新ベーレンライター版を使用した新しい全集だ。第9を楽しみに聴く。小編成のためか、弦の音が薄く感じられる。その上伸びがない。これが限界である。しかし、木管・金管が検討し、かなりの躍動感溢れる演奏に盛り上げている。第2楽章はスケール大きく、すばらしい表現である。第3楽章も朗々と歌い上げてなかなか感動的だ。終楽章はソリストや合唱団は健闘しているが、オケがイマイチである。感動に乏しいのが残念である。オケにパワーが欲しいところだ。全体的にはラトルやブロムシュテットには遠く及ばない。これはオケの力量の差だと思われる。しかし、新ベーレンライター版を使用した日本人オーケストラの演奏としてはまずまずの出来ではないか。
いち早くベーレンライター版で全集録音に取り組んだ飯守泰次郎氏に拍手を贈りたい。