOrganization;
    skos:prefLabel "Example Ltd".

eg:ctoRole a org:Role;
    skos:prefLabel "CTO".
        
[] a org:Membership;
    org:member <http://example.com/people#jo>;
    org:organization <http://example.com/org#id>;
    org:role eg:ctoRole;
    org:memberDuring [a time:Interval; time:hasBeginning [
                      time:inXSDDateTime "2009-11-01T09:00:00Z"^^xsd:dateTime]].

この完全なn項関係と直接的なorg:memberOfプロパティーとの関係は、SPARQL構成子[RDF-SPARQL-QUERY]を用いて、含意規則として表現できます。

CONSTRUCT {
    ?agent   org:memberOf  ?org.
} WHERE {
  [] a org:Membership;
    org:member       ?agent;
    org:organization ?org.
}

この表現は、リンクト・データのブラウジング・ツールでクエリと探求を行うにはあまり便利ではないため、コアによって、明示的な役割とシンプルな直接関係の両方を同時に用いることが可能となります。役割資源と対応するプロパティーの関係は、org:rolePropertyアノテーションで示すことができます。したがって、次の記述は上記の例を拡張するかもしれません。

eg:ctoRole a org:Role;
    org:roleProperty eg:ctoOf.
    
eg:ctoOf a owl:ObjectProperty, rdf:Property;
    skos:prefLabel "CTO";
    rdfs:subPropertyOf org:memberOf.
        
<http://example.com/people#jo> 
  eg:ctoOf <http://example.com/org#id>. 

org:rolePropertyのセマンティクスは、別の閉包規則を用いて表現できます。

CONSTRUCT {
    ?agent   ?roleprop  ?org.
} WHERE {
  [] a org:Membership;
    org:member       ?agent;
    org:organization ?org;
    org:role         [ org:roleProperty ?roleprop ].
}

ツールの連鎖は、org:Membershipというインスタンスを生成し、次に、この閉包規則を適用して、対応するorg:memberOfの省略形の特殊化を追加できます。

ポスト

この項は非規範的です。

ORGが提供する3番目の表現は、現在就任しているかもしていないかもしれない、組織におけるあるポストを表すorg:Postです。ポストにより、そのポストに就いている個人とは無関係に、上下構造と組織図を表すことができます。ポストは、他のポストの管理下に入ることができます。

したがって、org:Postは、そのポストを保持している人がなくても存在できます。対照的に、org:Membershipは、特定の個人(エージェント)と組織との関係を表し、もしその関係を共有するエージェントがいなければ存在しません。

一般的に、ポストは1人の人が保持するものですが、政府機関には、ポスト自体が組織であったり、ポストが組織として扱われるような状況もあります。モデリングがその状況に適したものであれば、ORGのアプリケーションがエンティティーをorg:Postorg:Organizationの両方として同時に扱うことを排除する素の制約はありません。

ポストは、関連するorg:Roleを持つことができます。

ポストと構成員との関係

多くの状況では、ポストまたは構成員のうちの1つのみが必要で、ORGプロファイルには、2つのうちの1つの使用が望ましいと規定されているかもしれません。組織の構造が、その構造内の人々と無関係に与えられている場合、選択に適している表現はorg:Postです。組織を構成する人々を記録することが目的であり、その構成員にアノテーションを付与できる可能性が高い場合(例えば、構成員の年限)には、org:Membershipが適切です。

これらの表現の正式な関係は、次の2つの含意規則の形で述べることができます。

CONSTRUCT {
  ?agent  org:memberOf ?org.
} WHERE {
  ?agent org:holds  ?post.
  ?post  org:postIn ?org.
}
CONSTRUCT {
  [] a org:Membership;
    org:member       ?agent;
    org:organization ?org;
    org:role         ?role.
} WHERE {
  ?agent org:holds  ?post.
  ?post  org:postIn ?org.
  ?post  org:role   ?role.
}

2.3 位置情報

この項は非規範的です。

ORGは、組織が存在する位置を表すためにorg:Siteを提供しています。org:siteOforg:hasSiteという関係は、org:Siteと組織の間のリンクを確立します。ここでは、組織が連絡を受けることができるデフォルトの方法を示す主要サイト(org:hasPrimarySite)と、組織の法律上登録されたサイトを示す登録サイト(org:hasRegisteredSite)とを区別します。

