1950年代に、伸びやかでダイナミックな歌唱と(主にアメリカの)洋楽ポピュラー(スウィング・ジャズ、カントリー、ロカビリー、ブルース、ミュージカルや映画の歌、マンボやチャチャチャなどのラテン音楽)をカヴァーしたモダンなヒット曲の量産で人気スターとなった、1937年東京生まれの歌手・女優、雪村いづみの洋楽カヴァーを中心とする編集盤。CD2枚(全50曲)+DVD。レーベル枠を超えて選曲された初のベストアルバム。歌詞は英語・日本語・スペイン語。デビュー曲「想い出のワルツ」はポピュラーソング「Till I Waltz Again with You」(作詞作曲:シドニー・プローセン、歌:テレサ・ブリューワー)のカヴァー。「ジャンバラヤ」はハンク・ウィリアムスのカントリー曲「Jambalaya (On the Bayou)」のカヴァー。「はるかなる山の呼び声」は「The Call of the Faraway Hills」(映画「シェーン」主題歌)のカヴァー。「青いカナリヤ」は「Blue Canary」(作詞作曲:ヴィンセント・C・フィオリノ)のカヴァー。「マンボ・イタリアーノ」はボブ・メリル作のポピュラーソングのカヴァー。「チャチャチャは素晴らしい」はエンリケ・ホリンの「Milagros del Cha-Cha-Cha」のカヴァー。「ビバップ・ルーラ」はジーン・ヴィンセントのロカビリー曲「Be-Bop-A-Lula」のカヴァー。「フジヤマ・ママ」はアール・バロウズ作のロカビリー曲「Fujiyama Mama」のカヴァー。「ひこうき雲」は荒井由実(松任谷由実)がデビュー前に雪村いづみに提供した曲。キャラメル・ママとの共演で服部良一の曲を歌った1974年のアルバム「スーパー・ジェネレイション」からの3曲も収録。企画監修は佐野元春
DVDだけでも入手価値あり。今も現役である分、過去の映像は見る機会が少なかった。とりわけ三人娘時代の映画など、さしずめ和製ジュディーガーランド!最後の昭和大スター歌手の若き日の映像録音、よくぞ残して市場に出してくださいました。全盛期に結婚渡米のため、その評価が過小なものになったのだろう。映像記録としては新しい方のビッグショーが、自分にとっては最初の記憶になる。それもまた懐かしく拝見した。This is my lifeの前に、たしか、帰り来ぬ青春も歌われた。50年前の記憶の糸を、手繰り寄せながら。