なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学 (DOJIN選書) | 聡, 菊池 |本 | 通販

現れては消える数々の疑似科学.私たちは,科学の仮面をかぶったニセ物をどうやって見きわめ,いかにつきあっていけばいいのだろう.本書では,疑似科学の問題点や科学と疑似科学に関する考え方を整理するだけではなく,疑似科学を信じてしまう傾向を,ニセ物なのに信頼のおける科学だと思い込む誤信念ととらえ,その核心に迫る.血液型性格学や宏観異常現象による地震予知をはじめとして,疑似科学に共通してあらわれる特性を鋭くついた決定的な入門書!

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本の長さ

258ページ
言語

日本語
出版社

化学同人
発売日

2012/10/19
寸法

13.4 x 2.1 x 18.5 cm
ISBN-10

4759813489
ISBN-13

978-4759813487
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 化学同人 (2012/10/19)
発売日 ‏ : ‎ 2012/10/19
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 258ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4759813489
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4759813487
寸法 ‏ : ‎ 13.4 x 2.1 x 18.5 cm

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菊池聡

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もん
文章が下手すぎるが
2021年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
特に2章までは文章下手すぎて、全然入ってこない。もうちょっと言いたいことまとまってから書いて欲しかった。

3章以降（つまり大部分）はそこそこ読めるようになってた。
まだ半分しか読んでないけど、タイトル通りの内容です。
今だと反ワクチンの色々な意見が世の中溢れているけど、そういう人たちの思考がわかるような本です。

ワクチン打っても感染する、と考える人がいることは不思議では無い。事実そうだし。
でも、ある人がワクチンを打ったから罹らなかったということを証明することはとても難しいと思うけれど、反ワクチン思考はそれを求めていて、それはUFOがいないことを証明する事が難しいのと同じように難しい事なのですね。

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mutantmogura
疑似科学を信じる心を科学的に解析する
2012年11月3日に日本でレビュー済み
本書が扱っている疑似科学は、けっこう微妙なものがある。
少し前に話題になったホメオパシーや、古くは心霊手術など、人の命に直接関係するものがある。
また、本書でも扱われているが、血液型性格学なども、人の人生を左右する要因となる場合もある。
したがって、科学的と非科学的を識別すること、つまり本書で繰り返し述べられているようなクリティカル・シンキングが大事なことになる。

疑似科学には間違いなく心理学の要因が関与する。
つまり、よく言われるように、なぜそれを信じてしまうのか。
また、その間違って信じたことを何故捨てられないのか。
このあたりのことが、本書では明確に解析されているところが面白い。

本書は純然たる科学系出版社の刊行であり、また著者も著名な疑似科学に対する批判的論者である。
そのためか、新書タイプの類書のようにはオカルト関連の話題は取り上げられていない。
福来博士の透視の話題やUFOやUMAの話題などは、ほとんど期待しないほうが良い。

疑似科学に関する類書は多いが、たとえばサイモン・シン「代替医療のトリック」のような深い本に進む前のイントロダクションとしても適当である。
巻末には「代替医療〜」も含めて、著者が推薦する参考図書が列挙されている。
本書を手がかりとして、疑似科学に関してより深く知ることができる。
これまでに疑似科学関係の類書を読んでいないと、部分的には少々難解なところもあるかもしれない。
ただ、それだけ疑似科学の問題は奥が深く難しいものだということである。

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Non-Materialist
「主流科学」に「「疑似科学」と悪評されている自然観」を批判する能力があるのだろうか？
2012年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
３つ星が妥当だろうが、あえて１つ星にする。それは、著者の記述が常識的で、冒険的なところがないこと、従って、結局は、「疑似科学」など信じるに足らないという本音を吐いていることに基づく。