オントロジーは、vCard [vcard-rdf]語彙などの語彙を用いてサイトのアドレスを定義するためにorg:siteAddressを提供します。

2.4 組織の沿革

この項は非規範的です。

組織構造のいかなる側面も、時間と共に変わる可能性があります。ほとんどの場合、これは名前付きグラフなどの外部メカニズムで対応すべきです。新組織を作るための合併など、組織が大幅に変わる時には(単なる人員や内部構造の変更ではなく)、一般的に、新組織は新しいURIで示されるでしょう。その場合、その経時的な変化と、元の資源と結果として生じる資源との関係を記述するためには語彙が必要です。ORGは、この基盤として、PROV-O Provenance Vocabulary[prov-o]に基づいて、org:ChangeEventおよび関連するプロパティーを提供します。

例えば、「教育省」(Department for Education)と現在呼ばれる組織が、「子ども・学校・家庭省」(Department for Children Schools and Family)と呼ばれる組織のブランドを再構築し、再編した結果作られたことを示すために、次のように記述するかもしれません。

    <http://example.com/DfE> a org:Organization;
        skos:prefLabel  "Department for Education"@en .

    <http://example.com/DCSF> a org:Organization;
        skos:prefLabel  "Department for Children Schools and Family"@en .

    <http://example.com/regorgMay2010> a org:ChangeEvent;
        rdfs:comment "Post-election re-organization and rebranding"@en ;
        org:originalOrganization  <http://example.com/DfE> ;
	org:resultingOrganization <http://example.com/DCSF> .

アプリケーションは、さらに変更のきっかけとなった出来事(例えば、それが発生した期間)を記述するためにPROV-O語彙の用語を使用できます。このようなPROV-O用語の使用にあたっては、PROVモデルのセマンティックな制約[prov-constraints]を考慮に入れるべきです。

組織からその変遷前の組織に直接リンクできるとは便利である場合があります。これは、prov:wasDerivedFrom関係を用いることでサポートされます。ORGは、次のプロパティー連鎖公理を宣言します。

   SubObjectPropertyOf( ObjectPropertyChain( org:resultedFrom org:originalOrganization ) prov:wasDerivedFrom )

これは、SPARQL CONSTRUCTを用いて表現することもできます。

CONSTRUCT {
  ?orgR prov:wasDerivedFrom ?orgO .
} WHERE {
   ?orgR org:resultedFrom / org:originalOrganization ?orgO .
}

したがって、前の例において、org:resultedFromorg:resultingOrganizationが互いの逆であれば、次のように推測できます。

    <http://example.com/DfE> prov:wasDerivedFrom <http://example.com/DCSF> .

このオントロジーの初期のバージョンでは、OPMV Provenance Vocabularyが用いられていました。ここで用いているPROV-O用語が以前に用いられていた対応するOPMV用語と同等であり、この変更がオントロジーのセマンティクスには影響しないものと考えています。

2.5 モデル化スタイルに関する注

この項は非規範的です。

逆の使用: 設計者達は、概念間の対の逆の関係の提供が、片方向のみの関係をそれぞれ宣言するのに比べて良いことなのかどうかに関して異なる意見を持っています。このドキュメントの設計では、ほとんどの関係に対して逆を提供しています(属性のような関係は省略して)。これにより、(非対称的な)閉じた有限記述(closed bounded description)がしばしば各資源のデフォルトの記述であるようなリンクト・データの設定でデータにクエリを行うことがより容易になります。これは、それらの関係の維持の点でコストがかかります。オントロジーの特定のアプリケーションは、データ内である方向のみが言明されたプロファイルを採用し、必要なinverseOf推論の適用はすクライアントに任せることができます。

名前付け: 設計者には、プロパティーのオブジェクトを表す名詞でプロパティーを名付けることを好む人もいれば、プロパティ名をリンクの名前として扱い、リンクの方向を示すためにパターンを用いることを好む人もいます。ここでは、リレーショナルなプロパティーに対して、また、特に方向が曖昧な場合に、後者のアプローチを採用します。これに対し、我々はorg:hasFoo/org:fooOfというURIパターンを用いていますが、リンクト・データのビューアーでより読みやすくするために、ラベルを「foo」と「foo of」に単純化しています。

