壮大な叙事詩もついにクライマックス。物語は大きく飛躍して、とんでもない未来世界を描き出す。かつては交流をしていたクーヤとハクオロだが、クーヤの率いる大国クンネカムンが天下統一をうたうことで、ついに衝突することになる。クンネカムンの武器は大いなる力“アブ・カムゥ”。ハクオロは“アブ・カムゥ”に苦戦しながらも、その背後にいる黒幕であるディーの存在に気づく。ハクオロとディー。それは大いなる運命のもと、対となる存在だった――。北方アイヌの文化を下敷きに展開してきた本シリーズだけど、その蓋を開けると、壮大なSF世界が広がっている。この衝撃展開こそが、本シリーズの最大の魅力。さあ、長い物語もここで結末を迎える。一気に見てしまおう。(志田英邦)