著者自身が書いているようにこの種のテーマを取り上げた本は大変多い。「疑似科学」を英訳すると（実はその逆なのだが）、「Pseudo-Science」、「VooDoo Science」、「Para-Science」などがある。最近の本の例を挙げると、(1) 「The Magic of Reality (by Richard Dawkins, 2011)」、(2) 「Superstition: Belief in the Age of Science (by Robert L. Park, 2008)」がある。(2)の著者(Robert L. Park)は、2000年に「VooDoo Science」を書いており、本書の著者菊池氏は、これを参考図書リストに挙げている。また、カール・セイガン (1934-1996) の「科学と悪霊を語る: Demon-Haunted World (1996)」もある。（私は(1)、(2)及び(3)に対して、一つ星の批判的評価を、米国及び日本のamazon websiteに書いた。）

さて、最初に、私が掲げたこのレビューの表題：「主流科学」に「「疑似科学」と悪評されている自然観」を批判する能力があるのだろうか？？の意図を書きます。上記の(1)の本で、著者Dawkins（2008年までオックスフォード大教授、進化論生物学者。彼は現代のダーウインの番犬とも呼ばれ、彼の前の番犬は、作家アルダス・ハックスレーの祖父トーマス・ハックレー）は、新約聖書に出てくるイエスの奇跡の一つ「水をワインに変えた」の話に言及し、これを説明する以下の３つの仮説を挙げました：(1) イエスは本当に「水をワインに変えた」、(2) これはイエスがやった手品である、(3) これは聖書に書かれた「お話」であって、誰かが創り上げた物語にすぎない。Dawkinsは、この一見奇跡に見えるお話を説明できそうなのは、(3)でしょう。従って、(2)の手品のからくりがどんなであったのかを考える必要も無いし、まして、現代科学の法則に反する(1)のような奇跡を考える必要などさらさらない、結論しています。

これに対して、私は以下の趣旨の批判的評価を書きました：(a) イエスの奇跡のような、現代科学の法則に反する多くの「並外れた主張」は、人の「意識」と「物質」の相互作用に関わる事象である。（これは、菊池氏の本の第9章、219頁の、「図9-2 超心理学の研究対象」が示しているとおりです。）(b) しかし、現代科学の元と考えられる「物理学」の全ての法則は、人間が関わらない「無生物の世界」における実験によって得られたものである。それらの（科学者が設計した）実験のなかで人間が関わるのは、実験結果を論文にして、「複数の科学者が合意できる結論として（これを、inter-subjectivityという）」発表するときのみである。(c) 従って、現代科学の法則には、人の「意識」と「物質」の相互作用に関わる事象（それが「疑似科学」と批判される研究のテーマ）を規定する何らの資格もない。(d) 実は、人の「意識」と「物質」の相互作用に関わる事象を研究する現代科学のテーマが「量子力学」の観測理論です。しかし、このテーマに対して、現代科学は答えを出すことができない状態にあり、従って、(c)に書いたとおりです。
ちなみに、「量子力学」の観測理論の研究が生み出した成果(?) の一つは、「並行宇宙（パラレルユニバース）」の考えであり、この考えを利用して金儲けしているのは、ハリウッドやその他の映画会社です。（観測理論の研究に関しては、例えば、町田茂著「量子力学の反乱(1994)」を参照）

著者菊池氏は(c)、(d)に関しては何の言及もしていません。私の観点からは、これは著者の認識の不十分としか言えません。私はDawkinsの本の批判的評価にも書きましたが、唯物論に基づく現代科学は、「疑似科学」などという造語を作るほどに、「これまでの成果にうぬぼれている」のでしょう。最近ＴＶでもしばしば出てくるCERNの加速器実験で「Big Bang宇宙」の起源の話や、その後に続く「生命の起源」と「ダーウインの進化論」は、全て「疑似科学」を批判した唯物論に基づく現代科学の結果です。もしも「疑似科学」の一つでも実証されると、唯物論に基づく現代科学の土台は崩壊するでしょう。