3. 適合性

非規範的と記している項と同じく、この仕様のすべての作成ガイドライン、図、例、注は、非規範的です。この仕様のその他の部分はすべて規範的です。

この仕様の「しなければならない(MUST)」、「してはならない(MUST NOT)」、「必須である/要求される(REQUIRED)」、「すべきである/する必要がある(SHOULD)」、「すべきでない/する必要がない(SHOULD NOT)」、「推奨される(RECOMMENDED)」、「することができる/してもよい(MAY)」、「選択できる/任意である(OPTIONAL)」というキーワードは、[RFC2119]で記述されているように解釈されるべきです。

次の場合、どれだけ交換が生じたとしても、データ交換はORGに準拠しています。

適合データ交換は次のとおりです。

ORGプロファイルは、ORGに追加の制約を加えるデータ交換のための仕様です。プロファイルの追加の制約には、次のものを含むことができます(may)(しかし限定されない):

4. 名前空間

ORGの名前空間はhttp://www.w3.org/ns/org#です。しかし、ORGが他の語彙の用語を拡張して用いることに注意すべきです。このドキュメントで用いるアルファベット順の名前空間と接頭辞の全ての集合を次の表で示します。

接頭辞 名前空間 参考文献
foaf http://xmlns.com/foaf/0.1/ [FOAF]
gr http://purl.org/goodrelations/v1# [good-relations]
prov http://www.w3.org/ns/prov# [prov-o]
org http://www.w3.org/ns/org#
owl http://www.w3.org/2002/07/owl# [OWL2-PRIMER]
time http://www.w3.org/2006/time# [OWL-TIME]
rdf http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns# [RDF-CONCEPTS]
rdfs http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema# [RDF-SCHEMA]
skos http://www.w3.org/2004/02/skos/core# [SKOS-REFERENCE]
vcard http://www.w3.org/2006/vcard/ns# [vcard-rdf]
dct http://purl.org/dc/terms/ [DC11]

5. オントロジーの参考

5.1 クラスとプロパティーの索引

クラス: | ChangeEvent | FormalOrganization | Membership | OrganizationalCollaboration | OrganizationalUnit | Organization | Post | Role | Site |

プロパティー: | basedAt | changedBy | classification | hasMember | hasMembership | hasPost | hasPrimarySite | hasRegisteredSite | hasSite | hasSubOrganization | hasUnit | headOf | heldBy | holds | identifier | linkedTo | location | memberDuring | memberOf | member | organization | originalOrganization | postIn | purpose | remuneration | reportsTo | resultedFrom | resultingOrganization | role | roleProperty | siteAddress | siteOf | subOrganizationOf | transitiveSubOrganizationOf | unitOf |

5.2 組織構造

5.2.1 クラス: Organization(組織)

コミュニティー、その他の社会、商業、政治的な構造に共に編入された人々の集合を表します。グループには、そこに属する人々を超えた、存在に対するある共通の目的や理由があり、エージェント(代理)を務めることができます。組織は、多くの場合、階層構造に分割できます。

RDFSクラス: org:Organization
subClassOf: foaf:Agent
equivalentClass: foaf:Organization
使用上の注意: 組織をラベル付けするためにSKOS字句ラベルを用いることをお勧めします。特に、主要名(例えば、法律上認識されている名前)にはskos:prefLabel、代替名(商号、俗称)にはskos:altLabel、コード・リストのコードを表示するためにskos:notation。代替名: Collective(共同体)、Body(機構)、Group(グループ)。
プロパティー: subOrganizationOf(~の下部組織)

組織または組織単位の階層的包含を表します。この組織を含む組織を示します。

RDFプロパティー: org:subOrganizationOf
定義域と値域: org:Organization
使用上の注意: org:hasSubOrganizationの逆。
プロパティー: transitiveSubOrganizationOf(~の推移的下部組織)

