アザラシの赤ちゃん100頭が密漁の餌食、うち38頭死ぬ 大連
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【2月21日 東方新報】中国・遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)長興島(Changxingdao)警察はこのほど、ゴマフアザラシの密漁事件を摘発した。密漁者は現地の漁民で、捕獲したゴマフアザラシの赤ちゃん100頭を瓦房店市(Wafangdian)の養鶏場内に隠していた。警察によると、捕獲された100頭のうち、29頭がショックなどのために死んだほか、アザラシを保護した移送先でもさらに9頭が死んでいる。
毎年2月、ゴマフアザラシの繁殖シーズンになると、販売目的でアザラシを密漁する漁師が後を絶たない。長興島警察によると、アザラシの生殖器が薬の材料になるとして、生殖器は1頭あたり1万~3万元(約16万5000~49万5000円)の高値で取り引きされているという。容疑者はすでに逮捕されており、警察が調べを進めている。
保護された71頭は、現地の大連の水族館や研究施設などに移送された。9頭が免疫力低下により死んでしまったが、ほかのアザラシの赤ちゃんの状態は良好だという。35頭を引き取った大連聖亜海洋世界(Sunasia Ocean World)の職員は、「アザラシの赤ちゃんは専門的な治療を行っているため、一般公開はしていない」と話す。
ゴマフアザラシは陸上での動きが鈍く、密漁者の標的になりやすい。2015年にも大連市でアザラシ11頭の密漁事件が摘発され、4人が逮捕されている。
全国水生野生動物保護会の王志祥(Wang Zhixiang)副秘書長は、「今年のゴマフアザラシの出産期は、例年よりも現地の気温が高く、凍結なども少なかったことから、密漁者たちにより大きな機会を与えてしまったのだと思う。しかし、私たちが現状を把握している限りでは、こんな大量に密漁されたことは初めてだ」と話している。(c)東方新報/AFPBB News