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しゅてんだる
クリティカル・シンキング
2016年1月11日に日本でレビュー済み
「ニセ科学・疑似科学へのアプローチは、さまざまな切り口があり、最近は
そうした出版物も増えてきた。……本書でも、これらの視点をおおいに
取り入れつつ、まずは、疑似科学やニセ科学の問題を幅広く概観する
入門書の役割をもたせようと思う。
　ただし、単に悪質なニセ科学を指弾してすませるのとは違う切り口を
めざしたい。それは、私たちが、なぜニセの科学を信頼がおける科学だと
『思い込んでしまう』のかを考えることだ」。

　本書のテーマは、科学の真偽云々というよりもむしろ、人間における
「考える」という機能それ自体がしばしば陥いりがちな落とし穴について。
疑似科学はむしろそのサンプルというに過ぎない。
　例えば雨乞い、無論、そんな因果などあろうはずもない「迷信」に
違いない、ただし、筆者は強調する。「人の錯覚を認知の欠陥のせいで
片づけるべきではない。この背景には、私たちが限られた経験から
効率的に推論を進める認知システムが働いているのである。……
私たちは、限られた特徴的な情報のみから素早く結論を引きだす簡便的な
思考方略をとっている」。だからこそ、その裏返し、「現実には存在しない
対象であっても、ごく自然に『発見してしまう』」、「雨乞いをしたら、
本当に雨が降った」と結びつけてしまう。
　疑似科学は何も金銭欲や悪意にのみ、その端緒を持つものではない。
人間の傾向がどうにも疑似科学へと自らを導かずにはいない。
　では、いかにしてその陥穽から解放されるというのか。
　ここで再び疑似科学の出番だ、と筆者は言う。「広い意味での科学的思考・
合理的思考を身につけるための『教材』」、クリティカル・シンキングに恰好の
「心理的なバイアスや錯誤の数々を確認できる教材の宝庫」として
疑似科学を捉え直すことを提唱する。

　物言いは至って平易でシンプル、取り上げる素材も身近。
　ただし、確証バイアスにせよ反証可能性にせよ、論それ自体にさしたる
目新しさが感じられない点は否めない。

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たこやき21
まさしく「決定的な入門書」
2013年4月10日に日本でレビュー済み
本書はまず、疑似科学とは何か？　それはどのように問題なのか？　が記される。そして、その後、そういう問題のあるものが信用されてしまうのか？　などを心理学的な考察によって示し、終盤は、著者が専門としている心理学を題材に、疑似科学と科学の微妙な関係を示す、という構成をとっている。

本書の宣伝コピーに「決定的な入門書」とあるが、まさしくその通りだと感じた。

序盤の、疑似科学とは何か、という部分については、大阪大学の菊池誠氏の書などとも共通する箇所が多いのだが、コンパクトに纏められていると思う。それでも十分に価値があると思うが、面白いのは中盤以降。

まず、疑似科学をなぜ信じてしまうのか、という点。
ちょっとでも懐疑的に見れば、いくらでも破綻が見えるようなものを熱心に信奉している人がいるのはなぜか？　と思うことはしばしばあるのだが、人間の認知のクセなどを示されながら説明されると、なるほど、と素直に納得できる。
人間は見たいものしか見ない。ただの偶然に何かの法則性を見つけようとしてしまう。そのようなところが、疑似科学への導入となり、自己防衛などからさらに硬化してしまう……。ただ「おかしい」というものが広まってしまう背景というのが納得できる。

さらに、終盤の心理学周辺の疑似科学も興味深い。
元の研究では、極めて厳密な形で行われた研究もメディアなどを通して広がるうちに疑似科学性を帯びてしまう。科学的に問題の無い実験方法も、「心理テスト」として素人に使われる中で疑似科学化していく……
心理学者である著者の悩ましい思いとともに、科学と疑似科学が極めて近い場所にあるのだ、というのをここから感じることが出来る。

科学と疑似科学の境界。それを信じてしまう心理的作用。
と、同時に、人間の認知能力のクセなどへの興味も書き立ててくれ、そういうときに役立つ参考文献の紹介などもある。
入門書として非常に優れた一冊だと思う。

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5つ星のうち5.0 まさしく「決定的な入門書」

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