組織または組織単位の階層的包含を表します。直接的または間接的に、この組織を包む組織を示します。

RDFプロパティー: org:transitiveSubOrganizationOf
定義域と値域: org:Organization
Transitive super property of: org:subOrganizationOf
使用上の注意: subOrganizationOfの推移閉包で、これを含むすべての組織の表現を与える。技術的に、これが推移閉包のスーパープロパティーであるため、追加の言明を含むことができますが、そのような使用法はお勧めできないことに注意してください。
プロパティー: hasSubOrganization(下部組織を持つ)

組織または組織単位の階層的包含を表します。この組織のサブパートまたは子である組織を示します。

RDFプロパティー: org:hasSubOrganization
定義域と値域: org:Organization
使用上の注意: org:subOrganizationOfの逆。
プロパティー: purpose(目的)

この組織の目的を示します。異なる抽象レベルの多くの目的がありえますが、組織の本質は存在理由を持つことであり、このプロパティーはその理由をドキュメント化する手段です。組織は、複数の目的を持っている可能性があります。

RDFプロパティー: org:purpose
定義域: org:Organization
使用上の注意: 統制された用語やコード・リスト、理想的にはskos:Conceptにより、目的を示すことをお勧めします。しかし、値域は他の種類の記述スキームを可能とするためにオープンのままにされます。この語彙のプロファイルがorg:purposeの値域を制約することが予期されます。代替名: 権限(remit)、責任(responsibility)(特に、政府省庁のようなOrganizationalUnits(組織単位)に適用される場合には)。
プロパティー: classification(分類)

ある分類表内のこの組織に対する分類を示します。

アプリケーションがorg:Organizationのサブクラスを組織的なカテゴリーを表す手段として定義することも許容されることに注意してください。

RDFプロパティー: org:classification
定義域: org:Organization
値域: skos:Concept
使用上の注意: 拡張語彙は、特定のskos:ConceptSchemeに対応する値域を持つために、このプロパティーを特殊化したいと思うかもしれません。
プロパティー: identifier(識別子)

組織を一意に識別するために使用できる会社登録番号などの識別子を与えます。

RDFプロパティー: org:identifier
定義域: org:Organization
subPropertyOf: skos:notation
使用上の注意: 様々な国内および国際的な識別子スキームが他の語彙で利用可能です。ORGオントロジーは、どのスキームを用いるかに関して中立的です。特別の識別子スキームは、識別子の値のデータ型で示されるべきです。用いられている表記スキームを識別するためにデータ型を用いることは、このプロパティーがその特殊化であるskos:notationの推奨されるベスト・プラクティスと整合性があります。
プロパティー: linkedTo(~に関連付けられた)

2つの組織の任意の関係を示します。

RDFプロパティー: org:linkedTo
定義域と値域: org:Organization
使用上の注意: この特殊化は、例えば、財源を示したり、連鎖関係を提供するために使用できます。

5.2.2 クラス: FormalOrganization(公式の組織)

関連する権利と責任を有する(特に法的管轄区域において)世界中に広く認識されている組織。例には、企業、慈善団体、政府や教会が含まれます。

RDFSクラス: org:FormalOrganization
subClassOf: org:Organization
使用上の注意: これはgr:BusinessEntityのスーパークラスで、DUNSやNAICSなどのビジネス分類を示すためにGoodRelations語彙を用いることが推奨されることに注意してください。

5.2.3 クラス: OrganizationalUnit(組織単位)

あるより大きな組織の一部であり、その組織の中においてのみ完全に認識される部局や支援部署などの組織です。特に、その単位はそれ自体では法的実体と見なされません。

RDFSクラス: org:OrganizationalUnit
subClassOf: org:Organization
使用上の注意: 単位は、他の単位を含むことで、大きくて複雑になりえます。代替名: 部局(Department)
プロパティー: hasUnit(単位を持つ)

例えば、より大きな組織内の部局など、この組織の一部である単位を示します。

RDFプロパティー: org:hasUnit
定義域: org:Organization
値域: org:OrganizationalUnit
subPropertyOf: org:hasSubOrganization
使用上の注意: org:unitOfの逆。
プロパティー: unitOf(~の単位)

例えば、より大きな組織内の部局など、この単位がその一部分である組織を示します。

RDFプロパティー: org:unitOf
定義域: org:OrganizationalUnit
値域: org:Organization
subPropertyOf: org:subOrganizationOf
使用上の注意: これはorg:hasUnitの逆です。

