【12月4日 AFP】バングラデシュで昨年、結合双生児の分離手術が同国で初めて成功し、術後約1年半を病院で過ごした姉妹が3日、無事退院した。担当医が翌4日、明らかにした。

 2歳のトファ(Tofa)ちゃんとタフラ(Tahura)ちゃん姉妹は、脊椎と直腸が結合した状態で誕生。昨年8月、医師20人以上が9時間かけて臨んだ過酷な手術を乗り越えた。

 この画期的な手術を率いた小児外科医はAFPに対し、「2人の健康状態が良好になり、3日夜に退院した」と明かした。

 同医師は、「2人は他の普通の赤ちゃんと同じように、歩くこともできれば遊ぶこともできる。ただ帰途に就いたとはいえ、経過観察は随時行っていく」と述べた。

 北部ガイバンダ(Gaibandha)県の貧しい農家に生まれた姉妹は、260キロ離れた首都ダッカの病院に入院していた。

 母親はAFPに対し、「2人が分離され、健康な生活を送るなんて思ってもみませんでした。しかしアラー(神)のご加護で、今では体が離れたトファとタフラと一緒に退院することができました」と喜びを語った。

 当初地元の医師らから、分離手術を行える専門家は国内にはおらず、国外での手術は膨大な費用がかかると告げられた両親は、手術を諦めかけていた。しかし実際に手術を手掛けたのは、バングラデシュ人の外科医らだった。

 母親は以前、2人が健康に成長したら、イスラム教の教育施設に通わせるという希望を語っていた。「私は若くして結婚したので、学校には行かなかった。でも2人にはイスラム教を学び、善良な人間になってほしい」 (c)AFP