繊細で美しいピアノの音が心地よい。 特に「月」は聴き入ってしまいました。 単純に「翻訳機」も好きです。 いつも思うけど People In The Boxの曲は短編小説のよう。 1年も繰り返し聴くのに飽きない。 この「Wall, Window 」「Family Record」と 並んで心地よかったです。
リリース後、買うかどうか少し迷った。彼らの音楽に飽きてしまうのではないかと恐れたのだ。 だが、そんな心配はなかった。冒頭ではキーボードが導入され、かつてケイト・ブッシュのシングルB面で聴いたようなスピリチュアルな空気感が広がる。そんな変化がありながら、ギターやベース、ヴォーカルのフレーズが繰り返されることでコラージュのように構成されていくアンビエントな音世界は、これまでの Peaple in the box のまっすぐな延長線上にある。 波多野の言葉にメッセージはあるのか?考えるな、あるがままの意味と音を受け取れ、と私には響いてくる。「ピエロは肉を食べる」「赤い馬をはなて ハイヨー」そこに意味を見出す必要があるのか。多元世界に広がる重層的な意味の広がり。どれを拾い上げても正解だ。でも、今はどれかなどと考えずに、子守歌を聞くように波多野の歌声に身をゆだねることにする。