5.3 構成員、役割、ポストおよび上下関係

5.3.1 プロパティー: memberOf(~のメンバー)

エージェント(人または他の組織)が組織のメンバーであることを示します。ただし、その構成員の本質や担う役割は示しません。プロパティー名の選択は、プロパティーを正式な構成員配置のみに制限することが目的ではないことに注意してください。所属や組織へのその他の関与などの関連する概念をカバーすることも意図されています。拡張により、この関係を特殊化し、組織内の特定の役割やよりニュアンスを含んだ組織との関係を示すことができます。

RDFプロパティー: org:memberOf
定義域: foaf:Agent
値域: org:Organization
inverseOf: org:hasMember

5.3.2 プロパティー: hasMember(メンバーを持つ)

対象組織のメンバーであるエージェント(人または他の組織)を示します。org:memberOfの逆。さらに明確な説明については、そのプロパティーを参照してください。

RDFプロパティー: org:hasMember
定義域: org:Organization
値域: foaf:Agent
Equivalent property: foaf:member
inverseOf: org:memberOf
使用上の注意: foaf:memberとの互換性のために規定されています。

5.3.3 プロパティー: headOf(~のトップ)

人(または他のエージェント)が組織のリーダーや正式なトップであることを示します。

RDFプロパティー: org:headOf
定義域: foaf:Agent
値域: org:Organization
subPropertyOf: org:memberOf

5.3.4 クラス: Membership(構成員)

組織のエージェントの構成員の本質を示します。

RDFSクラス: org:Membership
使用上の注意: エージェント、組織および役割の間のn項関係を表します。特定の役割とは無関係に、org:memberOfプロパティーの使用により、構成員を直接的に示すことは可能です。
プロパティー: member(メンバー)

構成員関係に含まれている人(または、組織を含んでいる他のエージェント)を示します。

RDFプロパティー: org:member
定義域: org:Membership
値域: foaf:Agent
型: owl:FunctionalProperty
使用上の注意: org:hasMembershipの逆
プロパティー: organization(組織)

エージェントがメンバーである組織を示します。

RDFプロパティー: org:organization
定義域: org:Membership
値域: org:Organization
型: owl:FunctionalProperty
プロパティー: role(役割)

エージェントが組織との構成員関係において担う役割を示します。ポストの保持者が担う役割を示すためにorg:Postで用いることもできます。

RDFプロパティー: org:role
定義域: owl:unionOf(org:Membership org:Post)
値域: org:Role
プロパティー: hasMembership(構成員を持つ)

エージェントが担う構成員関係を示します。

RDFプロパティー: org:hasMembership
定義域: foaf:Agent
値域: org:Membership
使用上の注意: org:memberの逆。
プロパティー: memberDuring(~の期間のメンバー)

構成員が有効である/であった期間を示すためのオプションのプロパティー。

RDFプロパティー: org:memberDuring
定義域: org:Membership
値域: 形式的に、期間表現はオープンのままにされますが、参考的な注記としての[OWL-TIME]のtime:Intervalの使用は推奨されます。

5.3.5 クラス: Role(役割)

人またはその他のエージェントが組織で担うことができる役割を表します。この種のインスタンスは、抽象的な役割を記述します。特定の組織でその役割を担っている人の特定のインスタンスを示すためには、org:Membershipのインスタンスを使用します。

RDFSクラス: org:Role
subClassOf: skos:Concept
使用上の注意: 役割をある分類構造で配置することは一般的であり、ここでは、それを表すためにSKOSを使用しています。役割をラベル付けするときには、通常のSKOS字句プロパティーを使用すべきです。給与帯などの役割の追加の記述プロパティーは、拡張語彙で追加できます。
プロパティー: roleProperty(役割(プロパティー))

これは、クエリが容易になるように役割を直接的に示すために使用できるorg:memberOfのサブプロパティーでorg:Roleインスタンスにアノテーションを付与するために用いられるメタレベルのプロパティーです。

