Amazon.co.jp: 鯨を生きる: 鯨人の個人史・鯨食の同時代史 (歴史文化ライブラリー 445) : 赤嶺淳: 本

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鯨とともに生きてきた “鯨(くじら)人(びと)” 6人の聞き書きを通して、日本社会における捕鯨と鯨食の多様な関係性を明らかにする。江戸時代の鯨食文化から戦後の「国民総鯨食時代」、鯨肉が「稀少資源化」した現代にいたるまで、捕鯨と鯨食の変遷を、近世から現代の料理書に触れつつ、高度経済成長を契機とした生活様式の移りかわりに位置づける、注目の1冊。

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本の長さ

283ページ
言語

日本語
出版社

吉川弘文館
発売日

2017/2/20
ISBN-10

4642058451
ISBN-13

978-4642058452
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対象商品: 鯨を生きる: 鯨人の個人史・鯨食の同時代史 (歴史文化ライブラリー 445)

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商品の説明

著者について

1967年、大分県に生まれる。1996年、フィリピン大学大学院人文学研究科修了(フィリピン学博士)。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授 ※2017年2月現在【主要編著書】『ナマコを歩く』(新泉社、2010年) 『クジラを食べていたころ』(編、グローバル社会を歩く研究会、2011年) 『グローバル社会を歩く』(編、新泉社、2013年)

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 吉川弘文館 (2017/2/20)
発売日 ‏ : ‎ 2017/2/20
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 283ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4642058451
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4642058452

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tomato
少し前の知られざる生活史が、自分の暮らしにつながる！
2017年4月1日に日本でレビュー済み
以前に、同じ著者のナマコについての本を読んだことがあり、今度のテーマは鯨だというので読んでみました。

前半は、鯨人（鯨と関わりのある様々な仕事を生業にしてきた人々）の語りを、「聞き書き」という手法を用いて記録しています。

自分がすぐ隣で話を聴いているようで、物語に引き込まれます。ドキュメンタリー番組の映像を見ているのに近い感じがしました。

方言をまじえた語りの文章に最初は違和感を感じましたが、数ページ読み進むとまったく気にならなくなりました。そしてむしろ、語り手の口調をそのまま活かした語りが、とても味わい深く、心地よく感じられて、一人ひとりの人柄がとても良く伝わってきました。

鯨に関する話の内容は知らないことばかりで、驚きの連続でした。「へー」とか「えー」などといった言葉が、思わず口をついて出てしまうほどでした。

また、鯨の話だけにとどまらず、語り手の仕事論や人生論といったものがたくさん含まれていて、心にジーンときます。「個人史」とありましたが、まさに生き様を見せられた気がします。

これらの臨場感あふれる「ホット」な部分をはさみこむようにして、「クール」な部分が、前書きと第3章にあります。

これらは、著者の赤嶺さんが執筆したページで、鯨人のエピソードに関連する新聞記事などの証拠が補われ、読者に理解しやすいように事実が整理されています。

さらに、事実をどのように認識すべきなのかや、考え方についても示されています。

普段はついつい、インターネットで知った情報を疑いなく信じてしまいがちなところを、「待てよ」と、一旦立ち止まって、より深く考える良い機会になりました。

鯨油（げいゆ。鯨からとれる油）が、かつて人々の生活を豊かにしていたということ。そして、現在は「別の油」が使われていて、それなしでは、我々の便利で清潔な（！）暮らしは、成り立たないということが明かされます。

自分に関係のない鯨の話が、ぐるっとまわって、我々すべてに関わる話になってしまうところが、この本の痛快なところではないでしょうか。（全員が当事者にならざるを得ないという、著者の容赦ない厳しさでもあります。）

本屋では歴史書コーナーに置かれていましたが、もっと広い範囲の読者が楽しめる本だと感じました。

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少し前の知られざる生活史が、自分の暮らしにつながる！