【10月31日 AFP】シリア北部アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)でイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦っているクルド人部隊を支援するため、重武装でイラクを出発していたイラク・クルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)の戦闘員らが30日、シリアとの国境に近いトルコ南東部のスルチ(Suruc)に到着した。

 現地のAFPカメラマンは、クルドの旗が沿道にはためくトルコ南東部の道路を移動してきたペシュメルガの車列が、前日の29日に空路で同地入りしていた部隊と合流したと伝えた。

 非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ペシュメルガの10人が一時的にコバニに入り、6週間にわたって「イスラム国」との攻防戦を続けているクルド人部隊と調整したという。

 トルコの通信社フィラト(Firat)は、ペシュメルガの戦闘員らは、コバニのクルド人部隊と物資の補給や国境を越えた武器輸送について話し合った後、スルチに戻ったと伝えた。ペシュメルガの本隊が国境を越えてコバニに入る時期は明らかになっていない。

 当局者らによると、スルチに到着したペシュメルガ戦闘員は総勢約150人で、機関銃や重火器、ロケット弾発射機などを装備している。

 シリア人権監視団によると、「イスラム国」はコバニ北部に迫撃砲や重火器による攻撃を仕掛けている。ペシュメルガのコバニ入りを阻止を企図したものとみられる。「イスラム国」は29日夜にも北部近郊を攻撃したが、シリアのクルド人民兵組織、人民防衛部隊(YPG)の反撃を受けて後退したという。(c)AFP/Bulent Kilic with Serene Assir in Beirut