RDFプロパティー: org:roleProperty
定義域: org:Role
値域: rdf:Property
使用上の注意: 意図されるセマンティクスは、役割に関する構成員関係が、次の形式の推論規則により、直接的なプロパティー関係の存在を意味するということです: { [] org:member ?a; org:organization ?o; org:role [org:roleProperty ?r] } -> {?a ?r ?o}
プロパティー: remuneration(報酬)

役割に関係する給料やその他の報酬を示します。

RDFプロパティー: org:remuneration
定義域: org:Role
使用上の注意: 一般的に、これは、gr:PriceSpecificationなどの既存の表現スキームを用いて表されるでしょう。しかし、値域は、アプリケーションがそれを(例えば、remunerationInGBPに)特殊化できるようにオープンのままにされます。

5.3.6 クラス: Post(ポスト)

ポストは、それを埋める人(人々)とは無関係に存在する組織内のある位置を表します。ポストは、人が職権上、組織のメンバーである状況を表すために使用できます(例えば、スコットランド大臣は、個人としてではなく、スコットランド大臣であることにより、英国内閣の一部です)。ポストは、複数の人々によって保持されることが可能だあるため、それ自体を組織として扱うことができます。

RDFSクラス: org:Post
プロパティー: holds(保持する)

あるエージェントによって保持されているポストを示します。

RDFプロパティー: org:holds
定義域: foaf:Agent
値域: org:Post
subPropertyOf: org:memberOf
使用上の注意: org:heldByの逆。
プロパティー: heldBy(~に保持された)

ポストを保持するエージェントを示します。

RDFプロパティー: org:heldBy
定義域: org:Post
値域: foaf:Agent
subPropertyOf: org:hasMember
使用上の注意: org:holdsの逆。
プロパティー: postIn(~のポスト)

ポストが存在する組織を示します。

RDFプロパティー: org:postIn
定義域: org:Post
値域: org:Organization
使用上の注意: org:hasPostの逆。
プロパティー: hasPost(ポストを持つ)

組織内に存在するポストを示します。

RDFプロパティー: org:hasPost
定義域: org:Organization
値域: org:Post
使用上の注意: org:postInの逆。

5.3.7 プロパティー: reportsTo(~と上下関係を持つ)

組織図で描かれるかもしれないような上下関係を示します。エージェント間またはエージェントが就くことができるポスト間の上下関係を直接的に示すために使用できます。

RDFプロパティー: org:reportsTo
定義域: owl:unionOf(foaf:Agent org:Post)
値域: owl:unionOf(foaf:Agent org:Post)
使用上の注意: 上下関係の厳密なセマンティクスは、組織によって変わるでしょうが、直接的な監視関係(例えば、目標達成と給与決定権限)と、より一般的な上下または責任関係(例えば、いわゆる関連系統(dotted line)の上下関係)の両方を包含することを目的とします。

5.4 位置

5.4.1 クラス: Site(サイト)

組織が位置するオフィスやその他の敷地。多くの組織が複数のサイトに散在しており、多くのサイトが多数の場所を持つでしょう。

RDFSクラス: org:Site
使用上の注意: ほとんどの場合、サイトは物理的な位置です。しかし、関連する郵便ポストや電話受理サービスを備えたバーチャル・オフィスなどの非物理的なサイトの可能性を除外しません。拡張により、特定のタイプのサイトを示すためのサブクラスを提供できます。
プロパティー: siteAddress(サイトのアドレス)

適切にコード化されたサイトのアドレスを示します。vCard[vcard-rdf]語彙などの有名なアドレスのコード化の使用が奨励されますが、他の符号化の使用を可能とするために値域はオープンのままにされます。アドレスには、電子メール、電話およびジオロケーション情報を含むことができ、物理的なアドレスに制限されません。

RDFプロパティー: org:siteAddress
定義域: org:Site
プロパティー: hasSite(サイトを持つ)

組織が、間接(例えば、会社の登録住所として機能しているバーチャル・オフィスやプロフェッショナル・サービス)のみであったとしても、ある存在感を持っているサイトを示します。

RDFプロパティー: org:hasSite
定義域: org:Organization
値域: org:Site
inverseOf: org:siteOf
プロパティー: siteOf(~のサイト)

