感動したので思わずレビューしてしまいました。初レビューですが参考になればと思います。
まず歌い手のannabel氏ですが、anNina名義でデビューした時から聴いています。
しっとり、儚い、…等の印象を与える声質で曲自体もそのような曲を歌う事が多いかな、と思います。
が、ただそれだけでなく優しく歌詞を包み込むように大事に大事に歌い上げるので、
例え儚げな曲でも決して後ろ向きな感情にならず、「鬱くしい」と「美しい」が同居しているような感覚。
少し詩的な表現をすれば曲に込められた想いを優しく諭すような、囁くような…そんな歌声。
そしてanamnesisですが、綾辻行人原作小説、TVアニメAnotherのED曲で、
作品自体も毎週楽しんで視聴していますが、この曲が非常に作品世界にマッチしています。
作詞はannabel氏自身原作を読み込んで臨んだという事で、過去を憂うように悲しげで、
でも救いがある、あって欲しい…そんな願いのような言葉が綴られています。
現在アニメは折り返し地点といった所ですが、
「一体誰が誰に何を想っての歌?」「どんな結末が?」
と想像が膨らみ、気付けば一人で推理ごっこ(自分は本気ですが)に興じていますw
音楽用語は素人ですが…曲はピアノとバイオリン(かな?)を基調としていて誰かに問いかけるように、一人語りをしているように静かに始まり、
サビはバイオリンの演奏の盛り上がりと共に感情を吐露するかのように伸びの良いウィスパーボイスを響かせ、切なさが込み上げてきます。
そしてそっと着地するようにボーカルが閉じていき、一筋の光が差したような余韻が残ります。
2曲目もAnotherより、ヒロインの見崎鳴をイメージした曲だと思いますが、
こちらは打って代わって派手なロック調で疾走感を持ちつつ、ミステリアスなキャラクターの内面が表現されており負けず劣らず良曲です。
このCDでますますファンになってしまった事は言うまでもないですが、
個人的には一番の傑作で、ボーカルと作品の世界観、作曲、作詞、どれも良くマッチングし、
annabel氏の魅力が最大限に引き出せた1曲となったのではないかと思っています。
気に入られた方は同人音楽サークルbinariaでの曲やanNina、ゲスト参加のコンピアルバム等…
明るい調子の曲もあり、(実はそういう曲ももっと聴きたいのですが)
やはり魅力的な仕上がりになっているので是非聴いてみてはいかがでしょうか。perpetual/madaranosora feat.AnnabelMy heavenAbove your hand