ワルターがコロンビア交響楽団を指揮してのベートーヴェンの演奏は、すべてが偉大で、崇高である。ベートーヴェンの交響曲の本質をその演奏でわからせてくれる。ほかの指揮者の演奏ではこのようなことは体験できない。本当に音楽を聴く人がワルターの演奏を聴けば、他の指揮者の演奏は聴けなくなるだろう。コロンビア交響楽団もワルターのオーラを浴びてすばらしい演奏をしている。個々の奏者も見事な音を奏でる。それが有機的に絡み合って、ベートーヴェンが音楽で表現した自然の偉大さと生命の力強さを感動を持って感じることができる。