【ヒホン ”Laboral Ciudad de la Cultura”】 ロンドンの興奮冷めやらぬ、その4日後に行われたスペインはヒホン Laboral Ciudad de la Culturaにて、 ”TIBETAN DANCE” “RIOT IN LAGOS”などの坂本龍一楽曲や、”MARS” ”CHRONOGRAPH”といったSKETCH SHOWの楽曲ら、 YMO/HASYMO以外の曲も披露した全16曲をこちらも2枚組にて完全収録。 同じく、サポートにクリスチャン・フェネス、高田漣、権藤知彦を迎えたこの日...YMOのフィジカルなグルーヴは最高潮に達した。 ほとんど日本人の姿がない会場で、歴史的とも言える彼らのパフォーマンスは、必聴です。 ※尚、この公演の模様は来年DVD化する予定です。(発売日、収録曲目未定)
Riot in Lagosはスペインで違うレベルの楽曲になってしまった。わかりやすくいえば、ジャズの曲みたいになった。それだけ肉体的にスリリングな演奏をすることで、この曲の本当の魅力を引き出しているのだと思われる。 これは良いとか悪いとかいうことではなく、YMOが生来もっている、あくなきリズムの追求の過程で起こったのだ、と、長年のファンとしては普通に理解。
YMOの中で特によく聞くアルバムです。ライブであるが故に、ものすごく熱いものを感じます。とりわけriot in lagos のグルーブ感はファンクミュージックそのものです。このように捉えると、とりわけ後半の曲の数々がそのように聴こえてきます。あえて言うならば、クールな熱気を湛えたエレクトリックファンクとも言うべき作品に仕上がっています。
全体に通底するアンビエントを基調とした低音の響き。日本語歌詞が大幅に削除されてほとんどリズムだけになってしまった以心電信の 心地よさ。Ongakuにおける権藤のユーフォニウムの清浄さ。Tokyo Town Pages中盤、フェネスのこぼれ落ちるように泣くギター。 Wondeful to meに於ける、細野のゆっくりと歩くようなベース。この曲は特に好きで、まるで水族館の底から水面を見上げているような 風景を想像させる。また高山の風に紛れるような静けさと諦念を感じるTibetan Dance。原曲は闘争の風景をひたすら一本調子で俯瞰する 感じだったWar and Peaceも、ベースとドラムのドラマティックなリズムによって映画のような物語性が与えられている。坂本の提案で、 高橋がロンドン公演から急遽ドラム演奏に変えたRiot in Lagosは、その後の演奏に比べると急造感が否めないものの、ドラムの乾いた音と 相まってソリッドな印象を受ける。Rydeen79/07のBメロで、坂本のパッキングが高音に跳ねるところもたまらなく好きだ。 聴き直す度に、三人の声、ドラムや弦楽器の音、ノイズの欠片にまで発見と快楽があり――そしてまた最初から聴き直す。 自室で、電車の中で、車のオーディオから。