あるサイトである存在感を持っている組織を示します。

RDFプロパティー: org:siteOf
定義域: org:Site
値域: org:Organization
inverseOf: org:hasSite
プロパティー: hasPrimarySite(主要サイトを持つ)

組織の主要サイトを示します。組織の窓口となりえるデフォルトの手段ですが、正式な本部とは限りません。

RDFプロパティー: org:hasPrimarySite
定義域: org:Organization
値域: org:Site
subPropertyOf: org:hasSite
プロパティー: hasRegisteredSite(登録されたサイトを持つ)

組織の法律上登録されたサイトを示し、多くの法的管轄区域では、会社や慈善団体などのFormalOrganizations(公式の組織)がそのような主要サイトを持っているという要件があります。

RDFプロパティー: org:hasRegisteredSite
定義域: org:Organization
値域: org:Site
subPropertyOf: org:hasPrimarySite
プロパティー: basedAt(~を基礎としている)

人が基礎としているサイトを示します。人が複数のサイトを基礎としている可能性を制限しません。

RDFプロパティー: org:basedAt
定義域: foaf:Person
値域: org:Site

5.4.2 プロパティー: location(位置)

例えば、内部配送目的のメール・ストップ(Mail Stop)などの、組織内の人の位置記述を提供します。

RDFプロパティー: org:location
定義域: foaf:Person
値域: xsd:string

5.5 プロジェクトおよびその他の活動

5.5.1 クラス: OrganizationalCollaboration(組織のコラボレーション)

プロジェクトなどの2つ以上の組織間のコラボレーション。それは、アイデンティティを有し、その特定のメンバーとは無関係に目的を定めているという点で、組織としての基準を満たしますが、正式に認識された法的実体でも、あるより大きな組織内のサブユニットでもありません。一般的には、その内部の組織よりも存続期間が短いかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

RDFSクラス: org:OrganizationalCollaboration
subClassOf: org:Organization
使用上の注意: すべてのメンバーは、個人ではなくorg:Organizationで、それらの組織は、そのベンチャー内で特定の役割を果たすことがでます。代替名: Project(プロジェクト)、Venture(ベンチャー)、Endeavour(試み)、Consortium(コンソーシアム)

5.6 歴史的な情報

5.6.1 クラス: ChangeEvent(変化をもたらした出来事)

合併や完全な再編などの組織に大きな変化をもたらした出来事を表します。これは、結果として作成される組織と元の組織とが、別のアイデンティティーと別のURIを持つに足るほど異なる状況を対象としています。

RDFSクラス: org:ChangeEvent
subClassOf: prov:Activity
使用上の注意: 拡張語彙は、特定カテゴリーの出来事を示すためにこのサブクラスを定義すべきです。出来事が生じた期間はprov:startedAtTimeprov:endedAtTimeを用いて表すべきです。テキストによる出来事の記述は、dct:descriptionで与えられるかもしれません。
プロパティー: originalOrganization(元の組織)

変更のきっかけとなった出来事以前に存在した1つ以上の組織を示します。出来事によって、出来事の後にそれらは存在し続けたかも、存在し続けなかったかもしれません。

RDFプロパティー: org:originalOrganization
定義域: org:ChangeEvent
値域: org:Organization
inverseOf: org:changedBy
subpropertyOf: prov:used
プロパティー: changedBy(~によって変更された)

この組織の変更のきっかけとなった出来事を示します。

RDFプロパティー: org:changedBy
定義域: org:Organization
値域: org:ChangeEvent
inverseOf: org:originalOrganization
使用上の注意: 出来事によって、組織は出来事の後に存在し続けたか、存在し続けなかったかもしれません。
プロパティー: resultedFrom(~の結果)

この組織になった(導いた、作成された)きっかけとなった出来事を示します。

RDFプロパティー: org:resultedFrom
定義域: org:Organization
値域: org:ChangeEvent
subpropertyOf: prov:wasGeneratedBy
inverseOf: org:resultingOrganization
プロパティー: resultingOrganization(結果の組織)

出来事の結果、作成、変更された組織を示します。

RDFプロパティー: org:resultingOrganization
定義域: org:ChangeEvent
値域: org:Organization
inverseOf: org:resultedFrom

プロパティー連鎖公理

さらに、オントロジーは、org:resultedFromorg:originalOrganizationprov:wasDerivedFromの間の関係を定義します。

