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インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

食卓と色彩

 私たちは、様々な刺激を外から受け取っていますが、その87%は視覚によるものだといわれています。2番目に多いのが聴覚で7%です。次いで触覚の3%、嗅覚の2%、味覚の1%ですから、色彩のない世界では、私たちの感じている刺激の大部分が失われます。当然、肉体的、精神的な活動も大きく制限されてしまいます。健常者が目隠しのままで食事をした場合、味覚が鈍化し、食べ物に対する識別能力が大幅に低下します。生のジャガイモをりんごと信じきって美味しそうに食べたという例も報告されています。

 料理は見た目で、「色を食べる」ということです。食事の満足度は、食空間70%、食卓25%、皿の料理5%といわれています。これは、カラーコーディネートの理想的な面積比と同じです。ベースカラー(基調色)の食空間は、部屋のしつらえ、飾り物、テーブルクロス、照明等があげられます。サブカラー(副調色)は、テーブルウェア、食器類があげられます。アクセントカラー(強調色)となるのが、料理の盛り付けです。
食空間 食卓 皿の料理
部屋のしつらえ、飾り物、テーブルクロス、照明等 テーブルウェア、
食器類
料理の盛り付け

 食事の色と食欲の関係を調査した結果によると、暖色系の色は自律神経を刺激し、消化作用を助ける。一般的な傾向としては、食欲をそそる色は、赤、橙、黄から中性色の緑まで含まれ、中でも橙が一番だとされています。逆に食欲を減退させる色は、黄緑、青、紫、灰色、黒などがあげられます。鳥や動物を使った実験では、赤みがかった光線や黄みを帯びた光線は空腹感を引き起こさせ、青みがかった光線は空腹感を逆に阻止させたと報告されています。ダイニングは、カーテンやテーブルクロスを暖色系でコーディネートし、照明は、青みを感じる蛍光灯ではなく、温かみのある白熱灯がお薦めです。

食欲をそそる色→ ←食欲を減退させる色

食事の盛り付けもお皿いっぱい盛るのではなく、余白を生かしたり、立体感を出したり、五色を盛る、季節感を盛るといったことが大切です。カラーの知識を生かして食卓を演出すれば、料理の腕に自信がなくても楽しく美味しく食事ができます。

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