図書館員のコンピュータ基礎講座
フィルムここでは一般的な写真撮影用のフィルムについてご紹介します。 フィルム・サイズ【2002-10-20更新】
一般に普及しているフィルムのサイズは、大判、中判、35ミリ、小型に大きく分かれています。以下に代表的なものをご紹介します。 大判大判(Large Format)はシート・フィルムと(Sheet Film)も呼ばれ、フィルムはシート状の形態をしています。サイズが大きい分、情報量が大きく、主にポスターや結婚式の記念写真など、大伸ばしの必要なプロの撮影に使用されます。
中判中判(Medium Format)はブローニー(Brownie)とも呼ばれ、全て幅6cmのフィルムですが、縦のサイズの違いで数種類のフォーマットが存在しています。下の表で紹介している他に6×8や6×12などもあります。
6×4.5はセミ判とも呼ばれます。 35mm35mmと呼ばれるフィルムは、一般に最も普及しているロール・フィルムで、135フィルムと呼ばれることがあります。
小型35mm以下のフィルムを小型(Miniature Format)フィルムと呼ぶことがありますが、35mmフィルムは最も普及している形態なので別扱いされることが多く、24mmのAPS(エイピーエス;Advanced Photo System)や9.5mmのミノックス(Minox)などを小型と呼ぶことが多いようです。
モノクロ、カラー【2002-10-20更新】
フィルムには乳剤(感光材)が塗布されており、一般に使用されるものは、その種類によって、モノクローム、カラー・ネガティブ、カラー・ポジティブなどに分けられます。 モノクローム・フィルムモノクローム・フィルム(Monochrome Film、モノクロ)は色情報が無く、撮影者の意図が表現しやすいため、プロのカメラマンや写真愛好家などが愛用しています。
ネガティブ・カラー・フィルムネガティブ・フィルム(Negative Film、ネガ・フィルム)は、下の画像の様にフィルム上では明暗と色が反転していて、プリント(紙焼き)により自然の色が表現されます。ラチチュード(Latitude、露出の過不足、つまり明暗の幅のこと。明暗に伴って発色(色の鮮やかさ)を左右する)が広く、プリント時に多少の露出と色を補正することができるため、一般の記念写真などの素人の撮影に向いています。
ポジティブ・カラー・フィルムポジティブ・フィルム(Positive Film、ポジ・フィルム)は、スライド・フィルム(Slide Film)やリバーサル・フィルム(Reversal Film)とも呼ばれ、フィルム上で自然の露出と色が再現されます。ラチチュードが狭く、後での補正が困難なため、精密な撮影が必要となります。しかし、補正ができない分、撮影者の意図する露出や色が反映されるため、プロや写真愛好家などに使用されています。印刷原稿用、電子化用の撮影に向いています。
その他のフィルムこれらの他に、ポラロイド・フィルム(Polaroid Film)などもあります。 撮影と保管【2011-07-14更新】
撮影の際に必要な知識についてご紹介します。 乳剤番号と有効期限フィルムのパッケージには乳剤番号(製造番号)が書かれており、乳剤番号が同じであれば、同じタンクで同時期に製造されたことを意味します。乳剤が違うと感度や色のバランスが微妙に異なるため、特にポジティブ・カラー・フィルムなどを使用する高精細な撮影を行う際には同じ乳剤番号のフィルムを使用する方がよいでしょう。これに対しネガティブ・カラー・フィルムは、プリント時に補正ができるため、乳剤の違いをあまり気にする必要はありません。 チャートと巻尺撮影時には、色、階調、スケールが表示されているカラー・チャート(Color Chart)またはグレースケール・チャート(Grayscale Chart)を映し込んでおきましょう。画像編集ソフトウェアなどでデジタル化した画像を編集・加工する際に、階調や色合いなどを調整することが容易になります。また、巻尺を一緒に映し込んでおくと大きさなどが分かりやすくなるので便利です。
ライト・ボックスとルーペポジフィルムの発色やピントなどをチェックする際には、ライト・ボックス(フィルム・ビューア)とルーペがあると便利です。 保管フィルムは高温、多湿、光を嫌います。未使用のフィルムは容器のまま冷蔵庫で保管し、常温に馴らしてから使用するのが良いと言われています。カメラなどと一緒に保管できる防湿キャビネットというものも販売されています。撮影後のフィルムも高温・多湿・直射日光を避け、冷暗で風通しの良い場所に保管しましょう。 ポイント
関連ページ
参照・参考文献
CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-
|