   SubObjectPropertyOf( ObjectPropertyChain( org:resultedFrom org:originalOrganization ) prov:wasDerivedFrom )

A. 変更履歴

W3C 2013年12月17日勧告案以後の変更: なし。

W3C 2013年6月25日勧告候補以後の変更:

W3C 2012年10月23日草案(最終草案)以後の変更:

W3C 2012年4月5日草案:以後の変更

旧バージョン0.3以後の変更 2010-06-09:

旧バージョン0.2以後の変更 2010-06-07:

旧バージョン0.1以後の変更 2010-05-28:

B. 謝辞

このオントロジーはもともと、John Sheridan(国立公文書館)のリーダーシップと指導の元、英国Linked Data Kernelプロジェクトの一環として、data.gov.ukが使用するために開発されました。Jeni Tennisonは、最初の草案に関し極めて有用なフィードバックおよび提案を行なってくださったおかげて設計が大きく改善しました。作成にあたっては、多くの他のオントロジー(特に、注意深く設計されたGazette Organizationオントロジーと、Proton-top)からもインスピレーションを得ました。

編集者は、Government Linked Data Working Groupのコメントとサポートに感謝します。特に元の文書をW3Cの形式に変換してくださったDaniel Vilaに、また、結果としてorg:Postの追加に至ったフィードバックと議論に対しBart van Leeuwenに感謝申し上げます。

org:Postのモデル化は、英国政府のモデル化に関するJeni Tennisonの研究に基づくところが大きいです。

C. 参考文献

C.1 規範的な参考文献

[FOAF]
Dan Brickley, Libby Miller. FOAF Vocabulary Specification 0.98. 9 August 2010. URL: http://xmlns.com/foaf/spec/
[OWL2-PRIMER]
Pascal Hitzler; Markus Krotzsch; Bijan Parsia; Peter Patel-Schneider; Sebastian Rudolph. OWL 2 Web Ontology Language Primer (Second Edition). 11 December 2012. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/owl2-primer/
[RDF-CONCEPTS]
Graham Klyne; Jeremy Carroll. Resource Description Framework (RDF): Concepts and Abstract Syntax. 10 February 2004. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/rdf-concepts/
[RDF-SCHEMA]
Dan Brickley; Ramanathan Guha. RDF Schema 1.1. 9 January 2014. W3C Proposed Edited Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/rdf-schema/
[RDF-SPARQL-QUERY]
Eric Prud'hommeaux; Andy Seaborne. SPARQL Query Language for RDF. 15 January 2008. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/rdf-sparql-query/
[RFC2119]
S. Bradner. Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels. March 1997. Internet RFC 2119. URL: http://www.ietf.org/rfc/rfc2119.txt
[SKOS-REFERENCE]
Alistair Miles; Sean Bechhofer. SKOS Simple Knowledge Organization System Reference. 18 August 2009. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/skos-reference
[prov-o]
Timothy Lebo; Satya Sahoo; Deborah McGuinness. PROV-O: The PROV Ontology. 30 April 2013. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/prov-o/

C.2 参考情報の参考文献

[DC11]
Dublin Core metadata initiative. Dublin Core metadata element set, version 1.1. July 1999. Dublin Core recommendation. URL: http://dublincore.org/documents/dcmi-terms/
[OWL-TIME]
Jerry Hobbs; Feng Pan. Time Ontology in OWL. 27 September 2006. W3C Working Draft. URL: http://www.w3.org/TR/owl-time
[good-relations]
Martin Hepp, GoodRelations Language Reference, Version 1.0, 1 October 2011, URL: http://www.heppnetz.de/ontologies/goodrelations/v1.html
[prov-constraints]
James Cheney; Paolo Missier; Luc Moreau. Constraints of the PROV Data Model. 30 April 2013. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/prov-constraints/
[turtle]
Eric Prud'hommeaux; Gavin Carothers. RDF 1.1 Turtle. 9 January 2014. W3C Proposed Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/turtle/
[vcard-rdf]
Renato Iannella; James McKinney. vCard Ontology. 24 September 2013. W3C Working Draft. URL: http://www.w3.org/TR/vcard-rdf/