「MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK」「MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK II」の2枚のアルバムに寄せて。。。
OVAをビデオデッキでレンタルして鑑賞していた当時、今までのマクロスの路線とは違った異色の作風にも驚いたが、個人的にもっと衝撃的だった劇中の音楽。大げさじゃなく熱狂した。
時は1994年か1995年、ブログやSNSどころかインターネットも一般に普及していない当時は情報が乏しく、劇中の音楽が欲しくて市中のCD屋を虱潰しにハシゴした。
ようやく、「MACROSS PLUS The Cream P・U・F」がリリースされているのを知り手に入れた。しかし、サントラが欲しくて関連各所に電話で問い合わせたりもしたのだが、出す予定はないと返答された記憶がある。自分はそれで当時探すのを諦めたんだと思う。
それを入手する経緯で今でも覚えているが、大阪・心斎橋の商店街内にある地元じゃ有名なレコード屋で注文すると、店頭にいた若い女性店員が二人、こんなものは知らないし注文する客も見たことないとせせら笑い、アニメのOVAのサントラに使われたんだと説明すると気持ち悪がられた。
日本のアニメが全国的にも世界的にも知られ国策として特有の「文化」として市民権を得ようとしていたが今とは遠く及びもしないこの時代、知らない輩は知らないか・・・と無意味な敗北感に苛まれたものだが、世の世俗的な音楽カルチャーの影に隠れて、このサントラは当時斬新で先駆的なことをやっていた。
専門誌か何かで読んだ記憶があるが、音楽を手掛けた菅野よう子が監督の河森正治から要望されたことは、今まで誰も聴いたことがない曲を作ってくれと言われたとの事。
確かに、フランス語のPOPミュージック調の曲はアニメで採用されたことはなかったし、ケルトに代表されるような北欧の民族音楽風アレンジ、これは日本民族の宗教観とも合い通じるところであるし、また、スロベニア語やエストニア語の曲、でもエンヤやビョークの模倣でもない。
そして、果てはヨーロッパを超えて当時日本では馴染みのなかったスキャットまで採用されている。
ちなみにスキャットマン・ジョンが日本でブレイクするのはこの作品の少し後。
自分の認識不足かもしれないが、何語で歌われているのか、もしかしたらヴォカリーズ?と思われる曲まである。
MACROSS PLUSの音楽は、2枚のアルバム収録曲が証明しているように、菅野よう子が世界中から、当時最新・最先端であろうと思われる曲、伝統的な曲を立体的・かつ多角的に、これだけの振り幅のあるジャンルをMACROSS PLUSオリジナルのサウンドとして構築し、劇の世界観に見事にマッチさせた。
幻想的・スピリチュアルな曲調をシンセやアコースティック楽器で作り上げられているが、打ち込みではない交響曲的構成の曲が多く映画音楽としてより奥深さを表現できている。理論に裏打ちされたクラシックの奥深さも背景に持ちつつ未来の音楽を表現したサントラは、まさに河森正治が要望した今まで誰も聴いたことがない音楽。
自分は、音楽的歴史観も理論もクラシックも世界の民族風土も先端音楽も全く何も知識がなかったが、無性に魅了された。
そんな思い入れのあるサントラがリリースされているのを知ったのは、20年後の今、AppleMusicで何気なく検索して。
飛び上がるほど驚いて、そして悔やんだ。
ずっと恋い焦がれていたアルバムだったのに、当時諦めていた直後にリリースされていたとは。
諦めずに入手できていれば、その20年は多分ずっと聴き続けていただろうし、豊かな人生を送れていただろうに。
もったいないことをしたが、自分の中の穴を埋められたような安堵感は得ることができた。
そして、個人的にとても驚いたと同時に新鮮だったのが「VOICES」を歌っていたのは新居昭乃だったんだと今更ながら気付かされたこと。彼女の事はアニメ「ウインダリア」劇中歌「美しい星」で知っており、この曲が収録されたアルバム「懐かしい未来」をこれも当時市中のレコード屋を駆けずり回って入手した思い出の名曲。
ここで、少しぼやかせてもらうが、MACROSS PLUSのサントラといい、新居昭乃の美しい星といい、こんな名盤・名曲が当時はなんでマイナーだったんだろうね?店にCDがなかなか見つからず本当に困ったもん。
MACROSS PLUSで新居昭乃を起用した菅野よう子のセンスは疑いようもないのだが、この人が音楽家として天才と一般的に認知され始めるのは、マクロス・フロンティアあたりから。
劇中のヴァーチャル・アイドルとして、素材は初音ミクの3DCGコンサートとして以前からあるにはあったのだが、音楽的には一義的で、当時MACROSS PLUSが扱ったヴァーチャル・アイドルの映像表現と音楽的な奥深さは若かった自分の感性をぶち抜いたし、何より、マクロス・フロンティアに続くプロトタイプとしてのチャレンジでありある意味完成された音楽表現であったと今となれば思う。
MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK
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参考価格: ¥2,750 参考価格: ¥2,750¥2,750
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仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, 1994/10/21
"もう一度試してください。" | 通常盤 |
—
| — | ¥1 |
CD, サウンドトラック, インポート, 1995/2/6
"もう一度試してください。" | サウンドトラック, インポート |
—
| — | ¥630 |
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曲目リスト
1 | National anthem of MACROSS |
2 | Fly up in the air~Tension |
3 | After,in the dark~Torch song |
4 | MYUNG Theme |
5 | Bees and honey |
6 | In captivity |
7 | More than 3cm |
8 | VOICES |
9 | Break out~Cantabile |
10 | Very little wishes |
11 | SANTI-U |
商品の説明
メディア掲載レビューほか
アニメ『MACROSS PLAS』のオリジナル・サウンドトラックが廉価盤で再リリース。菅野よう子初のアニメ・サウンドトラック参加作品。 (C)RS
登録情報
- 梱包サイズ : 14.2 x 12.4 x 1 cm; 90.72 g
- メーカー : flying DOG
- EAN : 4580325315011
- 時間 : 52 分
- レーベル : flying DOG
- ASIN : B00CICW7F4
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 30,214位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,343位サウンドトラック (ミュージック)
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