【8月4日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ (Thomas Bach)会長は3日、陸上競技で大規模なドーピング疑惑が浮上した問題について、五輪の結果に影響を及ぼすのであれば「一切容赦しない」と語った。

 その一方で、国際陸上競技連盟(IAAF)は、今回の問題発覚はメダルの「再分配」を求める動きに関連しているとの見解を示した。

 ドイツ公共放送連盟(ARD)と英紙サンデータイムズ(Sunday Times)が大量ドーピング疑惑を報じたことで、第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の開幕を約3週間後に控える陸上界は、新たな危機を迎えている。

 IAAFが保持していた情報を入手したARDとサンデータイムズは、2001年から2012年までに開催された五輪および世界陸上の持久系種目で、メダルを獲得した3分の1の選手のドーピング検査結果が疑わしいと伝えている。

 クアラルンプール(Kuala Lumpur)で記者会見に臨んだバッハ会長は、「五輪に関わる事実が発覚した場合、IOCはこれまでの方針に従い、一切容赦しない態度で措置を講じる」と語った。

「しかし、現時点では疑惑にすぎず、われわれは選手が無実であるという前提を尊重しなければならない」

 一方、IAAFのラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)会長は、IOC総会に出席し、国際陸連として疑惑に対処していくと表明した。

 今月で国際陸連の会長を退任するディアック氏は、IOCメンバーに対して、「今回の背後には、メダルの再分配を求める動きがあり、これに対処するべきだ」と警告している。